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続き


毎日穏やかに暮らし、仕事も順調で
特に悩みなんかも無い日々を送っている。
今日は久々に仲のいい同期と2人で酒を呑み、
お互いの近況なんかを語り合った。
自分には仕事の話くらいしか無かったけど
同期からは『来月入籍するんだ。』と報告され、
『おめでとう!』と乾杯した。

食事した店を出て、
バーにでも行こうかと話しながら歩き出したら、
その先の交差点の向こう側の居酒屋から
数人が出てきたのが見えて、目が釘付けになった。
夜でも、距離があってもすぐわかる。
それは2年以上も前に別れた、元恋人だった。
歩きながら交差点に近づいたら、
気づいてない振りをして目を背け、同期と話しながら角を曲がった。

年月が経っていても全く変わりない。
一緒にいる人達と談笑する様子から
元気でいるのだと、ほっとしたような悔しいような
複雑な気分だった。
そのまま歩いて次の交差点を曲がればバーはある。
曲がる直前に振り返ってもう一度居酒屋の方を見た。

元恋人は1人交差点の所に立ち、ずっとこちらを見ていた。
自分もつい足が止まってしまった。
「ん?どうした?」
「……あ、いや……」
同期も居酒屋の方を見た。
「知り合い?」
「うん……まぁ。」
「すんごいお前の方見てんじゃん(笑)
話してくれば? また今度ゆっくり呑もうぜ。」
「え……あぁ、うん。ありがとう。ゴメンな。」

同期は帰ったけど、まだすぐには脚が動かなかった。
元恋人は信号が変わると歩き出して
こちらの方に近づいてくる。
どうする?自分はどうしたい?
締め付けられていた胸は、ドキドキと鳴り出した。
変わらない姿、変わりない笑顔。
「久しぶり。」
「うん……そうだね。」

ずっと止まっていた時間が今、動き出した。
さぁ、何から話そうか……?

~end~
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