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名前変換
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「あ、見つけた。」
屯所の縁側。
そよそよと穏やかに吹く春の風。暖かな昼の日差しに気持ちよく昼寝していた俺の視界に、ひょっこり逆さまに写り込んだこの女。名前をA子という。
女中のA子。
「またこんなところで昼寝してたんですか…」
「うっせぇな邪魔すんなィ。いちいち突っかかってきやがってこのブス。」
「ブ、……」
寝返り打ってそっぽを向けば、…だって仕方ないじゃないですか、土方さんに頼まれちゃったんですよ、なんて。
なんでィそれじゃあおめぇ、土方が頼まなかったらここには来なかったってわけかィ。なんでィそれ。ありえねぇよ。ありえねぇ。A子お前まじ空気読めよこのアホ。アホ女。
ちらり、横目にじっとりねめつけてやると、A子、冷や汗をたらりと流した。
「A子死ね…」
「ええええ…」
「ついでに俺のこと好きって言え」
「ええええ…」
それはちょっと… なんて苦笑いする彼女を引き寄せ、バランスが崩れたところを抱え込み、ふにゃふにゃしたその唇に吸いついてやった。
その驚いた顔ったら、俺が幾度となく想像していたよか数倍は可愛い。…かもしれない。A子のくせに。
頭上では小鳥が鳴いている。
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