短いの
夢小説設定
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「ん?」
プロデューサーさんがデスクのPCに向かって真剣な顔でカタカタ何かを打ち込んでいる。
一方、事務所のソファでくつろいでいた僕は、近くでなにかが鳴ったことに気づく。プロデューサーさんのスマホのようだった。
仕事の連絡かなー?だったら、教えてあげた方がいいかもー。
「プロデューサーさんー、電話来てるみたい…あ、切れちゃった。」
「えっ?なんですか?」
「今ねープロデューサーさんのスマホが鳴ってたみたいなん…だけど…」
ふと、スマホの画面が見えてしまった。
あ、人のスマホ画面、勝手に見ちゃ悪かったかな…と一瞬よぎるも、画面に映ったものを認識して眉をひそめた。
そんな僕をみてハッとした顔のプロデューサーさんが慌てて僕のところまでくるとバッとスマホを奪い取り、両手で隠して冷汗をかいている。
「…プロデューサーさんー?」
「は、はい?どどどうしました想楽さん?」
「もしかしてスマホのロック画面…僕の写真じゃないー?」
「え?!まさかそんな…はは…」
「ちょっと、もう一回見せてねー。」
「ああっダメダメ、だめです!」
プロデューサーさんから再びスマホを奪い返し、プロデューサーさんが届かない高さに持った。取り戻そうと慌ててスマホに手を伸ばすがプロデューサーさんの身長では届かない。ふふー。
とにかく、もう一回画面をよく確認すると…
「…これ、子供の時の僕の写真だよねー?なんでプロデューサーさんがこんな画像を持っててロック画面にしてるのかなー」
「えっと…えっと…ゆ、許してください!私の癒しなんです…!」
「この写真どうしたのー?」
「ぉ……、…お兄さんが送ってくれました…………」
やっぱりかー。
プロデューサーさんは僕の目を見ようとせずこの世の終わりのような顔をしている。
ていうか、なんで兄さんとやりとりしてるのー。
「…だったら目の前に本人がいるでしょー?なんでこんな小さいころの写真にしてるのー」
「う…小さい想楽さん、可愛いので………そ、それに今の想楽さんだと、か、かっこよすぎて、見ると照れてしまって待ち受けにはできないので…!」
なんだそれー。
「…じゃあ僕もプロデューサーさんの写真撮らせてもらおうかなー?」
「え…えっ?」
「ていうか、一緒に撮るー?」
「え、え、」
「はい、撮るよー」
困惑してるプロデューサーさんはお構いなしにプロデューサーさんのスマホを使ってインカメにして自撮りした。
そのまま撮った写真を自分のスマホに共有してプロデューサーさんにスマホを返す。
「はい、ホーム画面にしてもいいよー。」
「ちょ…私絶対変な顔してましたよね?!」
「かわいいよー、大丈夫だよー。」
「も、もう…!」
「ふふー」
僕に対して、慌てて怒っているプロデューサーさんは珍しい。首にぶら下げている自分スマホでサッとプロデューサーさんを撮ったらカシャと音がした。
「!」
「怒ってるの、珍しいからー。」
「ちょ、ちょっと!」
「ふふー、これロック画面にしちゃおー。」
「だ、だめですよ!」
「プロデューサーさんは僕の写真にしてるのにー?」
「う…」
「プロデューサーさんが変えないなら、僕もプロデューサーさんの写真にしちゃうからねー」
「うう…!」
「まあ僕的には、プロデューサーさんが僕の写真に設定してるのは嫌じゃないし、別にいいんだけどー。」
「え…いいんですか?」
「お互いの写真ロック画面にしてるなんて、ちょっとカップルっぽいよねー。」
「えっ」
「まあでも…、今の僕をしっかり見てくれた方が嬉しいかなー?」
「!」
「ちゃんと近くで、見ててねー?」
プロデューサーさんの顔を覗き込む。
また照れてかたまっちゃうかなーと思ったが、意外にも赤くなった顔でこちらをしっかりと見返して、
「はい、ずっと、近くで見守らせてください。」
「…ありがとー。」
思いがけず嬉しくて、こちらが照れてしまいそうになり笑った。
…今の顔を、撮っておきたかったなー。