幼馴染
※A組プロヒ
※男性妊娠、子育て描写有
※頭空っぽに出来る人向け
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今日はプロヒーローになって5年目にて、やっとA組の中にてヒーローチャート1位を勝ち取った大爆殺神ダイナマイトである爆豪勝己のお祝いの飲み会が、とある居酒屋で行われていた。
ヒーローチャートに入ることは度々あったが、今回はやっとエンデヴァーを抜いての頂点に立つことが出来たダイナマイトを祝いたいとヒーロー科A組に集合が掛かったのである。 もちろん、居酒屋を予約したりなどの指揮を取ったのは、爆豪と仲がいい『爆豪派閥』と呼ばれていた面々である。
上鳴が店に予約をし、切島と瀬呂が呼び掛けし、なんとか全員と連絡がとれ、空いてる日を照らし合わせ、全員が次の日、休み、遅出、夜勤等と昼過ぎの任務の日が重なった日にお祝いという名の飲み会が開かれたのだ。
上座に陣取るは本日の主役である爆豪であり、その周りにいつものメンバーと順に好きに座っていく。 乾杯の前に料理が並べられていくのを確認しつつ、皆でテーブルごとに飲み物を決めて、紙にまとめてからタッチパネルにて操作を行った。 上鳴曰く、朝まで騒げて飲める店を予約したらしく個室なので迷惑にもならないという居酒屋であり、大層気に入っている様だった。
人も疎らに集まってきた所、慌ただしく入ってくる青年の姿に先に居た面々は視線を移す。 そこには昔から変わらないモサモサの髪をした、クリックリの目を開かせ、頬には爆豪曰く「デクはこれがねぇとデクじゃねぇ」と言うほどに大事なそばかすが散った頬をした人物が息を乱しながら扉前でぜぇはぁっと言いながら片手を上げ「幼馴染のお祝いに、僕がきたーーーーっ」と叫ぶ。 その姿に皆が驚くと思っていたが、案外普通に緑谷の存在を受け入れ、席に呼んでいた。 おかしい、皆、緑谷が出張から帰ってきたばっかなのを知らないのか?っと爆豪含む面々は顔を見合わせた。
「アイツも呼んでたんか」
「あ、おう。なんか、半年で帰ってくるって事務所に連絡来てたから誘えるかなーってさ」
「…ふぅん」
「どーよ、久しぶりの恋人の姿は〜、嬉しいだろー」
「…ちげぇ」
「え?」
「1年前に別れとっから、恋人じゃねー」
「えっ、マジかよ。聞いてねーぞ」
「テメェらに言う必要ねーだろ」
「あのねー、爆豪…お前気まずいとかあんだろー?」
「知るかよ、それにアイツが顔出せたんだしそんな必要もねーだろ」
ふんっと爆豪は携帯に視線を戻しつつ、3人は緑谷を見た。楽しげに友人たちと話す姿は普通で、切島が電話した時も何も言っていない為、2人が疎遠になっていたなど知りもしなかった。 緑谷は半年前に少し離れた島でヒーロー活動をしていた。そして、新たなヒーローが到着したのと同時に此方に戻ってきたのだが、何も話や活躍も聞かずじまいだった為に詳しい事は知らなかった。 だから、爆豪との関係もそんなことになってたとはっと申し訳なくなった。 だが、爆豪とて普通にしているし大丈夫だろうと飲み物が回ったのを合図に立ち上がり全員で乾杯をした。
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酒を飲みながら、爆豪に視線を移した上鳴は「なーなー」っと口を開いた。
爆豪は「んだよっ」と酔ってはいないのか、面倒くさそうに返答してやる辺り、丸くなったなぁっと感じた。
その後の上鳴の言葉に瀬呂も切島も「なんてことを」と思ったが、特に気にした様子もなく爆豪は酒を1口飲んでから話し出した。
「爆豪はなんで別れたんだよ」
「ばっ、おまっ…」
「…別に…ただ、離れたくなったんだよ」
「あんなに好きだったのにか?」
「好きだったのが俺だけだったのが辛かったんだよ…馬鹿みたいに、俺だけがアイツを好きで好きで堪らなくて…」
「…爆豪?」
爆豪の話を聞けば、別れた原因は1年前に合った爆豪の熱愛報道が原因だったらしい。 緑谷は結構おおらかで、今までも爆豪の熱愛報道について怒ったことは無かった。 だから、珍しいなっと瀬呂が言った所で爆豪が「ちげぇ」と口を挟んだ。
「…俺がキレたんだわ」
「え…なんで熱愛報道出したヤツがキレてんだよ」
「可哀想なの緑谷だろ」
「…アイツが嫉妬しねぇから別れた」
「はぁ?」
流石に3人で声を揃えて驚いてしまった。 まさか爆豪の方が嫉妬して貰えなかったことに腹を立てて別れを切り出したなどとは思わなかったのだ。
詳しく話を聞けば、1年前の熱愛報道にだけは爆豪は否定文を出さなかったらしい。 そして、帰って緑谷に「今回の報道は本物だ…俺はあの女と寝た」とだけ伝えたらしい。それに緑谷は笑顔で頷き「それで、どうしたいの君は」と聞いてきたので、「お前と別れるつもりはねぇ」と告げたら「それなら、許してあげないとね」と笑ったそうだ。 それが爆豪からしたら更に苛立ちを募らせたらしく、緑谷に「お前は俺なんか本当は好きじゃねーんだろ!! 好きならなんで、嫉妬したりしねぇんだ」と叫んだらしい。 緑谷はその言葉を聞いて口を開こうとしたが、苛立ちで「もういいわ、てめぇなんぞと付き合いきれねぇ…俺ばっかり好きみたいじゃねぇか」と告げてから家を飛び出し、そこから連絡も何もかも絶って、自然消滅を計ったと告げた。
「…爆豪にとっては嫉妬してほしかったんだなぁ」
「嫉妬は、愛の表れだろーが…されねぇとか、自信なくなんだろ」
「いやー、緑谷はそういう報道も無かったかんね〜」
「俺はアイツがあの3人と飲むって聞いただけで腸が煮え繰り返る気分だったわ」
「こっわ」
「なのに、あいつは俺が会社の付き合いだとか、お前らと連絡なしで泊まったりしても、怒んねぇんだぞ!!」
「…多分それは…」
「俺だけが愛してても意味ねぇだろ」
切島が何かを言おうとするも、ぽつりと零された言葉に、3人は少しだけ爆豪に同情してしまった。 そんな時に、いつの間にか近づいてきていた存在が上座の相手の横に膝立ちで座り微笑んだ。
「かっちゃん」
「…チッ、何しに来た」
「幼馴染の1位祝いでしょ? お祝いさせてよ」
「…はっ、てめぇは一生なれねーしな、祝わせてやるよ」
「あはは、相変わらずだね」
2人のそんな会話に、何も気まずそうにしていない緑谷はすんなりと彼の隣に腰掛けてから相手に擦り寄っていく。 3人はあれ?っと距離に思いつつ、緑谷を見つめた。 爆豪も流石に「何してんだ」って顔で緑谷を見た後に気にせず受け入れていた。「いや、そこは拒否しろよっ」とは3人は言えなかった。 そのまんま隣に腰掛けて触れ合うように座る緑谷は爆豪に寄りかかりながら笑う。
「でも、本当に凄いよ、幼馴染がヒーローの1位とか自慢だよ」
「ケッ…お前もせいぜい俺を追い越せるように目指すんだな、負けねぇけど」
「え? あー、それは無理かなぁ」
「…は?」
「かっちゃんを追い越すとかの前にヒーロー続けられないから」
その言葉に爆豪含む4人は目を見開いて緑谷を見た。 爆豪は肩を掴んで「なんでだよ、まさか力無くなったんか!?」と問いかければ、緑谷は首を振ってから「今、育児休暇取ってるから仕事復帰はまだまだなんだー」と笑って答えた。 その言葉に更に4人は驚いた後に、声も出せなかった。
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「今、なんつった」
「今? 育児休暇取ってるから…」
「育児休暇ってなんだよ」
「え? いや、そのまんまの意味だよね?」
「緑谷、おまっ、お前結婚してたのか!?」
「えぇ? してない、してないよ、なんでそうなったの!? 子供はいるけど結婚はしてないよ?」
「まさか、孕ませ…」
「てないから!! 産んだの僕の方だしっ」
その言葉に更に爆豪を含め4人は青ざめた。いつの間にか別れていた相手が別に相手を作って孕まされていたってどんな超展開だよ、クソかよっと頭を抱えた爆豪を3人は流石に見ていられなかった。緑谷はのほほんっといつもの笑顔で「可愛いんだよ」とか答えるものだから、爆豪は苛立ちに立ち上がり緑谷の胸ぐらを掴んで殴り掛かろうとした。 流石にそれはっと3人が止めようとした瞬間に、轟と飯田と麗日を含めクラス全員が総出で爆豪と緑谷を引き剥がした。
「おわっ、え?え?」
「爆豪くん、今…何しようとしたん?」
「返答次第では、俺らが相手になるぞ」
「爆豪くん、1位になったからと言って緑谷くんを殴っていいという訳では無い」
「わぁっとるわ!! だけどな、こいつが俺をイラつかせたのが悪ぃ!! なんでだよ、お前にとって俺はなんだったんだよ」
「え?え?」
爆豪が苦しげに叫ぶ中、皆に囲まれた緑谷は状況が飲み込めずにぽかんっとしている。その姿に更に苛立ちを募らせた爆豪は手を爆破させ近づこうとした。緑谷は流石に自分が何かをしたのだと分かれば、「ご、ごめんねかっちゃん…僕が何したのかわかんないけど、ごめん」っと謝ってくるものだから爆ギレした爆豪は両手で爆破を最小限抑えつつも緑谷を目掛け口を開いた。
「何したかわかんねぇだぁ? 人をおちょくるのも大概にしろやぁぁぁぁ」
「へ? え?」
「落ち着けっての爆豪!! 緑谷も、煽んなっ」
「あ、煽る? えぇ?」
「お前は今まで、嘲笑ってたんか…俺を、お前を好きな俺を見て楽しかったんかよなぁ?」
「えぇ!? な、なんの話し?」
「離せクソ髪、殴らねぇと気がすまねぇ」
「やめろっての!! 不味いって、仮にもプロヒーローだろうが!!」
「ちょ、ちょっと待って、殴るのはいいよ、いいけど、顔とお腹以外にして」
「いいのかよ、てかなんでそんなピンポイントなんだよ」
上鳴のツッコミに緑谷は腹を撫でながら「そのぉ、2人目が居るので」っと真っ赤になって答えたものだから、その姿に爆豪は「てんめぇぇぇぇっ」と更に青筋を立ててキレ、切島を吹っ飛ばし相手の胸ぐらを掴んだ。 真っ直ぐに見つめたその目に緑谷は臆せず、そっとその手を包み込んだ。
「落ち着いてよかっちゃん…」
「落ち着いてられっかよ、ふざけんな!! こっちは愛してた奴が簡単に股開いてたと思うと怒り狂うにきまっとるだろーが」
「…へ?」
「…ば、爆豪くん?何言っとるん?」
「爆豪、さん?」
「爆豪…あんた何言って…」
「流石に緑谷に酷くないか?」
「緑谷ちゃんは爆豪ちゃんと違って、熱愛報道なんて出たこと無いわよ?」
「不誠実な事もしたことないのにぃ〜」
「謝るべきだと思うNA☆」
「オイラも言い過ぎだと思うぜ…それは」
「流石に、今の言葉はなぁ…」
「否、爆豪…怒りに我を忘れていたとはいえ…言い過ぎだ、謝罪するべきだろう」
「み、緑谷くんが、可哀想だ、よ」
「爆豪…どうしたんだ? 変なものでも食ったのか?」
「轟くんの言う通りだ、最初から何か変だったな、個性事故でも受けたのかい?」
周囲の言葉に爆豪含む4人は意味がわからない表情をした。爆豪の話だと爆豪と緑谷は別れているし、爆豪と別れた後に2人の命を授かって居たという状態だ。 年月からすると、熱愛報道から別れ1年、そして更に今、腹に2人目を授かっていると言うことは爆豪と別れた後に、別の相手を作っていた以外に何があると言うんだっと4人は言いられまくりの爆豪を庇うために口を開くことにした。
「皆こそ、何言ってんだよ!! 緑谷は爆豪と付き合ってたんだぜ?」
「それなのに、爆豪と別れて1年ちょいで2人目って、緑谷は元々浮気してたってことだろ?」
「爆豪が怒りたくなるのも無理なくねーか?」
と告げれば、周囲は驚いた表情になり緑谷を見た。流石に緑谷もその言葉に青ざめてからぶんぶんっと周りに首を振って見せた。
「さっきから爆豪くん、何言っとるんデクくん」
「話の内容からすると、キミが浮気していることになっているぞ緑谷くん」
「してない!! してないから!! 僕の相手は昔も今もかっちゃんだよっ!!」
「でも、爆豪の言い方だと、知らねぇ感じじゃねーか?」
路地裏組+麗日の4人が話し合ってると、緑谷の言葉に爆豪自身が驚きの顔をしていた。 それもそうだ、別れていると言っていた本人の子が宿っているなどと法螺を吹かれれば流石に爆豪もなんと言えばいいか分からないのか、殴ろうとしていた手を退かして胸ぐらを離してしまった。
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「んで? 話をどーぞ?」
「え、あ…はい?」
A組の面々にまずは話の整理しようぜっと言われ、緑谷と爆豪は机を挟んで向かい合わせに座り、緑谷一派と爆豪一派で席を分けていた。といっても、爆豪の方は爆豪含めいつもの4人なので、そこまで狭くも感じなかった。
「えっと、話をって言われても何処から話せばいいの?」
「まず、確認したらどーだ? 互いの事を」
「そうだな…ならオレが聞くけど緑谷と爆豪は別れてるんだよな」
その言葉に2人ともしっかりと頷いた。それならば緑谷の言い分はなんなんだ?っと問うことにした。
「別れてる筈の緑谷の腹になんで爆豪の子が出来るんだ?」
「そ、それは…」
真っ赤になって俯く緑谷に4人は言葉を待つと、ボソボソと口を開く。
「か、かっちゃんと別れる前から、そのっ…子供がお腹には居たんだよ、その子が1人目なんだ…んで、今居るこの子は、そのっ…別れてから半年位の時の飲み会で、そのぉ…かっちゃんが酔った時に…中だしされたときの子、です」
「は? 別れた後に俺とお前やったんか」
「ほらぁ、もう忘れてるよー、だから言いたくなかったんだよぉ。かっちゃんベロベロに酔っ払って記憶無くす人だからぁ」
真っ赤な顔を隠す緑谷に3人はぽかんとなったが、他の奴らは知っていたのか、笑顔で圧をかけていた。 緑谷が別れた後に爆豪と連絡を取らなかったのは、別れた相手の子を勝手に産んでしまうことが申し訳無かったかららしい。 認知されない子を紹介するなんてとてもじゃないが緑谷とて、そこまで肝は座ってなかった。 その後にまだ、産まれたての1歳にも満たない子が居るのに、ベロベロに酔っ払った状態の爆豪に飲み会で捕まった緑谷は変わらない爆豪の部屋にお持ち帰りされ、幾度となく腹に出され、2人目を身篭ってしまったらしいのだ、それが発覚したのが3ヶ月前らしい。
あと、個性事故にて出来てしまった子宮の為、身篭るのが早かったのも相まって今、腹の中に居るらしい。
「別れたあとに他の男とやったんじゃねーのか」
「違うよ!! それに僕は君以外に抱かれるつもりはないからねっ!!」
「はぁ? お前は俺を好きじゃねーくせに」
「待ってよなんでそうなるの? 別れた時も言ってたけど、僕がキミを好きじゃないわけないだろ? いつから初恋こじらせてると思ってるのさ」
「初めて聞いたわ、ならなんで妬かねぇんだよ」
「妬く必要が無かったからに決まってるじゃないか」
「なんでだよっ!! プロヒーローでもイケメンに入って、熱愛報道も腐るほどある俺だぞっ」
「自分で言っちゃう辺りなんだかなぁって思うけど、うーん、あのね僕ね…実は…」
緑谷が口を開こうとすると、やっとさっきまで緑谷を疑ってた3人が立ち上がり緑谷の口を塞いだ。 爆豪も緑谷も目を丸くしつつ黙り込んだ。
「緑谷、オレらから話させてくれねぇ?」
「まさか拗れた理由が俺らっての申し訳ねぇし」
「いや、マジで…まさか緑谷が爆豪に話してなかったなんて知らなかったから」
こくこくと頷いた緑谷の口から手を離せば、緑谷は爆豪の横に移動させられた。爆豪は未だに不服そうだが、腹に子が居るとなれば話は別なのか、少し距離だけ空けて座り直した。
「んで、なんでデクが妬かねぇ理由をテメェらが知っとんだ」
「それは、話が長くなるんだけど…その、な」
「まずは誓ってくれ、怒らないって」
「僕は怒らないよ」
「そりゃ、緑谷が怒ることはねぇもんな!?」
「いいから話せや。俺らの前で洗いざらい、な?」
「は、はひっ…」
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【時は遡り雄英高校卒業式】
「おい、すげぇ巻き戻ってねぇか?」
「爆豪黙ってきいとけよ、最初から大事なんだっての」
「…ヂィッ」
「えぇ、そこから話すの!? 流石に引かれる…」
「黙ってろやクソナード」
「うわ、久しぶりに聞いたかも」
「2人とも黙れっての」
「………」
気を取り直して高校卒業式の日、爆豪は緑谷を屋上に呼び出し告白をした。
その日に緑谷は嬉しくて受け入れるが、爆豪の愛情よりも深い愛情がありすぎた緑谷はこの日を境に暴走したのだ。
プロヒーローになって間もなく、卒業してスグの一人暮らしの家を探している時、緑谷は爆豪が一緒に家を相談していた切島、瀬呂、上鳴をとっ捕まえ、どこら辺の近辺かを洗いざらい話させた。
また一人暮らしから近い場所だと家を嗅ぎつけたのがバレる可能性がある為、緑谷は反対側の地区にアパートを借りつつ、仕事場を爆豪の近くの管轄にしてもらっていた。
1回目の爆豪派閥での飲み会の日、切島が緑谷に呼び出され携帯を通話状態にしたまんまで話すことを約束させれた事を話した。
2回目の飲み会の日は、爆豪以外の奴に女が居ないかの連絡と共に、必ず爆豪が酔ったら自分に連絡いれることと、通話状態を維持することを約束させたらしい。
3回目は借りた居酒屋の場所を吐かされ、隣室をプロヒという名の職権乱用をしつつ借りて、轟、飯田達と共に通話状態をしたまんま隣で現場を伺っていた。
熱愛報道に関しては、その熱愛報道が出る度に爆豪が否定文を出す前に彼女らの家に笑顔で訪問し、処罰にならない程度に処理していたという。
熱愛報道の人に関してのデータはA組全員が総動員で動かされたという話もする。
そして最終、1年前の報道についても爆豪の寝た発言はしっかりと裏が取れていたし、爆豪が潔癖なのを視野にいれつつ、緑谷はこれっぽっちも浮気を疑ったことが無かったのだ。むしろ疑う余地が無いほど、手回しを済ませていたというのが本来の姿だったのだ。
何故3人が謝ったかというと、3人は緑谷に爆豪の会話やスケジュールを横流しし、熱愛報道があった、女性のところに乗り込む時も協力してしまった故に、申し訳なさの為だった。 まさか、緑谷が爆豪に伝えたことなど無かったと言うことは知らなかったのだ。
緑谷は物心ついた時から爆豪を愛していた、それ故に愛は重く独占欲も強かったのだが、それを爆豪にバレまいと行動していた為に、妬く必要が無いことを自分自身で確認していた為に妬くことも怒ることもしていなかったのだ。緑谷は爆豪に話していたと思っていたという3人の言葉に、黙って聞いていた爆豪はふるふると肩を震わせていた。
「お、落ち着け爆豪」
「悪かった、まさか緑谷が妬いてたことを言ってないとは」
「知ってたと思ってたんだよ、今までずっと」
ごめんっと正座して謝り倒す3人を見つめながら緑谷はキョトンとしてから「3人とも謝る必要ないよ」っと笑ってきたから、心の中で「お前が元凶なんだわ」と言えずに爆豪に頭を下げていた。
「お前、俺ん事好きだったのかよ」
「むしろ愛だよね、もう拗れ愛くらい」
「拗れたのは解いてやるわ、愛されてたんか」
「もうめちゃくちゃ、告白された時なんかうれしくてボイスレコーダー行きだよ」
「恥ずかしいな、それ消せよ」
「え、やだよ」
「新しいのやるから」
「でも、あれはかっちゃんの…最初の…」
「結婚するぞ」
「…かっちゃん」
「最初のプロポーズしてやったわ」
「ばっちり録音したよ」
「可愛いかよ」
「君は素敵だよ」
「好きだよかっちゃん、愛してる」
「ふん、墓まで着いてってやるわ」
向かい合ってそんな話をしていた2人に置いてけぼりになったA組はバカップル乙っと言いながら会話に戻って行った。
その後からは爆豪派閥は様々な席に行ったり来たりしつつ、爆豪と緑谷は朝までイチャイチャしていた。
END