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愛情∞!?




かっちゃんの手馴れた口付けから1週間…僕はあの日は結局キスした後に心の中がモヤモヤしたまんまかっちゃんの部屋に夜まで居て、かっちゃんとその日もまた過ごすのかなぁっと思いつつ、話しかけようとしたら、明日は出かける相手がいっから、帰れっと言われて素直に彼の部屋を出た。
彼がモテるのはわかってたし、そういう経験があってもおかしくはなかった。なのに、いざ知ってしまうと…いざ彼が僕の恋人になると独占欲が強くなるだなんて最低な恋人じゃないか僕はっと拳を握った。
やっぱりこの気持ちを伝えたのが悪かったんだっと胸元のシャツをぎゅっと握ってから避けていた彼に連絡をいれようとした。
何度かキスした次の日から連絡が来てたけど、僕はインターン先での小さな依頼や手伝いもあり、彼のメッセージには既読すらつけない日が続いた。
多い時は30件などと来てたけど、僕は彼からの言葉を見るのが辛くて、開いてしまったら、あの日の次の日に誰と何をしてたのかなんて聞きそうで怖くなった。 だけどインターン先も終了し、本日から普通に学校に登校だから腹を括るしかないっと深呼吸して目の前の扉をあけた。

ぶふぉっと情けない声を出しながら僕に飯田くんが突撃してきた。
まる1週間あってなかったから心配していたんだぞっという飯田くんに「い、インターン先で、連絡とれそうになくて」っと告げると、来てない間に頭上の数値が消えていたことに目を瞬きさせた。
もしかして、数週間とか数日の効果だったのかな? そういえばインターン先でも出てなかった気がする。いつから?いつからだろ?っとブツブツと解析し始めたら、クラス中が「相変わらずだなー緑谷」っと笑いに満ちていた。
たった1人を除いては。

案の定、授業終わったら僕が立ち上がるより先に相手は立って僕の腕を引っ掴んで歩き出す。 切島くんや上鳴くんが「熱いですなぁーお二人さん」とか「爆豪ー、あんまり虐めてやんなよ」などと言葉が飛び交い真っ赤になる。
本当に言ったんだっと僕の前を行く彼の後を素直についていった。 顔が熱かった。



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「おい、くそナード」
「な、なに?」
「説明しろや、なんで連絡寄越さねぇ」
「い、飯田くんに朝も伝えたけど…僕のインターン先って携帯は普及品で自分の携帯はほぼ触ってないんだ…」
「ほぼってことは見る機会はあったつー事だよなぁ?あぁ?」
「ひぃっ…あっ、でもその…疲れ果てて見る余裕もなくって…か、かっちゃんこそどうなのさ」
「なにがだよ? 俺は今回インターンねぇぞ…」


聞け、聞くんだ、思ってることっと胸元をぎゅっと掴む。 他の人の数値は見えないのにかっちゃんだけは残ってる頭上の∞の文字が気になるし、それよりも∞ってどこまでがなにが∞なんだよってぐちゃぐちゃな気持ちにもなる。
心にあるモヤモヤを口にして、嫌われたらそこまでだ。でも、僕の気持ちを∞の広い気持ちで受け止めてくれるなら…きっと根が優しい彼なら答えてくれるはず。
勇気を出せ、勇気を出せ僕!僕は「頑張れ」って感じのデクだろ!!っと顔をあげて目の前の彼を真っ直ぐ見つめた。
かっちゃんは僕がそんな目をしてたのに驚くも直ぐに僕の意志と向き合うように身体をこちらに向けて話を聞く体勢になってくれた。


「かっちゃん!聞きたいことがあるんだ」
「…なんだよ」
「…その、あの…」
「んだよ…」
「ぼ、僕とお付き合いする前に何人と付き合ったんですか!!」


はっと開いた口を閉ざす。 変なところで変な敬語調になってしまったし、こんなこと考えてたとか女々しいって思われるに決まってるのに、本当にストレートに聞いてしまうとはっと耳まで真っ赤に染め上がる。
かっちゃんが何人と付き合ってても別れるつもりはないけれど、あれだけ上手いキスだ、経験が豊富なんだからきっと、夜のそーいう時にもリードされてしまうんだっ、それだけは僕も避けないとっと彼を真っ赤な顔のまんまみつめて返事をまった。
かっちゃんは豆鉄砲を食らったようにいつもの悪どい顔ではなく、本当に何言ってんだこいつ的なキョトンとした顔で固まっている。
ま、まさかこういうこと聞く時点でやっぱり別れるとかなのかなっと意を決したのに直ぐに弱気になってしまう。 ぎゅっと拳を握って彼からの返答を待つと、目の前で分かりやすく「はぁぁぁぁぁ」っと大きなため息を吐かれてびくっと肩を震わす。


「か、かっちゃ…」
「んな、変なこと考えてたんかよ」
「へ、変なことじゃないよ!! は、初めてお付き合いする僕からしたら重要だったんだよ」
「あ? なんだよ? 童貞処女で初キスもまだの下手くそじゃないと嫌でしたってか?あぁ?」
「ち、違う、そうじゃ…ない、けど」
「違うんだったら、んな質問無意味だろうが、あぁ?」
「…ちがう、けど…でも、知りたかった、から」
「聞こえねぇよ、なんだって?…あ? 童貞くんよぉ?」



ポケットに両手を突っ込んだまんま僕に向かって歩き出すかっちゃんは、耳元で僕を見下すような声でそう言った。 こんなこと言うってことは確実にかっちゃんは経験あるんだっと胸元のシャツが皺になるくらい握ると、地面を向きながら目に涙が溜まっていくのが分かる。 知ってたことだし感じてた事だけど、まさか経験豊富が夜までも当たってしまうなんてっと声を押し殺しながらバレないように涙が落ちそうになるのを堪えた。 そんな返事で、答えで嫌いになれたらどんなに良かったんだろう…∞って僕を元も昔から好きだったとか、愛情が変わらないとかそんなんじゃないのかなぁって淡い期待なんかするんじゃなかった。身の丈にも合わない想像して、かっちゃんの隣に立てたなんて烏滸がましいにも程があるっと僕は目を閉じた。
返事がない僕にかっちゃんは「おい、デク…」っと何かを伝えようとしたが流石は幼なじみのスパダリ的なセンスをお持ちのかっちゃんだっという感じでポケットから綺麗に折りたたまれたハンカチを差し出してきて、僕をぎゅっと抱きしめてくれた。



「なに、泣いてやがんだよ、そんなに…童貞は悔しいんかよ」
「違う、そうじゃない、違うよかっちゃん…」
「なにがだよ…なにがちげぇんだっての、てめぇを泣かして喜ぶなんざ俺ぐらいだっての泣き虫デクめ」
「わかってて泣かしてるなら相当こじらせてるよかっちゃん」
「あ? んな減らず口叩けるたぁ余裕だなぁ」
「そ、そういうんじゃないけど…って、ふふ、かっちゃんが変なこと言うから涙引っ込んじゃった」
「そらよかったな、んで? なんで泣き出したんだよ…童貞嫌なんか? それとも、初キス奪われたのが嫌だったんかよ」
「いやいや、どっちも別に嫌とかない…って、え? な、なんで初キスって思うのさっ」
「ちげぇのかっ!?」
「ち、違わないけどさぁ…うぅ、僕だけ初キスだなんて知られたくなかった…」
「お前だけ? 何言ってんだ、俺も初めてだっつのゴラァ、初恋舐めてんじゃねぇぞ」
「な、舐めてない!なめてないよ!初恋いいと思うよ、うんっ…て、え?えぇ?は、初恋!? かっちゃんの? 誰が!!」


流石の僕が驚いた事実にかっちゃんは普通に「あん? テメェ以外に誰が誰に惚れる要素あんだよバカか?」と答えたので僕はすんなりと思っていた言葉を口に出し、彼に「いや、その切島くんとか…か、上鳴くんと、せ、せろくんとか?」っとモゴモゴ言うと、かっちゃんは案の定額に怒りマークを付けながら僕の胸ぐらを掴んで僕の額にガツッと自分の額で攻撃してきた。
「い、痛いよっ」と涙目で見ると、彼は「俺もいてぇわっ!!この石頭」っと言ってから直ぐに「くそ髪とアホ面をそんな目で見たことも無けりゃ、なんで男ばっかなんだよ対象が!! しょうゆ顔についてもだ、あいつなんざ基本的お前がわだろぉがァァァァムカつく!」と叫んでから肩で息をしていたのを整えてからポケットに手を突っ込み直してから僕を見た。


「なに悩んでたかしんねぇけど…俺は俺の初めては全部てめぇにやるって決めてんだから、てめぇも俺に捕まったなりに腹くくれよ、くそデクが」
「初めてを僕に…? な、ならかっちゃんってまだ童て…」
「口を開くなくそがぁぁぁぁぁ、たりめぇだろっ、テメェ以外の身体にも周りにも興味ねぇってんだ」
「…ぐっ、なら…どうしてあんなに、キスうまかったの?」


僕が泣いた原因というより、1週間連絡しなかった理由を彼に聞きたくて少しだけキレ気味の彼を見つめた。 彼はキレ気味だった顔がみるみる笑顔になると、本当に楽しそうに僕に近づいてきて、僕を壁際に追い込むと顔の横に手を着く。 もちろん笑顔は健在だ。
「お前、俺を煽るとはいい度胸だなぁ?」っとにこにこした貼り付けた笑顔を向けてきた彼は手がついてない反対方向の耳に唇よせると、小声で僕の耳に「テメェが泣いたのは、ヤキモチかよ…可愛すぎだバカが」っと告げてから離れ、真っ直ぐ見つめてきた。「上手いかどーかなんてした事ねぇから分かんねぇけどよ…お前が気持ちよくなる為くらいならどんな手段も使ってやるよ」っと僕に携帯を渡す。 僕は何故携帯?っと思うと、彼は普通に「サイトみてみろ」っと彼が調べた履歴を確認しろといってきた。 僕は意味がわからないまんまサイトを開くと履歴の欄に飛んで、みるみる林檎のように真っ赤に顔がなった。


「テメェとはこれっきりとかにするつもりはねぇよ。初恋こじらせてる俺に捕まっとけ、くそ」
「…うぅ、かっちゃんってそういうとこも男前でずるいよ」


キスする時の相手を気持ちよくさせるコツみたいなページや、その先の男同士とするためのサイトなど、彼が事前に調べてるのを確認したら、彼が何を求めてるのか恥ずかしさと期待で半分半分に心が高鳴る。 かっちゃんは僕を考えてくれてるのに…僕ってば話もしないでかっちゃんに勝手に不安になるとか…っと離れた彼にぎゅっと前から抱き着いて背中に手を回した。
道に映る2人の影は夕焼けに照らされながら、重なったまんま唇を重ねる。
1週間前にした時のように彼は優しく頬を包み込んで僕の唇と自分の唇を重ねると触れるだけの口付けを何度も繰り返した後に、舌で僕の唇を舐めながら隙間から舌を差し入れた。 僕が逃げようとすると、何度も追いかけては僕の舌を捉え絡め離してはくれそうにない執拗い舌使いに、頭がクラクラしてしまう。 それだけでもきついのに、彼は1度離して呼吸を整え直すと、またも僕の舌を奪って歯で甘噛みしては舌と舌を擦り合わせるように動かしてくる。 流石に呼吸も気持ちよさも限界で足がガクッと落ちそうになると、彼は僕の腰を支えてニヤッと勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「ばぁか」っと一言簡単に言われただけなのに、僕は何だか負けた気がした。





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