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俺じゃない、好いている奴がいるとのたまうその口を、自分の口で無理矢理塞いだ。
嫌がり暴れられてもなお離さず。力が抜け、抵抗を止め、へたりこんだ女を追ってなお口を寄せた。片手は白い生足へ。女の細い体にまたがり、着物の合わせ目を掴んだところで、涙を流す女と目が合った。
「……貴方なんて嫌い…」
「…………」
「大嫌い…」
手の甲で顔を覆いぼろぼろ涙をこぼす女に俺はうっそりとほくそ笑む。
「…嫌いで結構、俺はお前なんかなんとも思っちゃいない。」
言って両足を肩に担いだ。
何とも思わないと言いながらたった一人に固執する俺は、このどうしようもない感情を自分でも持て余している。
2010.4.23
2020.3.15
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