お題メーカーにお借りしました!
「なぁなぁ、皆でポッキーゲームしよーぜ!」
「ケッ、くだんねぇ」
「くだんなくねーもんっ!なら、バクゴーのかっちゃんは不参加な!」
「勝手にしとけや」
「爆豪不参加だってよー!なら、このメンバーでくじ引きなー!」
あほ面がでかい声で戻って行けば、ソファーに座ってた奴らが振り向いて笑う。 俺は参加しなくてもいいからこっちには来いよっとくそ髪に連れていかれれば、ドカッと端に腰を降ろした。
くだんねぇっと携帯をスライドしながら、一応話だけは聞いといてやる。
ガキはガキらしいっちゃコイツららしいわっと少し笑ってしまった。
「んじゃあ、緑谷呼んでくっからー」
「おー」
「…はっ?」
「どうした、爆豪?」
「はァァァァァァァ!? 誰を呼んでくるって!?」
「緑谷くんだが? 今は、飲み物を取りに行っているぞ?」
「参加者聞いてなかったのか、爆豪?」
「黙れ半分野郎…聞いてねぇぞ、誰が参加するって?」
ピキっと苛立ちをそのまんまにソファーでイライラした声と共に傍にいたくそ髪に聞けば、くそ髪はえーっとっと言いながら指を折っていく。
女子は流石に不参加ということで、言い出しっぺのあほ面を含む、しょうゆ顔、くそ髪、半分野郎、眼鏡、デク、玉の7人だそうだ。 数が割り切れねーから俺に言ってきたらしいが、俺が断ったからくじ引きで決めることになったらしい。
「参加してやんよ」
「お、まじかよ爆豪!おーい、上鳴ー、爆豪参加するってよー」
「おぉ、まじでぇ!助かる〜数が割り切れなかったんだよなー!感謝すんぜ爆豪!」
遠くから叫ぶ上鳴と、その横にグラスに麦茶をついできたデクが歩いてきた。 さりげなく横に並んでもうひとつの盆を持ってやってるあほ面の姿にイラッとすれば立ち上がり、寄越せやっと奪い取った。 デクは「ありがとう、かっちゃん」っと笑うもんだから、グッと変な顔になった。
人数分の麦茶とポッキーを2箱用意してソファーに腰を置くが、無意識なのか俺の横に座るデクにイラッムカッと、ムラッとした。
「そんじゃあ、くじ引きは手作りで1人1枚引いてもらいまーす!」
「1人1枚…割り切れるから被らないんだね!」
「んで、先に離したビビりのやつがどんどん残っていくっていうゲームなんだよなー」
「最後まで離さなかったら唇くっつくんじゃねぇか?」
「それがぁ、醍醐味なんだろぉよぉー轟ぃーーー!女子としたかったぜ」
「まぁ、ギリギリで離せば問題ないと言うことだな」
「最後まで離さずに唇くっつく直前の場合は…そのまんましちまえって事かよ、ケッ」
説明を大体話終わると、回ってきたクジを引きながらニヤリと笑う。元々、あの後手は回しておいた。俺の指にはデクが来る…そうなったんだわっと嬉嬉と手を突っ込んだ。 紙が張り付く感じがしたので、それを手に取った。
紙を開けば、思った通りの名前で口元が緩んでしまった。
「おい、デェク、来いや」
「ふぁ!? 僕、かっちゃんなのっ!?」
「よっ!幼馴染!相性バッチリじゃんかよ!」
「まずは君たちか…仲良くなったしいいと思うぞ」
「あぁ、爆豪も嬉しそうだ」
「はっ、悪ぃな半分野郎、眼鏡…こいつの口は貰うわ」
「へっ!? はわっ、貰うって…さ、先に折れば…」
「あ? 俺とのポッキー食えねぇってのか?あぁ?」
「そ、そんなこと!」
狼狽えるクソナードの肩を掴めばくそ髪が差し出してきたポッキーを掴んで口に咥える。 デクの後頭部に手を添え反対側を差し出せば、相手は一瞬視線をさ迷わせてから目を閉じて口を開いて咥えた。クソかわっと思いつつ口を進めポリポリと噛んでいく。
「…んっ、んん」
「ん…」
噛む度に緊張で声を出すデクにドキドキしちまう。 もうすぐで唇がくっつきそうになった瞬間に、デクが俺の胸元に手を置いて動きを止めた。 薄く瞳を開けば俺と視線が重なり最後のひと口を噛もうとした瞬間にポキッとした音と共に真っ赤に染まった顔したデクが目の前にいた。
「も、無理…かっちゃん、顔が良すぎて…うぅ、辛いよ」
「あっ? んなの、てめぇだって…可愛い、だろーが」
「へっ!?」
「あ!?」
互いに言いたいことを零してしまい、真っ赤になれば空気を読んだ友人達が、俺とデクだけ残して去っていった。
ポッキーゲームなんざ、中学の頃にこいつと遊び程度でしたのが最後で、そんときはこんな気持ちなんか無かったはずなのにっと彼の手を引っ張りエレベーターまで引っ張っていって4階を押すと、ズカズカと自室に歩いていった。 部屋に入ると、デクを入口の扉に押し付け、鍵を掛けてから唇を奪った。少し驚くも、おずおずと俺の背中に手を回して目を閉じたデクに優しく何度も口付けてやった。
「ポッキーゲームなんざしてんじゃねーよ、てめぇは俺のだ…他のやつに許すんじゃねぇわ」
「…き、君が参加するって…切島くん達に聞いてた、から…」
「あ? 俺は最初断って…」
俺は話の始まりを思い出した。
俺が断った後に、デクを呼びに行ったあほ面の姿に俺はしてやられたと気づいた。 めちゃくちゃ腹立つけど、今回ばかりは許してやるかっと腕の中に居る幼馴染の姿に安堵していた。
END
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