海賊パロ
【本船視点】
「前方に敵船! 飯田くん、船を岩場まで前進できる?」
「任せろ緑谷くん! 梅雨ちゃんくん!帆を張ってくれ」
「ケロ!わかったわ、お茶子ちゃん行きましょう」
「うんっ!デクくん、行ってくるね!」
「ごめんね、お願いします。 八百万さん、そっちはどう?」
「はい、まだ敵に確認されては居ないみたいですわ。このまんま気付かれずに行けば…緑谷さん、大変です!」
「どうしたの!?」
「船の旗が…危険です、直ぐに引き返しましょう! 隠れるだけでは終わりませんわ」
仲間に指示を出しつつ、全速で岩場のある祠に船を移動させる。望遠鏡で遠くを見つめると、旗の印を確認し、冷や汗が出てきた。 しまった、彼等は遂にここ迄、領域を広げて来たのかっと望遠鏡を離してから作戦室に足を運ぶ。 そこには丁度、次の街までの航海するルートを探っている仲間が集まっていて、その内の1人に声を掛けた。
「轟くん、今から前方に敵船が来る。厄介な相手なんだけど、別ルートを通る道は探せそう?」
「…緑谷か、別ルートは無くはないが、お前が厄介となると逃げるのが1番ってことか?」
「うん、彼らに見つかったら船が沈みかねない」
「…まさか、既にここの海域まで占領してきたのか」
「わかんない、してる最中かもだけど…何かを考えるのにはいいと思う」
「わかった、飯田、尾白、葉隠、八百万、ルートを切り替える。急いで確認を」
「了解(しましたわ)」
「僕、峰田くん、砂藤くん、障子くんは船の全ての方位から、敵船の距離を逐一確認、麗日さんと蛙す…梅雨ちゃんは念の為の砲撃用意、口田くんは舵取りをお願い」
「了解!船長!」
「皆、配置について、僕らは今からルートを割り出すまで彼らに見つかることを許されない、あらゆる手段を使ってでも、街に戻るんだ! 行くよ、更に向こうへ!」
『Plus ultra!!』
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【敵船視点】
「ヂッ…見当たんねぇな…」
「確かに街の情報だと、こっちの海域に出たって言われてたんだけどな…」
「おい、アホ面!どういうこったぁ?あぁ?」
「こわっ!! 待って待って、タンマっ!! オレだって酒場で聞いただけよ?」
「パチモン情報握らされてんじゃねぇぞクソがっ!! おい、耳呼んでこいや」
「おい、爆豪…また耳郎使うのか? そろそろ休ませてやったほうが」
「あ? 俺様に着いてきたんだから俺様の力になんのは当然だろぉがっ!! アイツの索敵能力には一目置いてやってんだ、感謝はされても文句はねぇだろぉが!!」
「こっわ、アタシらの船長はマジで怖いわ〜、そんじゃあ、アタシ!響香ちゃん呼んでくんねー!! 頑張ってねキリシマ〜」
黒目女とアホ面が索敵要員で船に乗せた街の女を呼びに室内から出ていく。
クソ髪としょうゆ顔とキラキラキラキラうっぜぇ臍野郎が俺を無言で呆れている視線を向けてくるが知ったこっちゃねぇ。 俺らが行く街、行く島に先にたどり着いては宝や宝石や薬草等を採取し、街に売っては金品に変え、その金品をスラム街等の金がない奴らや施設に寄付や貢献する、自己犠牲精神を持つ同類の海賊船を今回こそはとっ捕まえて爆破してやる。
生憎と此方は自分らの海域を荒らされるのは癪に触るってもんだ。殺られる前に殺るがモットーな俺様からしたら、早急に手を打ちてぇっとドクロマークが入った海賊帽を被ってから船外に出た。
あっちの船はどんな魔法使っとんのか、一向に追いかけても見つかる気配がねぇ、寄った行く先々の島や街で最後に出港した日や方角を調べてもかち合わねぇのが、またも苛立ちを募らせていた。
「ぜってぇ、見つけ出して…今度こそ捕虜にしてやんぞ、デェク」
「こっわ、悪役面じゃん…」
「あ? 早かったな耳、疲れてるだろうがいつものやれや」
「はいはい、船長の仰せのままに…」
アホ面達から呼ばれて出てきた少女は、目を閉じ海の音や気配を耳で感じ取る。 俺らが立ち寄った村1番の耳に長けた能力を秘めていたことで連れてきた。 女に弱いアホ面が無理やり紹介してきたのもあるが、俺が納得するくらいの索敵能力がこいつにはあった。 場所や話し声は流石に遠いと聞こえないが、方角だけでも分かればこっちのもんだっと、索敵してる相手の邪魔にならないように望遠鏡で海を見渡した。
「爆豪、北方角…〇〇〇地点辺りに漣の音が高くなってる場所発見」
「船長って呼べやっ!! 北方角…ハッ、見つけたぜぇ…俺様の可愛いクソナードちゃんよぉ」
「はぁ、また一戦交えんのかねぇ」
「瀬呂はどっちが今回は勝つと思う?」
「そりゃ、船長って言っとかないとブチ切れられんぞー」
「聞こえてんだよクソモブ共が!! 1週間、俺の船から逃げられたこと、褒めてやんぞデク…覚悟しやがれや、ぶち犯す!! 行くぞテメェら!!」
『(今、ぶち犯すって言った?)』
続かない
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