短いの
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「ねー、プロデューサーさん」
「はい、なんですか?想楽さん」
「プロデューサーさんって、好きとかあんまり言わないよね。」
「え゛」
ささいな疑問だった。
「あんまり言ってくれないし、態度にもでないなーって。」
「ぇ、う、そんなこと、や、えっと…好き…ですよ。」
「…なんか、言わせたみたいー。」
プロデューサーさんはしどろもどろになってゴニョゴニョと喋った。無理矢理言わせたいわけでもないんだけど。
「いえっ」
「まあ、無理しなくてもいいんだけどさー。」
「ちがっ…あのっ…好きです!本当に…えっと…」
…プロデューサーさんが僕のことを好きなのは、言われなくてもわかってるからいいんだけど。恥ずかしがり屋のプロデューサーさんを困らせちゃったかなー。
「本当に、想楽さんのこと大好きです…!ど、どうしたらわかってもらえるでしょうか…?」
必死な様子で、上目遣いで不安げに見つめられ、どうしようもなくときめいた。顔に出ないように。
たまにしか言わない「好き」の破壊力…。無理に言わなくても良いと思っていたが、言ってもらえると嬉しいという気持ちはあったようだ。
脳内で雑に詠みながらも、その間1秒ぐらいですぐに返事をする。
「うーん…そうだなー。何してもらおうかなー。」
人差し指を立てて考えるふりをしている間も、彼女にじっと見つめられている。
…でも、この流れはプロデューサーさんから何かしてもらうチャンスかもー?
「んー…、じゃあキスでもしてもらおうかなー?」
なんて、と言おうとして、言うのをやめた。本当にしてくれそうだったから。
すると、彼女は赤い顔を僕の頬に寄せる。頬からちゅっとリップ音が聞こえてきた。ささやかで可愛いキスに笑みが溢れ、僕は満足した。
…したのだが、彼女は更に僕の首に手を回し、唇に触れるだけのキスをしてきた。何度も、短く触れては離れて、また触れる。呆然としていると、頬と頬を擦り寄せて、最後に首筋にも顔を埋めるとちゅっと鳴って、彼女は僕から離れた。
「………」
「…好きって伝わりましたか?」
「………」
「…想楽さん?…い、嫌でした?」
「…嫌じゃない。」
思わずがっとプロデューサーさんを強く抱きしめた。
「?!」
「もー……」
「あ、あの、」
「プロデューサーさんさあ……」
「は、はい、すみません。」
「…好き。」
困惑する彼女の顔を両手で抑えて、今度は僕からキスをした。深く。
「っえ、」
「プロデューサーさん、大好き。」
「あ、わ、」
「…今プロデューサーさんが伝えてくれた分、倍にして返すねー。」
ニッと笑って見つめると彼女は真っ赤になって焦っており、なんだかホッとしてニコニコしてしまう。あー、いつもの照れ屋なプロデューサーさんだー。
たまには、プロデューサーさんから好きと伝えて欲しいと願ったけれど…、こっちの身が持たないので、やっぱりいいやー。
「プロデューサーさんももっとしてくれてもいいよー?」と一応言うが、「もう無理です」と真っ赤な顔でややジタバタしていたので、嬉しくなりながらまた強く抱きしめて閉じ込めるのだった。