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召喚したようです?????






お昼休みになり、半分野郎と眼鏡と丸顔がデクを昼に誘っている。 いつもの光景だなっと横目で見ていれば、珍しくデクが誘いを断り財布を持ったまんま駆けて行った。 半分野郎に聞きたくはないが、急いで出ていったアイツを少しだけ、ほんっの少しだけ気にした俺はポケットに手を突っ込んで傍により「おい、デクは一緒食わねぇんか」っと聞く。 3人は俺を見てから「食べる先約があると言っていたぞ」「購買で買ってから行くらしいぞ」「残念やけど、先約だしね」っと3人はデクに言われた言葉をそのまんま伝えてきた。



「先約…? あいつに?」


俺はぼそっと呟いた後に、クソ髪達から呼ばれ学食に移動することにした。
心にはモヤがかかったみたいで気持ちわりぃっと、頼んだカツ丼に七味をぶっ掛けていると、隣から「お前がカツ丼珍しくね〜」っとあほ面に言われつつ、しょうゆ顔が「相変わらず辛そ〜ね」と笑いながら隣に座ってきた。
俺もなんでかわかんねぇけど、頼んだそれが真っ赤に染まるのをみつつ、箸を進めた。 少し離れたところに座る眼鏡、半分野郎、丸顔の3人を視界にいれつつ、モサモサの頭が居ないことを少しだけ、ほんっとに少しだけだがつまんなく思えた。



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あの後、授業ギリギリに戻ってきたアイツは息を整えながら教室に入ってきて俺の後ろに座る。 丸顔達が「お昼休み、どこおったん?」だの「またもギリギリじゃないか!」「昼休み、違う科にでもいたのか?」などと聞いていて、後ろの奴が「あ、うん。ちょっとお母さんから荷物届いたって連絡来たから、寮に取りに戻ったんだぁ〜、そこでご飯食べてきたんだ」と聞くと、寮かよっと少しだけほっとしてしまった。


「あ、先約って寮に帰るんやったの?」

「うん! 荷物の中に、今日の訓練で使いたいのあってさ!」

「放課後訓練かい?」

「うん!申請もわざわざ取ってるのに、試せないのもなぁって…なに、かっちゃん?」

「あ? 何がだよ?」

「め、珍しく僕らを見てるなぁって?」


俺と目が合えば、いつもなら逸らす癖にまっすぐ見つめてくるこの瞳に何度爆破をかましてやろうとしたことかっと思いつつ、目の前の幼なじみの頬に手を置いてスリッと優しく撫でると、かァァと真っ赤になる姿に「んん!?」となってしまった。 いや、なんなんだ今のはっと摘んだ頬をグイッと伸ばし「いた、痛いよかっひゃん!?」と叫ぶデクを離してから前を向いた。
後ろから「ひでぇぞ、爆豪」「こら!爆豪くん!」だの聞こえてきたが全無視してやった。 なんだか、心がザワついた。



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全てのカリキュラムを終え、予約した訓練場に行こうとすると、デクが歩いてきた。 相変わらずドンくせぇなっと後ろから追い越すと、ブツブツ言いながら歩いてるアイツは気づきもせずにノートに何かを書き足していた。
「キメェっ」と近くで一蹴すれば、俺の声など聞こえてないかのようにノートに集中してるものだから、腹が立って蹴飛ばしてやる。 「いた、え!?襲撃!? あ、かっちゃんかぁ…いきなり酷いや」とかにへらと笑うその顔が、やっとこっちを見たことに、さっきのイライラやモヤモヤがなくなっていった。

ずっと後ろから追いかけていた幼なじみで、1回の強敵とのバトルが終わる度に近づき、俺に追いついて来ようとする姿に腹がたった。 でも、話し合ってぶつかって、たどり着いた隣同士の『対等に救ける』の意味。互いに違うが根元は同じの『救ける』というヒーローのやり方を2人で見出して行ける俺の唯一の相方とも言えるコイツが俺を見なくなるなんてムカついて腹が立って仕方ねぇっと大きい目が俺を捉える姿にまだ、少しだけ縋っていたかった。 情けねぇ事だがなっとスタスタ歩いて行く。
後ろから早足で着いてきたあいつに少し口元が緩むが、アイツは俺の横を簡単に通り過ぎてから、足を止め振り向いた。



「かっちゃん! 互いに訓練頑張ろ! あ、僕は用事あるから、またねっ!」


と簡単にいい終わり去っていった。
俺はてっきりいつものワン・フォー・オールの使い方を見てくれと言われるものかと思って蹴っ飛ばしたのに、まさかの訓練頑張ろなどとほざいて行くとはどうしたものかと、去っていくアイツを勢いよく爆破で追いかけて引っ捕まえた。 デクは「ひぇ!? な、なに!?」とクソの胸元を掴むと、首筋に見えたソレに俺は動きを固めてしまった。


「…テメェ、昼休み何してやがった…」

「へ? 昼休み? えと、お母さんから届いた荷物を…」

「嘘つけぇ!ざけんなよ、ヒーロー目指しとる癖に脳内お花畑にして男と乳繰りあってたんだろぉがよ〜あ?淫乱ナードがっ!」

「ひぇ!? なっ、なな…酷、ひどいやかっちゃん!そんなこと、してないし、僕…まだ、ど、童貞だもん、言わせないでよっ…というか、なんで男限定なのっ!?」

「…なら、この首筋の跡はなんだぁ? 言えや!」

「首筋の…あっ…」


2人しか居ないのが仇になったようにコイツの童貞事情まで聞いてしまったがそこは喜びしかなかった、かく言う俺も童貞だが、そんなことは別にいい。俺はこの先も結婚するやつとしか繋がらないと変なとこに潔癖が発動してんだから仕方ねぇっと思いつつ、組み敷いたこいつに指摘すれば、コイツは真っ赤になって跡を隠しやがった。 まるで「童貞だけど、処女ではないです」と言われたみたいで余計に腹が立ち、俺は掌を爆破させながらイライラをこいつにぶつけようとした。その瞬間、大きい爆破と共に煙が立ち込め、俺は飛び退くと、モヤが晴れた時にはクソナードは居なかった。



「なんだぁ? アイツ…絶てぇ逃がさねぇ」

「おい、爆豪大丈夫か!」

「すげぇ爆破してんなよなぁ〜オレまじでビビったもんよぉ」

「…ちげぇ」

「え?」

「さっきのは俺の爆破じゃねぇって言ったんだわ」

「え? なら、一体…」

「クソナード…覚えてやがれや」

「怖っ!?」



いつもの俺とつるむ連中から心配の言葉を貰えば、今宵はアイツの部屋にアイツを殺しに行くっと宣言してからスタスタと来た道を戻って行った。
あの後、アイツが借りた訓練所に行くと、「キャンセル届け」が出されていたと聞いて、更に腹がたった。 このモヤモヤと苛立ちの意味が知りたくて…俺はどうしてもアイツを捕まえたくて仕方なかった。





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