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きせつのもの

大量のプレゼントが届き、大好きな両親とリボーンから祝われた綱吉は機嫌が良かった。ファルコとレオンを相手に遊んでいた彼を、デジカメを持ち出したコロネロが呼ぶ。
「ツナー、九代目達にお礼ついでに写真取るぞコラ」
「はーい!!」
満面の笑みで写真を撮られ、それをデジカメの画面で確認して綱吉はふと首を傾げた。
「なんでおれいがしゃしんなの?」
「ツナがこんだけ大きくなったっていうのを写真で伝えるんだぞコラ」
「おてがみかくの?」
「メールだコラ。すぐに送った方がみんな喜ぶからな」
ってか、急かされてんだぞコラ。
ぼやく様にコロネロは言い、隣室のパソコンの電源を入れる。
「みんなせっかちだね、ファルコ」
てこてこと父親の後を追った綱吉は、立ち上がるパソコンとデジカメを見比べながらそう、一番近場に居た鳥に話しかけた。


「なあラル」
蓋の閉まらないおもちゃ箱を見ながら、リボーンがにやりと笑った。
「どうした?」
「どっちだ、お前等が選んだプレゼント」
綱吉はとうにおやすみを両親に告げ眠りについたのに、この大人はわざと本題をはぐらかす。
「……ロボットだ」
声を抑え答えたラルに、リボーンは笑みを深めた。
「じゃあ、ブロックは家光か。あいつなかなかいい趣味してんな」
どうして、親からのプレゼントがわざわざ二つ用意されているか、綱吉は知らない。おそらく不思議に思ったことも無いだろう。
幼い子供のために、事実は極端なまでに伏せられているのだから。
「お前、明日家光に会うだろう?」
「ああ」
「渡してくれ」
さっき撮影され、プリントされたばかりの写真をラルは机に乗せた。
「よく撮れてるじゃねーか」
「……失敗したら方々からどやされるからな」
溜息交じりの声にリボーンはその『方々』の連中を思い浮かべる。確かに、こういうことに限って五月蝿い奴等ばかりだ。
まったく、愛されてんなツナは。
弾けるような笑顔の写真を懐にしまい、リボーンは立ち上がった。
「悪い大人はこっからまた仕事だ」
「今からか?」
「これ以上時間がずらせなかったんだぞ」
何だかんだといって、リボーンだってツナのことを溺愛している。何が目的か、彼は窓から身を投げだし、夜闇に消えた。

子供は只、幸せな夢に眠るばかり。
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