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「おら起きろなまえ、朝だ。」
何時もどおり私の家へ勝手に上がり込み、何時もどおり私の部屋へ侵入し、何時もどおり布団に丸まる私の上に勢い良く跨がった。
こんなことするのは晋助位だと思い、特に気にも留めず目は開けなかった。昔から幾度となく繰り返されるこの行動に、慣れ切ってしまっている自分がいる。一般的な女性として、少し悲しくもあるが。
何回声をかけられても、体を揺さ振られても、やはり眠いものは眠い。ちらっと片目を開けると、視界の端にはやっぱり晋助。ううんダーリン後ちょっと、なんて呟いて、そのままムスッとした顔で寝返りを打った。途端、頭上から鼻で笑ったような声。
「やっぱりお前、寝てるときまで憎たらしい顔してんのな。」
「うるさーい。」
「ほら、とっとと起きろって。」
「……」
「…なあ、」
「………」
「なあってば。」
「……………」
「なあ、なまえ。」
「あああもう煩いなあ!」
横に背けていた顔を声の主へ向け、不機嫌そうに下から睨んでやった。
「どいてよ晋ちゃん。私、まだ眠いの。」
「やだ、どかねえ。」
にやにやと心底愉快そうにほくそ笑むこの男は、相当性格が悪いに違いない。私以外に友達がいるとしたら、驚きだ。
なんだか無性に腹が立ったので、少しばかり仕返しをすることにした。
「えええいもうっ!重いったら!」
「わ、馬鹿やめろ…!」
「どけ、このこのっ!」
上に乗った晋助を振り落とそうと懸命に体を揺さ振った。一瞬、その片目を大きく見開く。ひどく驚いた顔をしたが、暫くそうしていると今度は口元を歪め苦い顔になって、仕舞には完全にうなだれてしまった。
やっと静かになった、と一安心。再び目を閉じ、安らかな眠りの世界へ入って行こうと試みた。が、どうもおかしい。
あまりにおとなしくなった晋助を不思議に思い、上半身をゆっくり起こし、彼を見る。
やっぱりおかしい。
改めて顔を覗き込む。真っ赤な顔で恨めしげにこちらを睨み付けていた。耳まで赤いのは一体全体どういうことだ。心配になって思わずその肩を揺すった。
「ど、どうしたの晋ちゃん…?」
「……馬鹿野郎、この、くそアマ。」
「ええええ、何で…」
「……………」
「……え、ってちょっ、どこ押さえてんの晋ちゃん!え、嘘、え?何か体に当たってるのだけれども……!」
「…てめえのせいだかんな。」
「ちょっと、え、待ってよ…違うって私のせいじゃないから!ねえ、ちょ来ないでって…、わ、わ、わああああ!」
俺は悪くない。
「なんであんなちょっと位で…」
「るっせ黙れ…!」
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