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恋人との甘い時間には、いつになっても慣れずに緊張している。
だって普段の彼からは考えられなかった。そういう感情、あるんだ、って、当然のことなんだけどいつもわからされる度に戸惑う。
想楽さんと付き合い始めて数週間は経っただろうか。
頻繁に私の自宅へ来てくれては2人きりの時間をすごしていた。恋人ともなれば、当然、良い雰囲気になることも少なくなく、…
また、今は終業後で、ここは私の自宅で、彼とは恋人同士で、こういった時間を過ごすことはなんら問題もない。…しかしそれに慣れるかどうかは別問題だ。
それになんだか、なんか今日は…
触れるだけのキスを繰り返しているが、いつもに増して体の距離が近い、ような…
優しい手が私の頬に触れているだけでも顔が熱くなるが、腰に手が回っており力強さを感じる。なんとなく有無を言わせない何かをいつも以上に感じた。
…戸惑ってばかりでは、悪い気がして、いや、気持ちに応えたくて…いや、これも違う、私、私が彼を好きだから、もっとこうしていたかったから、
私にしては思い切って彼の首に腕を回した。
彼は一瞬驚いた様子で、何か考えるようであったが、すぐに口を開いた。
「…舌いれていいー?」
「…えっ。あ、う、はい!」
こちらも一瞬驚いたが、思わず勢いよく返事してしまい顔が熱くなる。
クスッと彼に笑われる。いや、嬉しそうに笑っているのか。
彼からの要望には大抵、「はい」以外の返事はない。
…嫌じゃ、ない、し。
顔が近づいてきて思わず目をぎゅっと瞑った。
舌の触れ合う感覚に思わず声が漏れそうになったその時、ガチっと歯がぶつかる。
「!!」
「あっ、」
どちらともなく驚きの声と共に顔を離して、見開いた瞳を合わせた。
「…す、すみません…!」
「ううん、ごめん、当たっちゃったねー」
思わず慌てて謝るが、想楽さんは困ったように、少し恥ずかしそうに笑っていた。
その様子が可愛くて、なんだか気が抜けた。
「…ふふ…っふふふ」
「…笑いすぎー」
「すみません…だって可愛いから…なんか緊張が抜けて…」
「緊張してたのー?」
「はい、だって…でも想楽さんも上手じゃなくてよかったなと思って!」
「…下手ってことー?」
「え」
言葉を間違えた…のかな!?そういうことが言いたいわけじゃないんだけど…!
「ちが…いや…?で、でも上手でも困るっていうかどうすればいいかっていうか…!」
「…ふーん、プロデューサーさんはもっと上手なキスの経験があるんだー。」
「ち、ちが…!そういうわけじゃ…!」
本当にそういうわけでもない。
若干想楽さんが拗ねているような素振りをしてくるので焦って言い訳しようとするが、実際歯がぶつかってしまったわけで、上手にできたわけでもないのでなんとも言いづらい。
でも結局、想楽さんは私が焦るところを見て楽しんでいたようだ。
拗ねたように見せた顔から、フッと笑ってまた私の頬に優しく触れた。
「…じゃあ、上手になるにはたくさん練習しないとだねー。」
「…練習?」
「うん、いっぱい練習、させてねー。」
練習って、それって練習と本番の違いって?
練習という言葉の意味に思考を一瞬で巡らせたが、またすぐに私はぎゅっと目を瞑ることとなった。