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暴露大会とその相手は…





「意外…というより、本当に上鳴の言う通り時は進む…一緒に行動していると近くの本当に大事なものが分かるんだろ」

「…そ、そうだな」

「もちろん、俺も飯田も…暫くは2人で飲んだりする時は緑谷のこと思ってたし話題もあった…だけどな、離れて連絡もないと、少しずつ変わっていくもんだ」

「あの時の轟くんは本当に凄かったしな!俺も驚くくらいだった」

「はぁ、あん時はマジでどうかしてた。緑谷が好きなのもあったけど、全然音沙汰すらねぇから帰ってこないのかと…」

「あの時の君はとても危うかったけどとても可愛かったと思うぞ。親と離れた子供みたいだったしな」

「言うなよ、それをいうならお前もだろ。緑谷から連絡ない間ずっと部屋で緑谷くんは、緑谷くんも〜だの…」

「結局2人とも元々デクくん大好きやったんね!」

「それは…もちろんだ!」

「ただ、それが…いつの間にか友愛になっただけだ」



フッと相手同士を見ながら笑うその姿に女子共は「きゃーーーーっ!」と叫んで盛り上がってる。携帯を見ると、そろそろ始まってから1時間半程は経ちそうなのに、主役は一向に現れず…切島と上鳴と瀬呂が俺の周りに寄ってきてニヤニヤした顔をしてきた。 俺は「きやがったか、めんどくせ」って顔を隠さずに酒を横にずらして3人の顔から視線を逸らすように頬杖ついた。
すると、ずっと気になってたのか丸顔や透明女、耳とかが何かを聞きたそうにしてるからため息を1つついてから「なんだよ」っと聞けば嬉しそうに近づいてきた。


「めっっっっっちゃ、驚いたんやけど、爆豪くん結婚しとったん!?」

「そうっ、その話聞きたい!ウチも!」

「わたしもわたしも〜!女子も男子も聞きたいよね?ねっ!」

「あー確かに気になったわ」

「あの爆豪だもんなー」

「相手、胸おっきぃか!? 尻とかは!? gya------!!」

「黙って峰田ちゃん」



グイグイと来るそいつらの俺に聞いてきた理由はこれだ。 左手の薬指に嵌るリングは確実に意味を成しているそれであり、高校の卒業と同時に俺の人生を縛ったもの。 アイツと離れて変わってしまったのは周りだけじゃねぇ俺もその1人だ。 緑谷出久は俺の中じゃ切っても切れない縁だと思ってたが、あっさりそんなもんは切れるもんだっと左手に嵌る指輪を指でなぞりながら懐かしく思う。 アイツを好きだった高校の間は確かに周りの誰にも渡したくなかったとも思う。きっと今でもあいつの幼なじみは俺だけの特権だと言いたくもあるが、それももう言えない証だ。 ずっと変わらない気持ちなんかねぇんだよなっと苦笑いしながら話を聞きたそうにしてる奴らを見つめた。



「俺だって23だぞ? 伴侶が居てもいーだろーが」

「そこが不思議なんよ!だって、デクくんはっ!? あんっなに、ウチらに牽制しとったん爆豪くんやん!」

「そーそー、俺が緑谷に告白しなかったのも基本爆豪のせいだぞ」

「爆豪、ことある事に爆破で牽制してたしな」

「そんなお前が、緑谷以外となんてさぁ〜」

「…別に…デク以外とかじゃねぇ…好きじゃなくなっただけだ」

「まぁ、そういうのもあるよな!俺や電気もそうだったしな!」

「んで? 恋人さん、可愛い?なっ、爆豪!」


俺の言葉に全員納得したのか、それ以上俺の相手には踏み込んで来なかったが流石は男上鳴というとこか。 気にせず俺に聞いてくるたァいい度胸だっと彼の顔に掌をあてて爆破しようかとした瞬間に切島と瀬呂が間に入り止めに来た。「クソがっ」と吐き捨ててから目の前のスルメを口に含んだ。


「…可愛いつーか、生意気」

「おっ、おぉ! え、なになに、かっちゃん尻に敷かれてる系?」

「おい、電気やめろって」

「でも、気になるなそれ」

「だろだろ? なー、いいだろかっちゃんー」

「かっちゃん呼ぶな! …はぁ、可愛くはねぇし綺麗でもねぇ…だけど傍に居ねぇと息苦しいって感じた…何か離れたくねぇし離したくねぇって思ったから…俺のもんにしただけだわ。」

「その子のどこが好きなの?」

「…ブッサイクなとこ」

「…爆豪、ぜってぇ振られるぞそれ」

「あ? 振られるわけねぇだろ…あいつは俺が大好きだから」


フッと思い出したように笑えば、周りが「本気で好きなんや」とか「お前にしては素直だな爆豪」だのわいわい盛り上がってきたとこで、駆け足と共に息を切らした今回の主役が現れた。



「飲み会に、僕がきたーーーーーー!」



手を挙げて入ってきた姿に全員が振り向いて彼に飛びついたやつ、拍手した奴、大声をあげたやつとそれぞれが反応していた。
俺はそいつの久しぶりの姿に「おっせぇよ」っと小声で呟いた。
そいつは着いてから色んな奴に質問攻めになりながら畳を進んでいくと俺の横に腰を下ろして鞄を後ろに置いた。
俺は黙ってそいつが普通に腰を降ろしたのを確認してから目の前の酒を飲みながらタッチパネルを使用し適当な飲み物を見繕って送信する。
俺は隣がそいつになると更に周囲がうるさくなってきたのでげしげしと足でそいつを軽く蹴飛ばす。


「痛い、痛いよかっちゃん…もー久しぶりなのに酷くない?」

「うっせぇ、てめぇが傍に来ると周囲が騒がしくて落ち着いて飲めねぇんだよっ!もう少しそっち行けや」

「隣を退けとは言わないんだ、変わったね君も」

「ほっとけ…」

「まぁまぁ緑谷そういうなって、爆豪も奥さんが出来てから丸くなったんだよ」

「…上鳴くん…奥さん、そっかぁ。奥さんにそんな影響あるなんて驚きだよ〜」

「お? 驚かないんだな緑谷?」

「え? うん、そりゃあ僕達も23だしね、ずっと独身って人も少ないと思うし…それに、伴侶が居ると丸くなるってのわかる気がする」


隣のソイツは俺をチラッと見てから眉を下げて笑ってきやがった。「キメェ」っと軽く顔を掴むと「痛いよかっちゃん」っと笑いながらも会話に戻っていった。結局、離れずに俺の隣に周りを集めて話やがるのが心底気に食わねぇっと思いながらも久しぶりのソイツとの距離感に少しだけほっとした俺が居たのも事実で「ヂィッ」と舌打ちしながら頬杖ついた。





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