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君との7日間戦争-恋愛-





「あのさ、かっちゃん…僕ら付き合ってるんだよね?」

「付き合ってなきゃしねぇだろ」

「ですよね、手軽なセフレとかじゃ…」

「キモイ事言うな…しかもセフレもなにも俺とてめぇはやってもねぇだろ」

「そ、そうですね…」



な、ならこの体制はなにっと言いそうになるのは仕方ないと思う。
朝起きたら向かい合って抱き合って寝てるなんて、そういうことでしょっとか赤くなりつつ顔を覆う。
しかもかっちゃん、上半身はだかっとか期待すると普通に服着てて不細工な顔になったのは仕方ないと思う。 だってかっちゃんの身体、色気半端ないし骨格とか最高だしっともだもだ悶えながらそっとシャツの上から触った瞬間に目が覚めた彼に手を捕まれ今に至る。



「うぅ、顔面良っ」

「はっ、てめぇは相変わらずだな…」

「かっちゃん、なんでキスしてくれないの?」

「…お前が自覚ねぇからだわ」

「自覚はしてたよっ、してないのは君だろっ! 今更僕の気持ちに答えようとしないでよ」

「それはてめぇだろクソがっ!」


バンッと顔の横に手を置かれ、壁ドンと違う床ドン?いやいや、ベットドン?されつつ、上に来た彼の顔を見つめる。
眉は釣り上げられるも、目は悲しげにこっちをみていて、僕の目は彼を逸らそうとしてしまった。 真っ直ぐあの赤い目に囚われると逃げられなくなるっと彼の胸元を押して離れようとした。
だけど、彼は許してくれなくて…僕の顔を掴んでは視線を合わせるように組み敷いた。


「なんっで、いつもいつもいつもてめぇは俺を勝手に決めつけてきやがる! なんっで、俺がてめぇに付き合ってやってるみたいになっとんだ」

「俺は、したくねぇことは死んでもしねぇっ! お前との協力だって、頭では気持ちわりぃって、てめぇとなんてって思っとるのに身体はちゃんと言うこと聞いてやがるっ! なんでわかんねぇんだ!」

「俺は、生きとるだろうが! お前が変に俺を心配してるだけの贖罪を俺に押し付けてくんじゃねぇよ! 好きなら悪いとか思う気持ちじゃなくて、真っ直ぐ向き合って俺自身を見てから言えよ、クソがっ!無自覚はずっとてめぇなんだわ!死ね、クソが、クソナードがっ!わかれやっ!」


はぁはぁっと息を荒らげながら伝えてきた彼にぎゅっと胸が締め付けられる。 彼に言われてやっと気づいたこの気持ちに涙が溢れてくる。
ボロボロと目が溶けるかもっと思うくらい涙が止まらない。彼の枕やシーツを濡らしそうで下は向けずに上を向いたまんま彼を見てぐすっと声を我慢するしか出来なかった。
ふわりと甘いニトロの香りが近くに来て、ぎゅっと抱きしめられ、彼の温もりや体温を体に受けてやっと気づいた。 これが本当に欲しかったのは僕自身だったのにっと抱きしめてくれた大きな体の背中に手を回してぎゅっとシャツを掴むように抱きついた。



「ごめん、ごめんねかっちゃん…僕、良かった、よかったよぉ」

「…ばぁか、お前のことなんざお見通しだわ」

「だって、だってぇ、僕かっちゃんが居なくなるって思ったんだよ」

「…俺だって怖かったわ、てめぇを待ってた俺がいつの間にかお前を追いかけてる俺になってた事に…あん時、マジで隣に並べなくなる不安にもな」

「かっちゃんはずっと僕の先だよ、後ろになんか居たことないよ…カッコイイんだよ君は…誰よりもっ、ふぇ、うわぁぁぁぁぁん」

「ほんっと泣き顔ブッサイクだなてめぇは、泣きすぎて目、腫れるぞ泣きやめや」

「それにっ、君は隣なんかじゃないよっ!いつも、僕の前に立って僕を引っ張ってくれている、僕のヒーローだ!それはね、君にも曲げられない、僕自身も曲がらない気持ちだよ!」



泣きじゃくった顔で彼に叫ぶも、ぎゅーっとしがみついた。幸い今日は土曜日だったから彼も僕もベットで抱きついて、泣いて話し合って笑いあった。
流石に昼にはお腹も減って共有スペースに降りると、手を繋ぎあった僕らと目を腫らした僕に気づいた皆が一斉に「おめでとうっ」と言ってくれた。

皆、わかってたんだなぁっと抱きしめてくれた峰田くん、上鳴くん、切島くんの背中に手を回しつつ、目尻に涙を貯めた瞬間、爆破された。


「な、なんでっ!? 今、そこそこ感動だったよね?」

「あ? さっきも泣きまくったくせにまだ泣くんか!つか、俺以外の前で泣くんじゃねぇよクソがっ!」

「そこっ!? うわぁ、本当に君は…君だなぁ」

「ふんっ」


僕はかっちゃんを失いたくないから僕のせいでって言い聞かせていた。
あの日、彼に空いた穴を必死で塞ごうとして、横たわる彼を失いたくなくて、我が失われるんじゃないかと思うくらい彼への気持ちが溢れ出た。
大事な幼馴染で、大事な人で、友人よりも近くて、何よりも僕を理解してくれたそんな奴を失ってしまうという感情が怖くて、苦しくて、目を覚ました君を見た瞬間に、恋よりも深くて汚い依存が僕の心を締め付けた。

僕は彼を傷つけたから傍にいたい、僕は彼を助けたいから本音を出させてあげたい、僕は彼を…僕は彼を、僕は、彼を………そう心に言い聞かせてきた。
全て、彼の為と言い聞かせて僕は僕自身を騙してきたんだなぁっと今なら思えた。 こんなにも彼は…自分のことよりも僕を心配してくれていたのにっとつないだ手に力を込めた。





君との戦争れんあい3日目が過ぎた。



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