1章
夢小説設定
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「来い、枢。こいつらじゃ話が進まねぇ」
「荼毘。僕は彼らの子守りを受けたつもりはないよ」
「まあそういうな」
ツギハギ男に手招きされて渋々話を聞く。開闢行動隊。敵連合に近日入会した連中で結成される少数精鋭の暗殺部隊。そういえば漫画のように聞こえるかもしれないが、間違いなく犯罪集団である。それに枢も加担していることに変わりない。
「呆れた…作戦会議だというのにこの自由奔放さ。皆、大人だろ」
「私は大人じゃないですー」
「黙ってろイカレ野郎」
くるくる回りながらやって来るトガは枢の手を掴んで一緒に踊り始めた。成すがまま体を回す枢はトガの言葉に耳を傾ける。
「枢くんはどうしてここに?私に会いに来てくれたのですか?」
「先輩たちの進捗を死柄木弔に報告するためだよ」
「つまりトガに会いに来てくれたってことですね!」
「うん、そうそう」
まともに相手にすることも諦めた枢はぶんぶん腕が外れそうになるところで振り払う。ありゃ。トガの残念そうな声が聞こえ首を傾げられる。
「先輩。頼みますよ。この中じゃ隠密行動に長けた先輩が冷静でいないと困りますから」
「枢くんが困るのは私も困るので、ちゃんとしまーす」
「いい子」
年上の女性の頭を撫でて荼毘に目配せする。ニヤついていないで他の連中も連れて来なよ。枢の意志は届かず、荼毘はトガを引き剥がし枢を自分の後ろへと追いやった。せっかく傾きかけたトガをむっとさせるのは間違いなく荼毘である。
「おい、荼毘」
「触るなイカレ女」
「荼毘くんだけの枢くんじゃないですよ」
「お前も触るな、荼毘」
ぴっと振り払い一歩後ろへ下がるとドンとぶつかった。大柄のマグネがニタリと笑いながら見下ろす。サングラス越しの瞳は何やらいやらしい想像をして枢の肩に手を置く。
「モテモテねぇ、枢。嫉妬しちゃうわ」
「マグネ。それが本心ならこの二人をあげるよ」
「ま、嬉しい」
荼毘もトガも不服そうな声を上げる。そんなもの気にしないと言わんばかりにマグネと策を練る。
「怪力相手の虎が向こうにいる。マスキュラーがじっとしていられる性格じゃないから、マグネに頼みたい」
「枢のお墨付きなら歓迎よ。その代わりに、ご褒美頂戴ね」
「褒美…?僕なんかからより、死柄木弔に強請ればいいだろう」
「うーん、枢がいいのよ」
彼、いや彼女は耳打ちした。荼毘もトガもその囁きは聞き取れず、じっと背中を見つめる。離れていくマグネが「楽しみにしてるわ」投げキッスを残してスキップしながら去っていく。オイ待てよ、追いかける枢の髪が揺れた。隙間から覗く耳が多少赤くなっているのを見逃さない荼毘はすかさず掌に炎を宿す。
「何された」
「いや、されたというか、してほしいって」
「何言われた」
「何だよ、君には関係ないだろ」
子猫に威嚇された荼毘は矛先をマグネに変え、後日問い詰めたという。さて、最も目標捕獲に適した人物がトランプを出しては消してやって来る。
「賑やかだな、まるで喜劇のショータイムだ」
「コンプレス。分かっていたなら早く来て。時間が惜しい」
「へいへい。女王様の仰せのままに」
幕が下がる前の役者のようにお辞儀をしたコンプレスがポンと薔薇を差し出す。淡い桃色の花を思春期の男に差し出すなどどうかしている。枢は嫌々それを受け取った。
「女王様にピッタリの花を用意しました。なんつって」
「…僕が知らないとでも?」
「博識な枢だから渡せるんじゃないか。良かった。それは俺の思いだ」
「…胡散臭いね」
「はっはっは、そういうと思った」
コンプレスが薔薇を受け取り枢の耳元に飾った。年頃のトガのような女子高生なら喜ぶプレゼントだろうが、男の枢は嫌悪丸出しで蔑んだ瞳を向ける。
「侮辱のつもり?」
「まさか。ちょっとした戯れ」
「…対象者の捕獲は君以外できない。あの横暴な個性と性格を不意打ちに狙えるのは君だけだ」
「女王様のご命令とあれば、最高のショーをお見せしましょう」
枢の手を取り手の甲にキスを落とす。仮面の下にある瞳が真っ直ぐ枢を狙っていることなど荼毘にも察せられた。ボウと燃える炎が近づいてくると、コンプレスはすかさず枢を中学生扱いして頭をわしゃわしゃ撫でる。
「はは、次はお前とショーしてみたいぜ」
「次があればね」
どこまでも冷静で物事を話枢に関心して荼毘の嫉妬の炎を逃れるためコンプレスは逃げる。ますます機嫌を悪くさせた荼毘は炎を仕舞った。
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「荼毘。僕は彼らの子守りを受けたつもりはないよ」
「まあそういうな」
ツギハギ男に手招きされて渋々話を聞く。開闢行動隊。敵連合に近日入会した連中で結成される少数精鋭の暗殺部隊。そういえば漫画のように聞こえるかもしれないが、間違いなく犯罪集団である。それに枢も加担していることに変わりない。
「呆れた…作戦会議だというのにこの自由奔放さ。皆、大人だろ」
「私は大人じゃないですー」
「黙ってろイカレ野郎」
くるくる回りながらやって来るトガは枢の手を掴んで一緒に踊り始めた。成すがまま体を回す枢はトガの言葉に耳を傾ける。
「枢くんはどうしてここに?私に会いに来てくれたのですか?」
「先輩たちの進捗を死柄木弔に報告するためだよ」
「つまりトガに会いに来てくれたってことですね!」
「うん、そうそう」
まともに相手にすることも諦めた枢はぶんぶん腕が外れそうになるところで振り払う。ありゃ。トガの残念そうな声が聞こえ首を傾げられる。
「先輩。頼みますよ。この中じゃ隠密行動に長けた先輩が冷静でいないと困りますから」
「枢くんが困るのは私も困るので、ちゃんとしまーす」
「いい子」
年上の女性の頭を撫でて荼毘に目配せする。ニヤついていないで他の連中も連れて来なよ。枢の意志は届かず、荼毘はトガを引き剥がし枢を自分の後ろへと追いやった。せっかく傾きかけたトガをむっとさせるのは間違いなく荼毘である。
「おい、荼毘」
「触るなイカレ女」
「荼毘くんだけの枢くんじゃないですよ」
「お前も触るな、荼毘」
ぴっと振り払い一歩後ろへ下がるとドンとぶつかった。大柄のマグネがニタリと笑いながら見下ろす。サングラス越しの瞳は何やらいやらしい想像をして枢の肩に手を置く。
「モテモテねぇ、枢。嫉妬しちゃうわ」
「マグネ。それが本心ならこの二人をあげるよ」
「ま、嬉しい」
荼毘もトガも不服そうな声を上げる。そんなもの気にしないと言わんばかりにマグネと策を練る。
「怪力相手の虎が向こうにいる。マスキュラーがじっとしていられる性格じゃないから、マグネに頼みたい」
「枢のお墨付きなら歓迎よ。その代わりに、ご褒美頂戴ね」
「褒美…?僕なんかからより、死柄木弔に強請ればいいだろう」
「うーん、枢がいいのよ」
彼、いや彼女は耳打ちした。荼毘もトガもその囁きは聞き取れず、じっと背中を見つめる。離れていくマグネが「楽しみにしてるわ」投げキッスを残してスキップしながら去っていく。オイ待てよ、追いかける枢の髪が揺れた。隙間から覗く耳が多少赤くなっているのを見逃さない荼毘はすかさず掌に炎を宿す。
「何された」
「いや、されたというか、してほしいって」
「何言われた」
「何だよ、君には関係ないだろ」
子猫に威嚇された荼毘は矛先をマグネに変え、後日問い詰めたという。さて、最も目標捕獲に適した人物がトランプを出しては消してやって来る。
「賑やかだな、まるで喜劇のショータイムだ」
「コンプレス。分かっていたなら早く来て。時間が惜しい」
「へいへい。女王様の仰せのままに」
幕が下がる前の役者のようにお辞儀をしたコンプレスがポンと薔薇を差し出す。淡い桃色の花を思春期の男に差し出すなどどうかしている。枢は嫌々それを受け取った。
「女王様にピッタリの花を用意しました。なんつって」
「…僕が知らないとでも?」
「博識な枢だから渡せるんじゃないか。良かった。それは俺の思いだ」
「…胡散臭いね」
「はっはっは、そういうと思った」
コンプレスが薔薇を受け取り枢の耳元に飾った。年頃のトガのような女子高生なら喜ぶプレゼントだろうが、男の枢は嫌悪丸出しで蔑んだ瞳を向ける。
「侮辱のつもり?」
「まさか。ちょっとした戯れ」
「…対象者の捕獲は君以外できない。あの横暴な個性と性格を不意打ちに狙えるのは君だけだ」
「女王様のご命令とあれば、最高のショーをお見せしましょう」
枢の手を取り手の甲にキスを落とす。仮面の下にある瞳が真っ直ぐ枢を狙っていることなど荼毘にも察せられた。ボウと燃える炎が近づいてくると、コンプレスはすかさず枢を中学生扱いして頭をわしゃわしゃ撫でる。
「はは、次はお前とショーしてみたいぜ」
「次があればね」
どこまでも冷静で物事を話枢に関心して荼毘の嫉妬の炎を逃れるためコンプレスは逃げる。ますます機嫌を悪くさせた荼毘は炎を仕舞った。
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