お題メーカーにお借りしました!
※誰おまな勝己しかいません
※甘めを目指しました
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ある晴れた日のことだ。
珍しく俺も出久も二人して非番が重なり、互いに柔らかなソファーに沈むように座っていた。 昨日は非番前ということもあり、少しだけ無理をしたと言っても過言でないくらいには隣の恋人を可愛がった自覚がある。
けれど共にプロヒーローをしている身だ、そんなやわでは無く、昔よりは結構肉付きも骨格も良くなったコイツは弱音一つ吐かずに俺に付き合っていた。 一度だけ「俺に抱かれんのつらくねェんか?」と聞いたことがある。
そんときもそいつは今のように携帯を横で弄りながら、へにゃりとまろやかな頬を弛めながら「かっちゃんに抱かれるの幸せだから」とか言ってきた。
その日ももちろん、もう何回か掻き抱いて、足腰立たなくしてやったけどな。
そして、本日もいつも通り俺の隣で携帯を触りつつ、俺の回す腕の中にぽすんっと収まったまんま大人しくしている恋人の頬をガシッと掴んで自分を向かせれば、噛み付くようなキスをしてやる。 最初は驚いた表情をするが直ぐにふにゃりと笑い、口を空けて俺の舌を受け入れて口付けを甘受してくる。
その姿にも「可愛いな…」と思いつつも言わずに出久の口の中を舌で暴れ回った。
「…はぁ、やりすぎ」
「あ? んなザコな酸素してねェだろ…もちっとやらせろや」
「だって、苦しいもん」
「もんとか、大の大人が使うんじゃねェ…」
年齢の割に“もん”が似合うコイツの言葉に頭を抑えて天井を仰ぎ見る。
可愛すぎて俺の下半身は既に応戦状態である。いつでも戦場に赴けるわっと考えながら、真っ赤になる相手を横目に溜息を漏らす。
もじもじとする相手は気づかないフリを続けるのか、携帯を触ったまんま視線は合わせてこずに隣に座ったまんまだ。どうやって可愛がろうかっとギシッとソファーを軋ませ、出久に乗っかろうとした瞬間だ。
「うわぁ!!」
「…っ!?」
相手の声にビクリッと肩が跳ね、何事だっと起き上がり相手に視線を向けると、目をキラキラと輝かせた出久は、勢いよく俺を振り向いて携帯を向け「かわいいよねっ!!」と伝えてくる。
その勢いに押された俺は、動画とおっきい目の相手を交互に見つめてから、ずるっとソファーから少しずり落ちながら、言葉なく頷いた。
俺の頷きに機嫌が向上した相手は視線を携帯の動画に戻しながら、「ふふ、子猫かわいいなぁ〜、ペットOKだったら良かったね」と笑いかけてくるから、その顔に眉を顰めながらも、次の契約切れる前にペット許可のとこ探すかっと柄にも無く思ってしまった。
「…かっちゃん? 可愛くなかった?」
「…いんや、可愛かったわ」
「へへ、だよねっ」
そう言って動画に視線を戻した相手の横顔に危うく「テメェの方が可愛いわ」と言おうとしてしまった口を急いで片手で塞ぐ。俺らしくねェっと頭を掻き毟ると、ソファーから身体を起こし、ガシッと携帯を見てる相手の顔をもう一度ぐりっと向かす。「痛いいたい…」っと言いながらも振り向いてきた出久の唇にガブッと噛み付いてやった。キスにしては荒く、マーキングにしては少し甘めに噛んでやってから唇を離した。
唇を触りながら「酷いや」っといいつつも少し頬を染めたその顔に、俺は額を抑えてズルズルとソファーに沈みこむことにした。
明日は互いに仕事が遅出だ…っとホワイトボードを見つめてから隣のモサモサ頭を撫でてから一言…
「抱きてぇ…」
と呟いた声に、ぽぽぽっと更に顔を赤くしてから立ち上がり「君が、いいなら」っと小さく返事をしてきたので、思わず「くそかわ」と口が滑った。
もちろん、次の日の出久は内勤で、俺はめちゃくちゃキレがいいパフォーマンスでヒーロー業をした。
END
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