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4・七松小平太
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自主練を終え、お風呂でゆっくり暖まったせいか、身体はホカホカと暖かく何時よりも夜の風が心地良い。
七松小平太は機嫌良く、自室の引き戸を開けた。
「長次。ただいま。」
私が、そう声を掛けると文机に向かっていた長次がこちらを向く。
「あぁ…。」
ボソッりと呟く長次の横に座布団を引っ張って来て私も座る。
ほんのりとした蝋燭の炎は殊の外明るい。
その明かりが、機嫌の良さそうな長次を照らしていて、つい気になったのだ。
「どうしたんだ。長次。今日は機嫌がいいな。」
私もつられてニコニコしていると、長次がポッリと呟く。
「…小平太も機嫌が良い……。」
「そうだな。今日の実習が楽しかったからな。ついでに風呂も気持ちよかったし。なんだ、長次も実習が楽しかったのか?。」
私が尋ねると長次は首を振り否定した。
―― なんだ長次は、実習楽しくなかったのか。――
予想していた答えがハズレ、私が思わず肩を落とすと何時もの穏やかな長次の声がした。
「実習はそれなりに楽しめた。ただ、今機嫌良く見えたのなら、別の事だ。」
その声に彼の周りに目をやると真新しい和本が幾つか置いてあった。
「注文してた新刊が来たのか?。」
私が尋ねると再び長次の首はゆっくり振られる。
「う~ん。違うのか。そう言えば、今日は実習があったから長次も委員会出てなかったはずだ。」
考えが口に出ている事も気にせず、さらに言葉を続ける。
「でも、本が此処にあるって事はやっぱり…委員会関係だな。うん、そうだ。」
そう一人頷きながら長次を見ると、どうやら正解のようだ。
「きり丸が…。製本した和本を届けてくれた。」
長次の視線は一冊の本へと注がれる。
四ツ目綴じの和本ではなく、角に模様がある綴じ方で、他とは違う和本があった。
思わず、『綺麗だな』と声が出てしまうくらい、見事に綴じ糸が縫われてある。
「私は本の事、余り分からないけど、これは良い本だな。」
そう言ってから、私はある事を思い出した。
「そう言えば、久しぶりだなこの綴じ方は…。たしか康熈綴じか。」
「あぁ。」
長次が珍しく優しいく笑った。
長次は普段、人とは違う表情をする事も多い。
けれど、たまには嬉しい時は、ちゃんと笑う。
他の人と同じように感情のまま表情に現す時だってある。
ただ、周囲がそれに気付かないだけだ。
「長次は、勿体ないなぁ。」
「……分かってくれる奴がいる、そうでもない。」
彼のその言葉に今度は、私が嬉しくて笑った。
ゴロンと仰向けになって寝転ぶと、横では長次が本をめくる音する。
うとうとし始めた私に気付いた長次が、布団で寝ろと言ったが…
起きるのが面倒でそのまま目を閉じた。
まどろみに落ちる直前に先程の見た本のせいで、思い浮かんだ人物に私は呟く。
「そうだ、明日、バレーをしよう。」
後ろで長次の溜息が聞こえたが、この際聞こえなかった事にした。
+4・七松小平太 +
七松小平太は機嫌良く、自室の引き戸を開けた。
「長次。ただいま。」
私が、そう声を掛けると文机に向かっていた長次がこちらを向く。
「あぁ…。」
ボソッりと呟く長次の横に座布団を引っ張って来て私も座る。
ほんのりとした蝋燭の炎は殊の外明るい。
その明かりが、機嫌の良さそうな長次を照らしていて、つい気になったのだ。
「どうしたんだ。長次。今日は機嫌がいいな。」
私もつられてニコニコしていると、長次がポッリと呟く。
「…小平太も機嫌が良い……。」
「そうだな。今日の実習が楽しかったからな。ついでに風呂も気持ちよかったし。なんだ、長次も実習が楽しかったのか?。」
私が尋ねると長次は首を振り否定した。
―― なんだ長次は、実習楽しくなかったのか。――
予想していた答えがハズレ、私が思わず肩を落とすと何時もの穏やかな長次の声がした。
「実習はそれなりに楽しめた。ただ、今機嫌良く見えたのなら、別の事だ。」
その声に彼の周りに目をやると真新しい和本が幾つか置いてあった。
「注文してた新刊が来たのか?。」
私が尋ねると再び長次の首はゆっくり振られる。
「う~ん。違うのか。そう言えば、今日は実習があったから長次も委員会出てなかったはずだ。」
考えが口に出ている事も気にせず、さらに言葉を続ける。
「でも、本が此処にあるって事はやっぱり…委員会関係だな。うん、そうだ。」
そう一人頷きながら長次を見ると、どうやら正解のようだ。
「きり丸が…。製本した和本を届けてくれた。」
長次の視線は一冊の本へと注がれる。
四ツ目綴じの和本ではなく、角に模様がある綴じ方で、他とは違う和本があった。
思わず、『綺麗だな』と声が出てしまうくらい、見事に綴じ糸が縫われてある。
「私は本の事、余り分からないけど、これは良い本だな。」
そう言ってから、私はある事を思い出した。
「そう言えば、久しぶりだなこの綴じ方は…。たしか康熈綴じか。」
「あぁ。」
長次が珍しく優しいく笑った。
長次は普段、人とは違う表情をする事も多い。
けれど、たまには嬉しい時は、ちゃんと笑う。
他の人と同じように感情のまま表情に現す時だってある。
ただ、周囲がそれに気付かないだけだ。
「長次は、勿体ないなぁ。」
「……分かってくれる奴がいる、そうでもない。」
彼のその言葉に今度は、私が嬉しくて笑った。
ゴロンと仰向けになって寝転ぶと、横では長次が本をめくる音する。
うとうとし始めた私に気付いた長次が、布団で寝ろと言ったが…
起きるのが面倒でそのまま目を閉じた。
まどろみに落ちる直前に先程の見た本のせいで、思い浮かんだ人物に私は呟く。
「そうだ、明日、バレーをしよう。」
後ろで長次の溜息が聞こえたが、この際聞こえなかった事にした。
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