失恋のお話 2
別れてから2年が経った。
もはや付き合ってた期間より、別れてからの方が時が過ぎている。
なのに、他に好きになるどころか気になる人すら現れず
ありがたいことに男女問わず告白されたりもしたけれど、
誰とも付き合う気にはなれなかった。
自分がこんなに一途だったなんて、
それを別れてから知るなんて。
流石に2年も経っているから、
ずっと頭から抜けないなんて事は無くなった。
会社でもそれなりに責任ある立場で仕事をしていたし
やりがいもあって、意欲的に働いていた。
一人の大人の男の人生としては順風満帆、
ただ心に小さな穴が空いてる、それだけ。
店に顔出すと言っておきながら全然行ってなかったから
看病してくれた子やママから何度か連絡があった。
世話になっといて何のお礼もしてなかったし
花でも買って行こうかな、と思い
何年かぶりに、前はよく行っていた店に顔を出した。
ママ「あらぁー!久しぶりじゃないの!あら、綺麗なお花♪」
「ご無沙汰してます。花、お店に飾ってください。
あれ?今日、あの子は?」
ママ「あぁ、今日は休みなの。デートだって張り切ってたわよ?
そうそう、アンタの事好きで世話しに行ってたのにねぇ?
脈無いって解ったら切り替えの早いこと(笑)」
「そうなんだ(笑) 羨ましいな。」
ママ「んーー?意味ありげね。恋人は?今は居ないの?」
「なかなか付き合いたいと思えるほど好きになる人は現れなくて(笑)」
ママ「へぇ?……全く同じような事、言ってた子がいたわ。
やっぱり似てるわね……」
「え?(笑)」
久々のこの店はやっぱり出会った頃を思い出して
胸が少し痛くなったけど、
ママも店の子も元気そうだったから安心した。