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よみきり

「骸、」

公園の前を通りかかった骸を、呼び止める声。見れば、ブランコに綱吉が座り、手招きをしていた。

「何のようですか、ボンゴレ」

皮肉のひとつでも投げてやろうか。思いながら骸は綱吉に近付く。だが彼の口が毒を吐く前に、綱吉は彼に何かを差し出した。
薄青の中に星が踊る、アイスキャンディ。

「やるよ」
「なんですか、これ」
「母さんが作った七夕アイス。二本余るから、ランボ達が喧嘩する前に食べてきなさいって」

綱吉のもう片手には同じアイスキャンディが、かじられていて。手を出さない骸にじれて綱吉は急かす。

「早く食わないと溶けるぞ」

暑さに耐えかねて、アイスキャンディは早くも端から青の滴を砂に落とそうとしている。
裏を考えて、けれどそれを途中で止めて(このおつむの悪い少年にそもそも裏を作る思考はない)、骸は薄青を受け取った。かじれば、甘味と僅かな塩気。
二人無言でアイスをかじる。ふと、骸がオッドアイを綱吉に向けた。

「何で僕なんですか」
「たまたま。部屋で二本食べてもよかったけど」

食べ終えたアイスキャンディの棒をくわえたまま、綱吉はふと笑顔を骸に返す。

「けど、何か無性にお前に会いたかったんだ。だからここまで来てみた」

まっすぐな琥珀色に、骸は思わず目をそらした。見上げる黄昏空に光る星。アイスキャンディの星はフルーツだった。平常を装って、咀嚼して飲み込む。
綱吉はしらない。その言葉がどれだけ、骸を喜ばせるか。

「よかったですね、ちょうど通りかかって」
「そうだな。アイス溶かしちゃうとこだった」

無邪気な笑顔を、骸はどうしても見れなかった。




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また食ってるよ!!(´・ω・`)
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