01/新しい世界
あの方と目が合ったとたん、わかりにくかったですが嫌そうに顔を反らされました。
こ、怖いです;
でも、今度は謝るって決めたんです!
まずは、きっかけでも──
「えと……ぐ、偶然、ですね……」
「そうですね」
そう返すあの方はにこやかにしていますが……すごく、冷たいです。
あやまったら許して貰えるでしょうか?
いいえ、そんなこと思ってはいけません。
許してもらいたいからではなく、僕が悪いことをしたから謝るのです。
覚悟を決めますっ!
「あの、さ、さきほどは……すぐに返事ができなくて、申し訳ありませんでした……っ!」
そう言ってしっかりと頭を下げる。
「しかも、理由も言わずにただ、あやまるだけなんて……不愉快に、させてしまいましたよね。本当に、申し訳ありませんでした!」
やっと、やっと言えました。
よかった……
つっかえながらですが、やっと言えたことに安心してホッと息をつく。
けれど、いつまで経っても反応がありません。
まさか、僕はまたこの方を不愉快にさせるようなことをしてしまったんじゃ!?
そう思って慌てて顔を上げれば、僕を凝視しているあの方と目が合いました。
えっと、不愉快にさせたわけではなさそうですが──
いったい、どうしたのでしょう?
「あの、どうかされましたか?」
体調でも悪くなったのかと心配になって、そう声をかけながら伺い見る。
「いえ、大丈夫です」
「そう、ですか?」
顔色は……なんてちらちら見ていると、どこかぎこちない笑顔でそう返事をされました。
ぎこちなくてもちゃんとした笑顔を見せてくれて少し嬉しくなりましたが、やはり無理をしているのではないかと心配になる。
「あの、具合が悪いとかありましたら、遠慮なく言ってくださいね? 僕、すぐに寮監さんを呼びに行きますから!」
「……ありがとうございます。本当に大丈夫ですから」
そう言ってあの方は、僕の頭を撫でようとしてくれたのか優しく笑って手を伸ばしてきました。
でも──
「──っ」
「あ……っ」
僕は思わずその手を叩き払ってしまいました。
嫌だったわけじゃありません。
ほとんど反射で、その優しい手を叩き払ってしまいました。
気まずい沈黙が、この場を支配する。
やっ、やってしまいました!
いくら人に触れられるのが苦手だからって、いきなり手を叩き払うなんてっ!
これはすぐにあやまらないと!!
「も、申し訳「すみま──「誰だぁー?!」
僕は慌ててあやまろうとしたのですが、その瞬間、バッターンと大きな音を立てて目の前の扉が開きました。
「ひゃ……っ!」
突然の大きな音に、僕は驚いて尻餅をつく。
な、なんですか!?
なにか起こったんですか!?
.
こ、怖いです;
でも、今度は謝るって決めたんです!
まずは、きっかけでも──
「えと……ぐ、偶然、ですね……」
「そうですね」
そう返すあの方はにこやかにしていますが……すごく、冷たいです。
あやまったら許して貰えるでしょうか?
いいえ、そんなこと思ってはいけません。
許してもらいたいからではなく、僕が悪いことをしたから謝るのです。
覚悟を決めますっ!
「あの、さ、さきほどは……すぐに返事ができなくて、申し訳ありませんでした……っ!」
そう言ってしっかりと頭を下げる。
「しかも、理由も言わずにただ、あやまるだけなんて……不愉快に、させてしまいましたよね。本当に、申し訳ありませんでした!」
やっと、やっと言えました。
よかった……
つっかえながらですが、やっと言えたことに安心してホッと息をつく。
けれど、いつまで経っても反応がありません。
まさか、僕はまたこの方を不愉快にさせるようなことをしてしまったんじゃ!?
そう思って慌てて顔を上げれば、僕を凝視しているあの方と目が合いました。
えっと、不愉快にさせたわけではなさそうですが──
いったい、どうしたのでしょう?
「あの、どうかされましたか?」
体調でも悪くなったのかと心配になって、そう声をかけながら伺い見る。
「いえ、大丈夫です」
「そう、ですか?」
顔色は……なんてちらちら見ていると、どこかぎこちない笑顔でそう返事をされました。
ぎこちなくてもちゃんとした笑顔を見せてくれて少し嬉しくなりましたが、やはり無理をしているのではないかと心配になる。
「あの、具合が悪いとかありましたら、遠慮なく言ってくださいね? 僕、すぐに寮監さんを呼びに行きますから!」
「……ありがとうございます。本当に大丈夫ですから」
そう言ってあの方は、僕の頭を撫でようとしてくれたのか優しく笑って手を伸ばしてきました。
でも──
「──っ」
「あ……っ」
僕は思わずその手を叩き払ってしまいました。
嫌だったわけじゃありません。
ほとんど反射で、その優しい手を叩き払ってしまいました。
気まずい沈黙が、この場を支配する。
やっ、やってしまいました!
いくら人に触れられるのが苦手だからって、いきなり手を叩き払うなんてっ!
これはすぐにあやまらないと!!
「も、申し訳「すみま──「誰だぁー?!」
僕は慌ててあやまろうとしたのですが、その瞬間、バッターンと大きな音を立てて目の前の扉が開きました。
「ひゃ……っ!」
突然の大きな音に、僕は驚いて尻餅をつく。
な、なんですか!?
なにか起こったんですか!?
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