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「悩んでるんだって、竹中君」
「ああそうか死ね」
石田君はわたしの方をちらりとも見ずにそう言いきった。
右手のシャーペンは、熱心に消しゴムに何かを彫っている。
「好きな子が全く振り向いてくれないって。自分ばっかり好きだって。」
「死ね」
「ねぇ石田君、好きな子に全く相手にされないってどんな気持ちかな。」
がりがりがり。
消しゴムを彫っていた手が止まった。
「不憫だよね、竹中君。でもちょっとすっきりしたな。少しぐらい悩めばいいんだよ、ああいう完璧人間はさ。」
「貴様が言うか。」
「え?」
「死ね。」
『残滅』と彫られた徳川君の消しゴムが、真ん中からぼきりと折れた。
2012.5.21
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