幼馴染の凄さをしる
※勝デクです、勝デクなんです。
※なんでも許せる方のみ閲覧ください。
※かっちゃんに告白するモブ女子、デクくんに告白するモブ男子出てきます。
※大事なのでもう1回、勝デクです。
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【朝・寮内起床】
自分たちの朝は、大体決まって全員が食事を食べるスペースに集まってからはじまる。 1人の少年みたいに朝からランニングやらなにやらしてから朝のシャワーを終わらせてから来るもの、シャワーを浴びてから来るもの、起きたら顔を洗ってそのまんま来るもの様々だ。 幼馴染も彼と同じで朝にはランニングを済ませ、シャワーを軽く終わらせてからくるタイプだと人は知っている。
「おはようデクくん」
「あ、おはよう麗日さん!」
「今日も清々しい朝だな緑谷くん」
「うん、とってもいい朝だよね飯田くん」
「おはよう緑谷…」
「まだ、眠たそうだね轟くん。ふふ、やっぱり朝は慣れない?」
そんな挨拶を交わす彼に視線が突き刺さる。 視線の相手なんか分かりきっているのに、振り向けずにいる。振り向いたら殺されるっと少し怯えた表情のまんまタオルをぎゅっと握ってしまう。
「…よぉ、クソナード」
「お、おはようかっちゃん!?」
ほら、来たっと彼はビクゥと身体を跳ねさせる。 少年は顔を少し振り向かせ、にこっと引きつった笑顔を幼馴染に見せてからぴゅんっと勢いよく離れた。 「待てやゴラァ」と言ってくる彼に待てませんっ!と思いつつ、食事のスペースを走り過ぎようとした。
その瞬間に、目の前から来た相手にぱぁっと顔を綻ばせ彼は1人の男の腕の中に抱きついた。
「切島くんっ、上鳴くん!瀬呂くんっ!」
「おぉ、緑谷おは…よぉ…」
「!?!?!?!?」
「み、みどりや?」
「今、今ね…かっちゃんが追っかけてきてて、君なら止められるんじゃないかって…」
「お、落ち着け、落ち着けっての、ほら…」
「切島くぅん」
彼が切島という少年に抱きつくと、後ろからは物凄い顔した幼馴染が追ってきて、ビクゥと再び肩を跳ね上がらせ、彼の後ろに隠れた。 彼は「デェェェェェク」と地の底を這うような声を出しながら彼を掴もうとした瞬間に、ヒーローは現れた。
「おい、緑谷怖がってんだろやめろっての爆豪」
「そうだぜ爆豪のカッチャン!緑谷半泣きじゃん」
「…というか、緑谷もそろそろ切島から離れてやんな」
流石は爆豪派閥と言うべきか、彼を守りつつも幼馴染に物申せるのはこの人達しか居ないのだっと瀬呂に引き剥がされながらにこにこっと笑った。
「…わぁーった、わかったから距離をとれ」
「ふぅ、ありがとう3人とも!それじゃあね、かっちゃん♡」
「…うぐっ」
「また後でなー緑谷ー!」
「学校遅刻すんなよー」
「それはテメェだろ、はよ着替えてこいやっ」
「いや、お前の相方が俺らを止めたのよ?わかってる?」
「…お前らも、変なとこ真面目だよな」
「なんか言ったか瀬呂?」
「なんにも、それより速く行かねーと朝メシ食いっぱぐれるぞ」
切島と上鳴は慌てて用意しつつ、その後ろをスタスタと幼馴染は歩いて行った。
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【朝・校内】
「それでね、轟くん!」
「あのね、麗日さんっ!」
「ここがね、飯田くんは〜…」
「峰田くん、あんまり引っ付かないでくれるとぉー」
「尾白くん!実はここが…」
「あっ、口田くん!またウサギ触りに行っても…」
「砂藤くん、実は今度エリちゃんの…」
「あっ、芦戸さん葉隠さん、アス…梅雨ちゃん!この雑誌の…」
彼は凄くイライラと言うよりモヤモヤしていた。原因は分かっているのだが、こう引っかかるソレが出てこなくて胸がつっかえている気分だ。
彼の隣にいる切島に彼は口を開いた。
「なぁ、いつもクソナードってあんなか?」
「え? 緑谷? うーん、いつもより積極的に人助けしてっけど、話す時や交流は大体あんなか?」
「むしろ今日は静かな方だろ、お前が突っかからんし」
「…ヂィッ…いてっ」
「おっ、珍しくね? かっちゃんが舌打ちで舌切るのとか…舐めて治してあげよっかー」
「やめろっての上鳴…」
「…のか?」
「へ?」
「俺ら、いつもそんなことしてんのか? 怪我治ったら舐めたりとかか? 口内火傷したら舌で確認したり? 指突っ込んだりか…?すんのか?」
ゆらりと立ち上がる片方の幼馴染にビクゥと上鳴は肩を震わせる。 すると、彼の後ろからドンッと緑のモサモサ頭が近づいてきた。 「あ、ぶつかっちゃったァ〜ごめんね上鳴くぅん」とふざけたテンションで来たことに、目の前の立ち上がった男はチーーーーーんっと何も言わずにその場に座り直す事となった。
「…ん? あー、そういうことね…幼馴染って、凄…」
と1人の少女がつぶやいた。
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【授業中】
授業中は割と静かなクラスだ。先生にもよるが…オールマイトの時は比較的バトル訓練の割合が多いため、クラスですることはない。 今日は午前の部は全て座学で1人の少年は安心していた。
「今日は座学だけだから、訓練できないねかっちゃん!」
「…」
「無視しないでよかっちゃん!ねぇ、かっちゃんってば」
「あ? 俺が謝って距離が縮んだからって馴れ馴れしいだろテメェは…もっと距離取れや」
「…っ、ねぇ瀬呂くん」
「ん?」
「いつも、彼ってあんな?」
「…あー、大体? いつもより下水で煮込んだ性格よりは緩いけどな」
隣の席の瀬呂に話しかけた少年は下を向いてブツブツと喋りだす、感じを出すが実際は内容はそんな細かい分析では無いことを隣の男は悟っていた。
そして、後ろから聞こえるブツブツに、前の席は黙ったまんまだった。
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