失恋のお話 1
恋人と付き合って半年くらい経った頃、
やっぱりもっと一緒に居たいねって同棲を始めた。
お互い職場も違うし、生活時間もペースも
地味にずれることも多いけど、それでも
必要以上に干渉しあわない距離感がちょうどいい。
お互いにそう思って生活をして1年が過ぎた。
ここんとこ恋人は、
新しいプロジェクトを任されてるとかで、
残業続きで帰りが遅い毎日だ。
昇進もかかってるというから、自分も応援している。
自分だって毎月月末の数日は残業で遅くなるから
お互い様だって思ってるし。
今日は遅くなるって連絡ないけどどうなんだろ?
とりあえず夕飯を作った。
待ってみたけど遅いから先に自分だけ食べて、
もう1つの皿にはラップをかけた。
風呂に入って上がったら、ちょうど帰ってきた。
「ごめん!連絡できなくて。あー、ご飯作ってくれてたんだ。
会社で同じプロジェクトの子が
コンビニで色々買って来てくれて……
ゴメンね、明日の朝食べるから。」
「いいよ。忙しいの解ってるし。風呂入って?」
「ありがとう。今日も疲れたー(笑) 入ってくるね。」
風呂から上がってきたから、「ビール飲む?」と聞いた。
恋人はコップの水を一気飲みして言った。
「今日はいいや。ごめん、もう寝るね?
眠れる時にちょっとでも寝ときたくて。」
「うん。その方がいいよ。おやすみ。」
「おやすみ!」
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