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夜中、こっそり小十郎さんのお部屋にお邪魔して、こう、性的な意味での夜襲を仕掛けようと忍もびっくりの抜き足で彼の元まで近づいたわけなんですが………
「てめぇ…夜中にこそこそと。何が狙いだ。」
小十郎さんがお休みになっている床に一歩足を踏み出した途端、喉元にぎらりと光る刀の切っ先を目にも止まらぬ早さで突き付けられ、私は動くに動けなくなってしまった。
行灯の火で若干陰った小十郎さんの表情は、正直な話ちびりそうな程恐ろしい。殺気の籠もった眼差しは有無を言わせぬ迫力を持っており、もしここで嘘でも吐こうものなら即刻八つ裂きにされ家畜の餌にでもされることは目に見えていた。
「(夜這いですとは言えない死んでも言えない言ったら確実に殺される…!)」
しかし言わなかったら言わなかったで刀の錆びにされるのは確かだ。私は足りない頭をなんとかフル回転させて必死に次の言葉を選んだ。
「じじじ実はぁ、小十郎さんに用が、」
ありまして………
言い切る前に「ああん?」とすごまれ、刀がかちゃりと音を立てた。
「嘘吐くんじゃねぇ本当のことを言え。」
「本当です…!本当のことです…!」
「…狙いはなんだ。俺のタマか。」
タマ。
彼の言うタマとは、いわゆる人の命のことである。
「やっ、えっ、と、タマと言えばタマなんですけど…」
「…………」
「タマ違い、と言うか…」
「…………」
「ア、アハハ、アハハハハ」
「そうか歯ァ食いしばれ」
「ハハハハ…ですよねー…って、え?ちょ嘘でしょ小十郎さん嘘でしょコレ食い込んでる腕めっちゃ食い込んでる食い込んでるか、らぁぁああああ゛あ゛あ゛!!!」
バキバキバキィィイ
小十郎のバックドロップが炸裂した瞬間であった。
2010.3.16
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