召喚したようです?????
「おい、行ったか?」
「う、うん…というか、近いよ〜」
「仕方ねぇだろ、つか俺の事言えや…誰が猛犬だよ」
「だ、だって、うう〜…彼と同じ顔の君にこんなんやられましたなんて…恥ずかしくてぇ…」
「…はぁ」
『(お願いかっちゃん…少し君が悪役になってしまうけど、1週間以内に、荒療治でも構わない!そっちのかっちゃんに自覚させてあげてほしい、それが魂の共鳴を強く結びつけてくれる最後の試練だと思うんだ)』
俺はアイツの言葉を脳内で反響させると、恥ずかしがってるソイツの腕を掴んでベットに投げ捨てる。 もういやいやを聞いてる暇はねぇんだよっと被されば、あそこまで何回もしたかいがあってか、俺を見上げてくれば、自然と目を閉じながら背中に手を回してきた。 キスだけは…かよっと思いつつ組み敷いたデクの手をシーツに縫いつけながら唇を重ねた。
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翌朝、俺はアイツが寝ている間に寮内を歩き回り、あいつに話を聞いておいた「ポニテ」の部屋へ向かう。 軽くノックすれば、中から出てきたポニテは俺の世界にいた奴と同じで、上品な佇まいをしていた。 俺は「おはようございます、爆豪さん…どうかされましたか?」と聞かれ、俺は簡単に「わりぃけど、制服1着作ってくれねぇか?」っと頭を緩く下げてから俺のサイズの制服を創造してもらい部屋に戻った。 これで合ってたか?と考えつつも後に俺の事が話題になるとは思わなかった。
「なっ、なな、なんで制服着てるの!?」
「あ? 俺もテメェに着いてくからに決まってんだろ」
「…どうして…」
「個性事故とでも言えやいいだろーが、俺はこっちの世界を見てぇんだよ。デクが、参考になる発明品もあるだろうしな」
「僕、科学者なの?」
「いんや、あいつは薬剤師兼、俺と同じで英雄【オールマイト】の後継者だ…あっちの世界ではオールマイトの後継者は力的にはデクなんだが、村を守るって意味なら全員が後継者の資格をもってっから、平和の象徴は未だに決まってねぇ」
「そうなんだ、あっちでも無個性だから薬剤師なの?」
「むしろ無個性だからいいんだろーが」
「…え?」
「こっちだと個性がどれくらい大事になんのかわかんねーけど、あっちではアイツの薬剤の知識、調合技能はどんな個性の持ち主よりすげぇ事だ、それだけで無個性なんてバカにできやしねぇよ」
俺の言葉に俯いていたデクは顔を上げて目をキラキラさせてきやがった。
その顔が笑顔になり「えへへ、ありがとう。そっちの僕は幸せ者だね」とか言うから、ドキッと胸が高鳴るのを感じるが、今は自覚すんの俺じゃねーんだよっと思い返して、なんだかゾワゾワする布を身体に纏えば、目の前の奴がモタモタしている制服のネクタイを適当に結んでやった。
「おら、行くぞ」
「あ、ま、まってよカッチャン…っとと」
「それ、その呼び方だとこっちの俺と混ざるから俺のことは名前で呼べ、オラッ!練習だ、イズク」
「ふぇ、ちょっ…」
俺はこいつを壁際に追い込み、耳元に唇よせ「ほら、イズク」と呼べば、真っ赤になって「か、かつ、カツキ」と呼ぶ声に満足した。 こっちの世界のデクとはいえイズクはイズクだ。呼び方も声も体も俺が大好きなデクだから、やはり聞きたかったのは仕方ない。 俺が学校とやらに行くのは連絡済みだ。朝の早いアイツは既に起きていて、学校というものがどんなのか興味津々に聞いてきたから、教えてやるためにもきっちりしねぇとなーっとイズクの部屋を出ようとすると、急に制服を掴まれた。
「ちょ、あの…か、カツキに言っておきたいんだけど…無闇に魔法、使わないでね! そ、それから、そのぉ…ネクタイ…」
「あ? ネクタイがどうしたよ…結べるのが意外ってか?」
「ううん、そのぉ、かっちゃんはネクタイしないから出来れば、そのない方が…なぁって…」
「ほぉ、お前は俺の正装が見たくないんか? あ?」
「ちか、近いよぉ…」
「つか、昨日付けた痕…既に薄いじゃねーか、もっかい…」
「ちょ、やめてよぉ…見られたら困る…」
「あ?俺に付けられましたって言えばいーだろーが」
「そ、そんなこと言えるわけないだろ!」
ぺしっと軽く俺を叩いてきたコイツの手を掴んで指輪に口付けてやれば、顔を赤くして「だ、だからぁっ」と抵抗してきたから頭をわしゃわしゃ撫でてからカバンを持った。 ポニテの作った一式道具を手に取り俺は肩にカバンを掛けて足で扉を蹴飛ばして廊下に出た。 すると、隣から玉が出てきて俺は把握した、ここは皆で住む集落みたいなとこで、知ってるヤツらは大体、イズクと俺の世界でも関係してる奴なのだと。流石は俺、理解早いわーっと自画自賛しつつ、後ろから出てくるモサモサ頭を引っ張り出した。
「おいっ!行くぞイズク!ちんたらしてんじゃねぇ」
「ちょ、待ってよ…かっちゃ…カツキ」
「ふんっ、朝からノロノロしてんじゃねぇ…あ? 何見てんだよ玉…握りつぶされてぇか?」
「ひぃっ!? な、なんで爆豪が緑谷の部屋から出てくるんだよぉ!?」
「あ? んなもん、俺とコイツが夫f…んがっ」
「ちょーっと、待ってよかっちゃ…じゃなくて、カツキ!変なこと口走らないでっ!」
こいつは後ろから俺を抑えると耳元で囁いてきた、ゾクゾクしたわ。正直俺はコイツの声も顔も好みだ、むしろ体の相性は言わずもがなって感じだけどなっと俺の口を塞ぐ手を掴んで離させると「わーったから離せ」っと少し気だるげに言ってドカドカと歩いて進んだ。
「な、なぁ、緑谷…大丈夫なのか?」
「あ、うん…えと、彼はそのぉ、個性事故で出たかっちゃんだから、大丈夫だと思うよ。意外と優しいんだ、爆破しないし」
「個性事故ってことは、爆豪とは違うってことかよ」
「うん、実は本物のかっちゃんとは別物で…その、どんな個性事故かは分からないから、先生に聞いてみようかなって…」
「昨日、こそこそしてたのこれかよ、夜もめちゃくちゃ暴れてたもんなぁ」
「あっ、そ、そうだねっ!? うん!出てきた時にめちゃくちゃ殺されかけて応戦してたんだよっ!!」
後ろに聞き耳立てつつ歩いていくも、見なくてもわかるクソナードの真っ赤な顔に舌を出しながら廊下を進んでいくも、着いてこない2人に痺れを切らした俺は足を止めて振り向いた。
「おい、イズク!おせぇっ!案内役なんだからとっととしろや」
「うわぁ、ご…ごめんっ。じゃあね、峰田くん!また教室で!待ってよカツキ!」
イズクは俺の横に並ぶと、嬉しげに「か、かっちゃんの隣に並ぶとか恐れおおいなぁ」と言いつつも触れる肩に少し頬を染めるその姿に、胸がドキッとした。その感情を隠しつつ、名前…間違ってんぞと言うしか出来なかった。 帰りは手を繋いでやるっと目標決めつつ、2人で歩いて廊下を進んだ。
「な、なぁ、マジかよ…名前呼びだったぜ」
「なんというか、緑谷くん、大丈夫かなっ!爆豪くん本人に殺されないカナッ!?」
「落ち着けよ青山…流石に個性事故で出来た爆豪を壊したら本人も死ぬんじゃね?」
「ドッペルゲンガー現象DA、NEっ☆」
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