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ふたつの霧と空色の王様

「愛してます、ボンゴレ」
骸の突然の告白に、書類と戦っていた綱吉は顔を上げ、琥珀色の瞳を大きく見開いたまましばらく凍りついた。
微妙な空気が二人の間を流れる。
数秒後、綱吉は書類も万年筆も放り出して骸の目の前でしゃがみこむと、彼のちいさな額に手を当て、首を傾げた。
「……熱でもあるのかい、骸」
「僕は本気です!!」
恥ずかしさから顔を紅潮させて言う骸を、綱吉はにこにこしながら抱き上げた。
「はいはい、風邪は早めに治そうね」
おちゃらけた対応に流石の骸もへこんでしまいそうになる。
「ボンゴレ……っ」
「うん。ごめんね、骸。お前の気持ちは凄く嬉しいんだけど、オレは誰も選べないんだ」
それくらい、骸にも分かっていた。組織の繁栄と守るべきファミリーの為に、ボスは物事を選び、決めなければいけない。独裁を気取る暴君に残る道は滅亡だけだ。
だから、綱吉は誰も選ばなかった。
「…………」
「お前のことも、クロームのことも大好きだよ。こんなこと言うとお前は怒るけど、二人ともオレの大事な子どもたちだから」
「それでも……それでも、構いません。あなたが想ってくださるなら、僕はそれで幸せです」
珍しく素直に感情を口にする骸に、どうしようもなく愛しさを募らせてしまい、綱吉は彼をぎゅう、と抱きしめた。
「…………骸っ!!」
「な、何、ですか急に…」
「そんなに淋しかったんなら早く言ってくれたら…!明日は休みにして三人で遊びに行こう!」
どうして、この人は、こう間違った方向に暴走してしまうのだろう。背中を圧迫されながら骸は思う。お出かけの誘惑も楽しげに思えたのだったが、それ以前の問題もこの世にはたくさんあった。(そしてそっちの方が明らかに多かった)
とりあえず、山積みの書類を指差して骸は叫んだ。
「仕事しなさい!!」
親子ほど年の離れたこどもに叱咤され、天下のドン・ボンゴレはしょんぼりと万年筆を拾い上げた。




*****
真面目な話をするつもりが思いっきり沢田さんに暴走され、シリアスがぶっ壊されました。この話の骸はやけにまともな(常識的な)子に成長してくれそうです。
とりあえず一行目の台詞を言わせたかっただけ。
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