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「私、別に伊達君のこと好きじゃないと思う。」
仮にも彼氏である男の目の前で、突然、『明日天気悪いみたいだよ。』なんて普段何気なく言うみたいに自然に口に出してみた。返事がないので雑誌から顔を上げると、あらまあ伊達男が台無しだ。シャーペンを動かす手を止めた伊達君が驚いたようにこっちを見つめていた。
「………んだ、それ。」
てめぇから告ってきたんだろうが。だから俺たち付き合ってんだろ。そう言いたげな伊達君。
まあ、そうなんだけど。
「うーん、多分ね、私伊達君にどきどきしていたんじゃなくて、伊達君っていう高嶺の花に恋することにどきどきしていたんじゃないかなって思って。」
「どういう意味だよ。」
「なんていうか、自分に酔ってたんだよね、きっと。」
恋する自分に酔ってた、みたいな。
言いながら、雑誌を床に置いてそのまま伊達君の元へ向かった。
目の前に立って顔を覗き込むと、伊達君は肩を少し揺らして、でもポーカーフェイスは崩さないまま、なんだよと不機嫌そうに言い放った。そんな彼になおも顔を近付ける。
見つめ合うこと数秒。
「ほらね、全然ドキドキしない。」
伊達君の顔が今度こそ大きく歪んだ。
「最悪じゃねーか。」
「何言ってるの、お互い様でしょ?伊達君だって私のこと好きでもないのにOKしたくせに。」
「……可愛くねー」
「でも、そんなやつを好きになっちゃったんでしょ?」
確信があった。
あのねぇ伊達君、私だってねえ、そこまで鈍くないんだから。
「好きなんでしょう?」
へなへなと机に突っ伏して頭を抱え込んでしまった伊達君をそっと覗き込むと、真っ赤な顔した君と目が合った。白くて透けるように綺麗な肌が、今だけ林檎みたいに真っ赤なのだ。
「なんなんだよ、お前…。」
「伊達君の彼女だよ。」
「…それ、嘘じゃねぇだろうな。」
「…………うふふっ」
答えは敢えて言わないでおこう。
それでも君が
いいんです
2009.9.16
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DOGOD69様からお題をお借りしました。
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