1
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「大石さんって、結構我が儘ですよね。」
「は?」
「変態だし。自尊心がすごいし。」
「……………」
「言ってること、意味不明ですしね。」
「…………言いたいことがあるならはっきり言ったらどうだい。」
ちょうど手入れをしていた刀を片手で振り下ろし、それを彼女の喉元へ突き付ける。
二人して縁側の離れた場所に腰掛けているが、刀身が届かない程の距離ではなかった。
しとしと降りしきる雨に、濡れた紫陽花が小さく跳ねる。
「でも大石さんのそういうとこ、私嫌いじゃないんですよね。」
「………それって…」
言い掛けて思い止まり、口を閉ざした。
へらへらと笑うこの女にいっそのこと全てを教えてしまおうかとも思ったが、言ってしまえば何だか俺だけがこいつに惚れ込んでいるようで癪なので、やめた。
2009.6.9
--------------------
71/76ページ