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名前変換
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セブルスのことが好きだと呟いたら、シリウスは趣味が悪いと驚愕した。
なんで、だってあんなに格好良いじゃない!
「あんな根暗野郎のどこがいいんだよ!」
「根暗じゃないよ、寡黙なだけ。」
シリウスったらなんにも分かっちゃいない。
朝食をとりに大広間へ向かう途中でセブルスに会った。
珍しくスリザリンの友人たちとなにやら話をしているようなので、脇を通るときも遠慮して話し掛けないようにした。淋しいけど仕方がない。後でまた寮の入り口まで押し掛けに行こうと思い、少し先を歩くリリーたちの元へと駆け出そうとした。
「おい。」
突然名前を呼ばれて振り返る。
聞き間違いかと思ったけど、やっぱり今私を呼んだのはセブルスだ。
「おはようセブルス。」
「ああ、おはよう。…じゃない、違う、」
しかめっ面で私をじいと見つめると、少し吃った声で続けた。
「なあ、お前、」
「…ん?」
「その…、」
いつもと様子の違うセブルスに首をかしげ、下から顔を覗き込む。途端肩を揺らして僅かに身を退いてしまった。
どうしよう、セブルスが病気だ!
「ねえどうしたのセブルス、調子が悪いの?」
「違う、そうじゃない、」
「ちがくない、やっぱりなんかおかしいよ、ね、医務室行こう?」
「だから話を…」
「大丈夫、私もついて行ってあげる!(ここからだとどの道が近いかな。やっぱりあの階段を使って……)」
そういって何気なく掴んだ彼の手であったが、さて歩きだそうと一歩踏み出したところでぱしっと振り払われてしまった。
痛くはなかった。
けど、突然のショックな出来事に、思わず立ち止まってしまう。
「…え、」
ぽかんと立ち惚ける私に一瞬はっという表情をすると、それからセブルスは気まずそうに目を泳がせた。
そうして所在なさ気に手を弄んでからぽつりと、また『違うんだ』と小さく呟いたのだった。
「……気分は、悪くない。」
「……うん。」
「でもお前に構われると困る。」
「困るの?」
「ああ、困る。」
目は合わせてくれなかったが、声でセブルスが冗談を言っていないことはすぐに分かった。
(き、傷つくなあ…)
「結局、何だったんだろう?」
去っていくセブルスの背中を見つめる私の隣で、素直じゃないのねとリリーが呟いた。
なんだかちょっとショックだ。
2009.6.30
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