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失恋のお話 1


別れてから2年が経った。
あれから暫く落ち込む毎日だった。
自分が決めた事なのに、本当にこれで良かったのか
自問自答してばかりで。
嫌いになった訳じゃなくても、
付き合い始めた頃のような気持ちにまた戻れるのか?
って思ったらその自信はなくて。
そのうち時間が経ったら少しずつ考えないようになってきた。
1年経った頃に、風の噂で新しい恋人が出来たらしいと聞いた。
幸せに暮らしていてくれてるんならこれで良かったんだと
ようやく思えた。

だけど自分はあれから誰のことも好きにはなれなかった。
前よく行ってた店にもまた時々顔を出すようになり、
ママのノロケ話を聞いてたら声をかけてくる人もいて、
出会いがない訳ではなかったけど、
心惹かれる人は今のところ現れない。

ママ「まだ忘れられないの?」忘れられない、なのかな?
「未練とは違うけど、そう言われればまぁそうなのかもね。」
ママ「ぶつかってケンカしてもいいから、
お互いにちゃんと思ってる事言い合わなかったからよ?
その上でやっぱりダメだって思ったんなら
もう顔も合わせたくないくらい嫌になるんだから(笑)」
「嫌いになんてなれないよ。
自分には勿体ないくらい良い人だったからさ。
けど確かに、一人で考えてモヤモヤして、
何も話し合わなかった。それもお互いにね。」
ママ「前から思ってたけど、アナタ達は似た者同士だからねぇ。」
「そう?」
似てるのかな?『相手に気を遣いすぎてる』って意味では
確かにそうだったのかも。

実家暮しは居心地が良くて、一人暮らしをするにはまた
一から家具家電を揃えなきゃならないし、
職場から遠い訳でもないからそのまま。
仕事も順調で昇進って程でもないけど、
そこそこ給料も上がったりして
平穏無事でそれなりに幸せに暮らしてる。
友達だって結構いるし職場の人間関係も良好だ。

またいつか、心から好きになって
愛し続けられそうな人が現れたら、
その時また考えたらいい。
冬が終わったらまた春が来る。
俺の人生にも。
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