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愛情∞!?




寮に帰宅して、自室に入りフラフラとベットに向かってダイブする。
ゆっくり目を閉じて休もうとした瞬間に携帯が鳴り出す。オールマイトが自分が使ってる着信音をくれたので、設定していた着信音が自室に響き渡る。
「電話がきたー!」「電話がきたー!」「電話がきたー!」の3回目辺りで電話の主も確認せずに出て耳に宛てがう。今は授業中だ…オールマイトが心配して掛けてきてくれたのかな?っと思いながら相手からの反応をまったが一向に喋る気配もないので首を傾げた。


「も、もしもし?」
「…」
「お、オールマイト? 相澤先生ですか? そ、それとも焦凍くっ…」
「半分野郎と電話してんのかテメェはぁぁぁぁ!」
「へ? えっ、ええええええ、かっ、かっちゃん!?」
「やべ、しまった…くっそ」


無言だったからこっちから話しかけたら思わぬ相手で僕はまたも電話越しなのに頬が染まる。
かっちゃんが僕の携帯に通話なんて何年というかいつぶりなんだろうっと胸がドキドキと高鳴っていく感じがした。 完璧主義のかっちゃんが授業中なのに抜け出して、僕に電話をなんて嬉しさで頬が弛んで口元がにやけてしまってしょうがないっと自分の頬を摘みながら電話を耳に宛てがい続ける。


「…おい、クソ」
「な、なにっ、かっちゃん」
「クソで返事すんのかよ…ばぁか」
「あっ、いや…クソじゃないけど、かっちゃんの口癖は慣れたと言うか…なんというか」
「あぁ!? なんか言ったかゴラァ」
「な、なんでもない、です」


言葉が段々と小さくなってく僕に対して電話越しで見えないはずなのに、かっちゃんが笑ってる気がして、僕は胸元のシャツを掴んで息を整える。 蓋をしようとしていたのに、こんな小さなかっちゃんのする事だけでここまで胸が高鳴るとか、僕は何処の少女漫画の登場人物だよっと目をギュッと閉じて彼の声を聞き逃さないように耳に当てたまんま黙り込む。
結局なにが話したかったのかわからないから、単刀直入に聞こうかなっと深呼吸して口を開く。


「か、かっちゃんこそ授業中なのにどうしたの?」
「んぁ? 別に………どう、って」
「へ? き、聞こえないよかっちゃん…電波悪い? またあとの方が」
「体調どうだって聞きたかっただけだわ、こんのクソナード、カス!ボケっ!ヒーロー志望なんだから、ちったぁ体調気をつけやがれってんだ」
「ちょ、かっちゃん…(心配してくれてるはずなのに悪態も多すぎて優しさが霞むよ)」



けれど、わざわざ授業抜け出してまで連絡とか、僕とかっちゃんはどんなバカップルだよっと頭を枕にグリグリ押し付けながら耳にあてた携帯をそのまんまにしている。 …∞とあった、ということは今かっちゃんに僕が告白したら…まさかの、とかあるのかなっと枕から顔を上げてから真っ赤に染まった頬のまんま携帯の相手へと叫んだ。


「かっちゃん!!!!!」
「うるせぇっ!!んな大声じゃ無くても聞こえるっつの…んだよ」
「僕、僕ね…かっ、かっちゃんの事が…」




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という感じの夢を見た。って僕はオチにしようと思ったけど、ちゃんと伝えてしまったんだなぁっと目の前でノートに文字を書いてる想い人を見た。
僕と目が合うとかっちゃんはいつものつり上がった目で「んだよ、クソ」っと吐き捨ててからペンを走らせる。
この課題って、わざわざ2人ですることある?っと僕は思いながら目の前で課題を簡単にこなすかっちゃんをみつめていた。

あの後、電話越しに告白したら、かっちゃんからは一言「ん…」って帰ってきた。んって、なんなんだよ?っと僕はモヤモヤしながらかっちゃんの言葉を待っていたが、寮に帰ってきていきなりかっちゃんから呼び出されたと思ったら、そこに座れっと言われノートを広げられペンを持たされていた。
本日の授業内容をわざわざ写させてくれているらしい。 なんで、いきなり?寧ろ僕の告白の返事はっと僕は目の前のかっちゃんを軽く睨みつけた…けど、視線があって僕の睨んだ顔に気づいたのか、案の定「なにみてやがんだ、集中しやがれオラっ」と蹴飛ばされた。
一体なんなんだよっと頭上で∞を残したまんまの彼を見つめ直した。

一晩かっちゃんの部屋ですごして、結構かっちゃんって口が悪い癖にやっぱり世話好きだなぁって実感し直したこと。 かっちゃんが「眠てぇくそデク」とかいうから、僕は帰れってことかな?っと立ち上がって「おやすみかっちゃん」っと出ていこうとしたらかっちゃんは僕を引っ張り後ろから抱きしめてこう言った「あ? 泊まってけよ、どうせ明日予定ねぇんだろーが」なんて言って、僕が泊まれるように枕も2個置いてあって、服がっと言ったら「俺の着れそうなやつ用意しといた」っと告げ、お風呂入らないとって言ったら「下着、さっきお前の部屋入って持ってきといたわ、シャンプーとかリンスは俺の使え」っと渡された。 なんて用意周到なんだろうっと彼を見ると彼はいつもの80度つり上がった目で睨み返してきて「早く入れ!くそデクぅぅ!」っと叫んできた。 本当に僕とかっちゃんはどんな関係なんだろうっと大人しく風呂場へ向かった。

そして、寝るのは昔と変わらず早いっと風呂から上がってきてベットに横になって寝息を立ててる想い人を見つめる。
昔からかっちゃんは寝るのが早いし寝付きも早い。 保育園の頃から22時には寝るのを習慣づけてるのか、何をしてても誰かと話しててもヒーロー活動してても、22時には1度「ねみぃ」と吐き捨てるのだ。それは僕だけが知ってるかっちゃんの癖…へへっと寝ているかっちゃんの頬をつついた。
朝起きたらきっとこの∞はきえてるのかなぁっと見つめながら彼の傍で目を閉じそうになる。 結局答えを聞いていないのだけどっと言いたいことはあるが、気持ちよさそうに寝ている彼の表情に流石のよく寝れない僕もうとうとし始めた。 そして、僕が「かっちゃん、好き」っと小さく呟くと、握っていた手のひらで僕の指を握り返してくれた気がした。






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