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失恋のお話 1



結局コンビニに寄って、ビールとおにぎりだけ買って帰った。
今朝回してって乾いた洗濯物をたたみ、
恋人の分を寝室に置いてきて、
自分のもクローゼットにしまい風呂に入った。
恋人はきっと今日はもう入らないと思ったから
栓も抜いて風呂場も掃除した。
「もうこんな時間か……」
明日もきっと残業だし、恋人はまだ帰らないし
寝てしまおうと照明を落とし、自分の寝室で眠った。

自分の布団にゴソゴソと入ってくる気配で目が覚めた。
何時?2時……
後ろから抱きしめられ、首筋にキスをされる。
「ゴメン……もう寝てたからさ、勘弁して?」
「うん、ゴメン。けど……ハグだけさせて。」
1分?2分?…… しばし抱きしめられていたあと
「おやすみ」と言って出ていった。ほっとした。
今からシたら寝不足になって、明日の仕事に支障が出る。
そんな頭が先に巡る自分が、虚しくなった。
そう思っていたのに今度は眠れなくなって、
最後にシたのが随分前すぎて、
物理的に溜まれば出さなきゃならない構造の身体は
ハグと首筋のキスだけで疼いてしまった。
恋人と付き合いだしてから1度もシてなかったのに
凄く久しぶりに自分で抜いた。
猛烈な虚無感と自己嫌悪に襲われた……

酒臭くは無かった。ならあの時間から今まで何を?
いっそ酔って酒臭い方がマシだった。
シラフで誰と何をして帰って、自分に触れてきたのか。
そう思うのに怒りも沸かない、自分に腹が立った。
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