短いの
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残業中、粗方仕事が片付いて一息ついた。そろそろ帰ろうかなと思っていたころ、スマホが鳴りLINKが届く。
S.E.Mの山下さんだった。送られてきた写真を見て怒りが止まらない。
急いで上着を着て事務所を後にした。
送られてきた写真ではクリスさんが飲み会会場で顔を真っ赤にしていた。
こうなったらクリスさんは1人で家に帰るのは大変だ。
飲み会の会場では、S.E.Mの皆さんと撮影のスタッフ…もちろん女性も多い。
「クリスさん!!」
小走りで会場に行くと、送られてきた写真のようなぽや〜〜〜んとしているクリスさんが目に入った。
あれほど飲みすぎないように言ったのに…!
S.E.Mのみなさんもついていながら…!!
「お〜プロデューサーちゃん、早かったね」
「山下さん!クリスさんにあんまり飲ませないでくださいよ!」
「プロデューサーちゃん、それはDifficultだね!」
「すまない、我々が見ていながら…。スタッフさん達に勧められてしまったんだ。」
…硲さんに申し訳なさそうに謝られると何も言えない。
「と、とにかく、連絡ありがとうございます!連れて帰りますから!」
「悪いね、プロデューサーちゃん」
「もう…S.E.Mの皆さんもこのあと飲みすぎないでくださいよ!クリスさん、立てますか?!」
「プロデューサーさん…」
とろ〜〜んとした目でクリスさんがこちらを見て抱きついてくる。
「立ってください!!帰りますよ!!」
「迎えにきてくれたんですね…ありがとうございます!」
「ほら…私じゃ抱えられないんですからね!」
「はい…申し訳ありません…」
謝りつつも赤い頬でニコニコとしている。
この人は〜〜〜…!
クリスさんの手を引いて、周りに頭を下げつつ、あとはS.E.Mの皆さんにお任せして店を後にした。
「クリスさん…!私のいない時は飲みすぎない約束でしたよね?!」
「プロデューサーさん…怒っていますか?」
目を潤ませてこちらを見てしゅんとしておりさらに怒りが湧いてくる。
「そんなふうになって!!周りの女性たちがどんな目で見てるかわかってます?!下手したら襲われますからね!!本当に危ないんですからね!?!」
「ええっ…女性が男性を…?!些かそれは無理な話では…?」
「今の泥酔したあなたなら女性でも簡単にこうして好きにできますよ!!少しは自分の見た目と魅力の自覚を持ってください!!」
「は、はいい…プロデューサーさん、ゆらゆら揺らさないでください〜。まるでクラゲのようになってしまいます。」
手を掴んで少しブンブン振るだけでクリスさんの体もフラフラ揺れている。
私の怒りは全く治ることを知らない。
クリスさんにはもう少し自分のビジュアルの良さを自覚して欲しい。そして外であまり無防備な姿を見せないで欲しい。
先ほども女性達が酔ったクリスさんを見てヒソヒソ何か話していた。
今日は雨彦さんもいない。それで山下さんも私に連絡をくれたんだろう。
今の状態のクリスさんは誘われたらどこでもついて行きかねない。逆に誰でもかれでも海に誘い始めそうだ。
「プロデューサーさん…めいわくをおかけして…すみません…」
ものすごい可愛さで言うものだから私の怒りは頂点に達した。
クリスさんの両頬をぺちん!と両手で叩いた。
「もう!私の前でしかお酒飲まないでください!!」
クリスさんは一瞬驚いた顔をしたがすぐに嬉しそうな満面の笑みになり、
「はい!」
と元気に言って私にキスをした。
「…………」
「ふふふ、海のように優しく、時に厳しいなまえさん…大好きです!」
「……………酔っ払いは嫌いです。」
「ええっ」
「もう雨彦さんか想楽さんを呼びます。あとはお二人に連れて帰ってもらってください。」
「プロデューサーさん…怒ってますか?」
「もしもし?雨彦さんですか?私じゃ無理なのでクリスさんをどうにかしてください。そうです、酔っ払ってて…とにかく今すぐ来てください!」
「プロデューサーさんー!」
私はお酒を飲んでいないのに、真っ赤になった顔を見られないよう、クリスさんに背を向けて電話をかける。が、クリスさんが泣きながら抱きついてしがみついてくる。
「ちょっ…クリスさん重い!離れてください!雨彦さん?!早く来てー!」
私の叫びが騒がしい夜の繁華街に消えていく。