蝙蝠と血の話 🦇📣


「貴方、血は飲まないんですか?」

資料整理の作業中、部屋の奥の机で事務作業をしていた私の上司であり恋人の、極卒様が問いかけてきた。

「はい、飲みませんね――どうしたんですか?そんな意外そうな顔して」

極卒様は、驚いたのか目を丸くしていた。まぁ元々丸いんですがね。

「いや……てっきり『こうもり』と名につくものだから、血を吸うのかと思っていました」
「血を吸う蝙蝠はごく一部だけですよ。私は血を飲めません。そんなものより、林檎や無花果のような果物の方が好きですね」
「そうなんですね……」

極卒様は少しだけ顔をしかめた後に、いいことを思い付いたかのようにぱっと笑顔になり、口を開いた。

「――そうだ、今度、駅前の通りの喫茶店にでも一緒に行きませんか?あの店、ミックスジュースが美味しいって評判なんですよ」
「それは良いですね。空いている日にち、確認しておきますね」
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