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中庭できゃっきゃきゃっきゃ騒ぐ声が聞こえた。窓から顔を出すと、山崎と総悟、それになまえがホースで水のかけ合いなんかしていた。
今、真冬だぞ。
「ぎゃあああああ冷たっ!」
「山崎死になせィ。」
「総悟貴様、許さん!!」
もう敵とか味方とかそんなの関係なしで。3人共髪も顔もびしょびしょだった。
(何してんだ、あいつらは。)
「しゃらくせえええ!」
不意になまえがセーターを脱いだ。ブラウス一枚。これには俺もぎょっとした。男2人はじめは驚いたが、総悟、続いて山崎もがセーターを脱ぎ始めた。
「かかってこんかぁい!」
「上等じゃボケェエエエ!」
再びホースを手に取る。
やっぱりあいつらアホだ。
「青春だよねぇ。」
ふと、後ろから聞こえた声に振りかえると、銀八が立っていた。
「ああいうのを青い春って言うんだよね、多串くん。お前もそう思わない?」
「思いません。」
あんなびしょ濡れの青春嫌です。先生と一緒にしないでください。
冷たく告げて、再び窓の外へ目を向ける。なぜかなまえと目が合った。
掴んでいたホースを離し、にかっと大きく笑うと、口のわきに手を添えて俺の名前を叫んだ。
「土方くーん!!」
手まで振られる。
「なまえ」
「土方くんもやろうよ。」
「俺はやんねえ。」
「何でえ?…「隙ありっ!!!」ぎゃああああああ!!」
答えようとした俺の声は、総悟の声と、水しぶきと、なまえの悲鳴(雄叫び?)にあっさりかき消された。
あいつ、スカートまでびしょびしょだ。
顔に張りついた髪をどけて、にいっと黒く笑う総悟を一睨み。
「おのれ総悟…!」
「うわあなまえ、あんた、本物のゾンビみたいだ。」
「ゾ…?!」
「よそ見するほうが悪いんでィ。」
水をしたたらせたなまえがホースを掴んで、試合再開。
(それにしても…)
「透けてるねー。」
銀八が小さくぽつりと呟いた。
「気のせい……です。」
「水色のチェックだねー。」
「てめっ…!」
「これって男のロマンだよねー。」
「……」
「こういうのを性春って言うんだよねー。」
「……そう、ですね。」
そこは否定しないんだー、という銀八の独り言を、どこかぼんやり聞いた。
性春に乾杯
総悟に少し感謝しているなんて、秘密だ。
2007.3.23
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