歌は勝利を掴む
※あんスタ×ヒロアカ
※勝出中心でトリスタ、アルカロ中心のアイドル×ヒーロークロスオーバー
※勝出がプロヒ設定(あんスタ伽羅は年齢そのまんま)
※全てヒロアカ視点
※カプは勝出、ダイデク、ひいあい、スバル中心呑
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【護衛】
「僕らがアイドルの護衛ですか?」
「そう、オールマイトの事務所からはデクで、ダイナマイト事務所からはダイナマイト直々に出動すると連絡がきてるの、助かるわ〜」
「え、えっと、僕は構わないですけど…かっちゃ、ダイナマイトはなんて?」
「実はまだ、連絡来てないのよね〜、でも幼馴染だし何とかなるわよね」
「…いやいや、むしろ護衛の前に僕が吹き飛ばされかねな…“BoooooM”」
ほらぁとは言えずに横に吹き飛ばされながら上手く着地する。
かなり痛かったが敢えて言わないでおこう、後々の話が面倒だからっと椅子を直して座り直した。
僕の吹き飛ぶサマを見ていた、今回の依頼を受けた事務員は驚きで目を丸くしている。 それもそうだろう、幼馴染と言えど、仲がいいという訳ではないっと隣からズカズカと苛立ちと共に姿を表したヒーロー仲間に視線を向けた。
「なんっで、俺がデクなんかとっ」
「ひ、久しぶりだねダイナマイト…」
「ヂィッ…他の奴、回せや」
「オールマイト事務所は僕とオールマイトとグラントリノだけだから無理だよ…、なんならキミ達の事務所が他の人…」
「あぁ? 俺がアイドル如きを護衛出来ないとでもいいたいんか?」
「(誰もそんなこと言ってないし)」
僕と彼の会って早々の開口1番のやり取りに、事務員さんはぽかーんとしたまんま固まっていた。
「はぁ、ダイナマイト…僕と組むのが嫌なら協力はしなくていいし、勝手に動いてくれても構わないよ。その代わり、任務だってわかってくれるかな」
「…俺に指図すんじゃねぇわ、チッ。依頼内容教えろや」
「あっ、は、はいっ、えと資料は此方です」
出された資料には2組のユニットが写っていた。 他にも様々なユニットがあるのだが、それ以外のヒーローにもそれぞれの依頼を割り振られていて、僕とダイナマイトにはその中でも最上級ユニットと最底辺ユニットの2ユニットの依頼らしいのだ。 もちろん有無を言わさずかっちゃ…ダイナマイトは人気ユニットに決まってるだろっと書類の1枚を取り上げ【Trick star】という名のユニットに決める。
僕は守るなら全力でがモットーだから仕事や依頼人は選ばない。頼まれたことを最大限守りきるだけだっと、残った1枚である【ALKALOID】という名のユニットを受け持つことになった。
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【同室】
「うっわぁぁぁぁぁ、広いーーーー」
「…ふん、まぁまぁだな」
「こんな最上級の部屋借りていいのかなぁ?」
「…いんじゃねーの? 依頼主が良いって言っとんだし」
「ここで僕らは最低1年間は護衛をするってことかぁ」
「…俺らの他にもアイドル共のグループ事にヒーローが呼ばれとるらしい。まぁ、おいおい会えんだろ、荷物片せや」
「あ、うん。でも、かっちゃん良かったの? 僕なんかと1年間相部屋で…」
「しゃーねーだろ、知らねぇ奴と相部屋組むよりはマシだわ」
持ってきた荷物を自分たちで割り振った部屋に運んでいく。
1年しか借りないのだから趣味のものを増やせる訳もなく、最小限の荷物に抑え棚に移して行った。
食器やら何やらは全ていつの間にか幼馴染がしてくれていて、何故かペア物が多いのはこの際置いておこうと思った。 きっと、ペアのが安売りしてたんだろうとそっと視線を逸らした。
「おい、出久」
「ひゃいっ!?」
「…」
「あ、ごめん…何かっちゃ…」
「あからさまにビビっとんな、あの時のことは忘れろや…」
「…び、ビビってなんか、驚いただけで」
そっと彼が立ち上がり頬に触れてくる。
その触れ合いにもビクリと肩を震わせば、はぁっとため息を吐かれた声に顔をあげた。
「ご、ごめん、ちが、違うよ!? た、ただ、やっぱり…キミに触れられると緊張しちゃって」
「…ビビってる以外なんだっつんだ」
「…ま、また、キスされちゃうんじゃって、緊張しちゃう」
「…は?」
こんな言い方、僕が彼からのキスを楽しみにしてるみたいだっと赤くなりつつも、下を俯いたまんま彼の身体に近寄りぎゅっと擦り寄る。
顔を肩に押し付けながら真っ赤になりつつ、目を閉じた。
「かっちゃんからの、キス…その、嬉しかったのは本当だよ?」
「…っ」
ピシッと固まるような動きに赤くなったまんま彼を見上げると、彼からみたら上目遣いになったのか、強く抱きしめられそっと頬に手を添えられた。
「…期待、しとったんか」
「い、言い方っ…でも、待ってた、よ?」
「…し殺すわ…」
「ちょ、かっちゃ…んんんっ、ふぁ…」
後頭部を捕まれひきよせられると、口内にぬめっとした舌が入り込んできた。 舌を絡ませられると、くちゅくちゅと水音を繰り返しながらはぁっと息を吐きつつ、彼の胸元を押して離れさす。
「もぉ、もうすぐ任務なんだから…やめてよっ」
「あ? そんな時間か…チッ」
彼は離れると携帯を見つめスケジュールを眺めながらドカッとベットに座りガシガシと面倒くさそうに頭をかいた。
「お前んとこは何時に護衛終わるんだ?」
「えーっと、予定では…全員を送り届ける任務が22時には終わる予定、寮生だから、流石に夜22時以降の仕事は受けないみたいだよ」
「俺んとこも同じだ、なら…夜は楽しく凄そうな、エロナードちゃん」
「…なっ!?」
肩をぽんっとされつつ、寮生の迎えの時間までに互いにスケジュールの確認を行って、戸締りをして家を出ようとした。 車をレンタルしてもいいんだけど、うーんっと考えながらもかっちゃんは先に外に出ていき、靴を履いていたら頭を軽く殴られた。
「ヒーローなんだから飛べや」
「痛い…そうだけど、アイドルを護衛なんだし…」
「護衛なんだから車で移動する必要ねーだろーが、とっとと行くぞ」
腕を引っ張られ立ち上がらせられれば、スタスタと歩いていく彼について行く。
駐車場に足を運ぶ彼の姿に疑問を浮かべれば、結構デカい車が現れた。
目を丸くしつつ、ギギギっと壊れた人形のように首を回しつつ、運転席に乗る彼を見るの、口パクで乗れやっと言われた。
「お、おじゃま、します?」
「ん、なんで後ろなんだよ、テメェの席はこっちだわ」
後ろを開けた瞬間に怒鳴られ、隣を指刺されれば、思わずんんっとなってしまった。
言われた通りに助手席に座れば、結構恥ずかしくないかこれっと思いつつ、隣のイケメンな同居人を見つめた。顔が良いっと言えず、心で叫んだ。
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【挨拶】
車に乗り込んで、彼にこの車どうしたの?っと聞けば、運転しながら彼は「あ? 2ユニット入る送迎車選んだだけだわ」と告げた。
「2ユニット…」
「あ? どうせ送るとこは寮なんだから2ユニット送った後に俺らは帰りゃ問題ねーだろーが」
「あー、そういうこと?」
「どっちかが終わるのが先の日はてめぇが迎えに行けや、免許は持っとるだろーが」
「う、うん、でもキミの車使っていいの?」
「1ユニットん時はもう1台の使え、車庫にいれてあるから」
「くっ、この高額納税者めぇ」
「はっ、悔しかったらてめぇも早く独立すんだな」
「…させない癖に」
「あ?」
運転しながら語る彼にボソッと呟いてから、少し怒りが入る声に続ける
「…結婚、するから…引き抜くつもりな癖に」
「…いい度胸だな? あ? いずく…車で犯されたいってか?あ?」
「うわっ、ちょ、何かっちゃ…んぐっ」
赤信号でいきなり停車され、アップで顔に入ってきた面に驚きつつも唇を奪われた。 なんなんだよいきなりっと真っ赤なまんま視線を逸らすと、窓から見える人達に更に恥ずかしくなった。
「恥ずかしすぎて…外が見れない」
「はっ、ざまぁ〜」
「誰のせいだよ誰の…」
ていっと軽く彼を離せば、動き出した瞬間にふんっと窓の外を眺めつつ彼から視線を逸らした。
「此処だな…」
「さ、最初の挨拶が肝心だよねっ」
「…ガキ相手なんざどーとでもなんだろ」
「全くキミは、仮にもプロヒーローなんだし、素行に気をつけなよね」
「うるせぇわ」
車を近くの契約しておいた駐車場に停車させれば、ESが設立したアイドル寮が目の前に広がり、僕と彼は足を踏み出した。
中に入れば広いエントランスが広がっていて、昔僕らが過ごした寮よりも格段に広くて呆然と立ち尽くしてしまった。
社員証を掛けたかっちゃんは受付に歩いて行くと、事務員の女性と話してからこっちに戻ってきた。
「デレデレしてさっ…ふん」
「あ? 妬いてんなよ、あんな年増興味ねぇわ」
「…ちょ、女性に失礼だろ」
「なら、あからさまに嫉妬しとんなや、こっちだ行くぞ」
手を引っ張られ、言われた通りの道を歩いていけば、「練習場❶」と書かれたルームに着いた。中を覗くと、8人の少年たちが、何やら鏡を前にして動いていた。
「あの子たちかな」
「だろうな、今日は面会だから…2ユニットで合同してんだろ、行くぞ。舐められんじゃねぇぞ」
「…いやいや、どこのチンピラだよ」
“ギィィ”っと扉を開け、僕らはこの先の部屋へ足を踏み入れた。
NEXT…?