安室透
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
気障な人 —安室 side—
ここ最近、常連と言ってもいいくらいポアロに足を運んでくれる女性がいる。初めはどこにでもいる一般人として認識していたのだが交わす言葉が多くなる度に彼女の人柄に触れ、もっと話してみたい、そう興味を抱くようになった。
そして今日も彼女はお昼に訪れる。
「いらっしゃいませ」
「今日も多いですね」
「お昼時ですから。メニューは何にされますか?」
「ではポアロ名物、美味しいサンドイッチで」
「かしこまりました」
カウンターに入り準備を始めた。彼女に視線を向ければ鞄から本を取り出して読み始める。本なんか読むなんて珍しい、そんな事を思って次に訪れたお客を彼女の隣に案内し本の題名を盗み見た。
—— その本は…
今話題になっている感動もので涙なしでは読めない、ネットやTVで好評されていたものだった。彼女の性格上、恐らく…
裏に入るとメモに自分の連絡先と一言を添えてポケットにしまう。これが必要になるかどうかは彼女次第……。
店内に戻りサンドイッチを作って彼女に届けるが読書に夢中になっているのか手をつけようとしない。その様子を時折観察していたが彼女の表情が徐々に硬くなるのが分かった。やはりそうなったか、と彼女に近付く。まだ店内にはお客が数人いる。中には若い男もいた。そんな奴らに彼女の泣き顔を見せる訳にはいかない、そんな使命感のような独占欲に近いようなものを感じながら話しかけた。
「食べなくていいんですか?」
わざと耳元で囁くように声をかけその隙に開いている本に先程走り書きをしたメモを挟んで本を取り上げる。彼女は驚いた様子で自分を見上げるがまつ毛についた涙が艶めき、潤んだ瞳で上目遣いときた。
—— っ!……人の気も知らないで、
本を…、そう言って差し出される彼女の手に本を乗せてさりげなく触れる。思っていたよりも小さく細い手に鼓動が速くなりもっと彼女に触れたくなった。が、まだ仕事中で彼女もまた同じ。それに気持ちすら伝えていないのに。
—— すっ飛ばし過ぎてるか…
その本は一人で読まない方がいい、秘密とでも言うようにジェスチャーをして踵を返す。視界の端で彼女が本を開いてメモに気付いたところを確認すれば彼女の目を冷やすために冷たいおしぼりを用意した。
彼女にそれを届ければまた涙を浮かべている。全く…メモにも書いたというのに、その証拠に彼女の存在に気付いた男性客がチラチラと彼女を見ていた。
「僕の前だけにしてと書いてあったでしょう」
そう言って彼女の視界をおしぼりで遮り耳元に顔を近づけた。
「ハルさん。あなたの泣き顔は世の男性達を魅了するようです。当然、僕もその一人……」
今夜連絡して下さい、耳元で低く囁けばピクリと反応する体。可愛らしいその初なものにクスリと小さく笑って彼女から離れる。そしてこちらを見ていた男性に勝ち誇ったように視線を送った。
「これからが楽しみだ」
彼女に背を向けた自分は降谷零の顔でそっと小さく呟き彼女は悩みながらも今夜連絡をしてくるだろう、そう確信をした。
ーーーー
お礼SSの元となった「whimsy room」の管理人、銀木セイ様のお話です。
↓
「気障な人」
本当に短時間で素敵なお話をありがとうございました!
この他にもガンダムSEEDや銀魂愛溢れる夢小説、一次創作で幕末を舞台にした新撰組のお話しなど魅力的なものがたくさんあって読み応え満載です!
R18やBLものもあります…(*´-`)♡
管理人の銀木セイ様も明るくて気さくでとても話しやすい方で私の進撃愛の熱いお話も沢山させていただいております♪
ぜひ足を運んでみて下さい(*´꒳`*)
※お邪魔される時はマナーを守って下さいね♡
ここ最近、常連と言ってもいいくらいポアロに足を運んでくれる女性がいる。初めはどこにでもいる一般人として認識していたのだが交わす言葉が多くなる度に彼女の人柄に触れ、もっと話してみたい、そう興味を抱くようになった。
そして今日も彼女はお昼に訪れる。
「いらっしゃいませ」
「今日も多いですね」
「お昼時ですから。メニューは何にされますか?」
「ではポアロ名物、美味しいサンドイッチで」
「かしこまりました」
カウンターに入り準備を始めた。彼女に視線を向ければ鞄から本を取り出して読み始める。本なんか読むなんて珍しい、そんな事を思って次に訪れたお客を彼女の隣に案内し本の題名を盗み見た。
—— その本は…
今話題になっている感動もので涙なしでは読めない、ネットやTVで好評されていたものだった。彼女の性格上、恐らく…
裏に入るとメモに自分の連絡先と一言を添えてポケットにしまう。これが必要になるかどうかは彼女次第……。
店内に戻りサンドイッチを作って彼女に届けるが読書に夢中になっているのか手をつけようとしない。その様子を時折観察していたが彼女の表情が徐々に硬くなるのが分かった。やはりそうなったか、と彼女に近付く。まだ店内にはお客が数人いる。中には若い男もいた。そんな奴らに彼女の泣き顔を見せる訳にはいかない、そんな使命感のような独占欲に近いようなものを感じながら話しかけた。
「食べなくていいんですか?」
わざと耳元で囁くように声をかけその隙に開いている本に先程走り書きをしたメモを挟んで本を取り上げる。彼女は驚いた様子で自分を見上げるがまつ毛についた涙が艶めき、潤んだ瞳で上目遣いときた。
—— っ!……人の気も知らないで、
本を…、そう言って差し出される彼女の手に本を乗せてさりげなく触れる。思っていたよりも小さく細い手に鼓動が速くなりもっと彼女に触れたくなった。が、まだ仕事中で彼女もまた同じ。それに気持ちすら伝えていないのに。
—— すっ飛ばし過ぎてるか…
その本は一人で読まない方がいい、秘密とでも言うようにジェスチャーをして踵を返す。視界の端で彼女が本を開いてメモに気付いたところを確認すれば彼女の目を冷やすために冷たいおしぼりを用意した。
彼女にそれを届ければまた涙を浮かべている。全く…メモにも書いたというのに、その証拠に彼女の存在に気付いた男性客がチラチラと彼女を見ていた。
「僕の前だけにしてと書いてあったでしょう」
そう言って彼女の視界をおしぼりで遮り耳元に顔を近づけた。
「ハルさん。あなたの泣き顔は世の男性達を魅了するようです。当然、僕もその一人……」
今夜連絡して下さい、耳元で低く囁けばピクリと反応する体。可愛らしいその初なものにクスリと小さく笑って彼女から離れる。そしてこちらを見ていた男性に勝ち誇ったように視線を送った。
「これからが楽しみだ」
彼女に背を向けた自分は降谷零の顔でそっと小さく呟き彼女は悩みながらも今夜連絡をしてくるだろう、そう確信をした。
ーーーー
お礼SSの元となった「whimsy room」の管理人、銀木セイ様のお話です。
↓
「気障な人」
本当に短時間で素敵なお話をありがとうございました!
この他にもガンダムSEEDや銀魂愛溢れる夢小説、一次創作で幕末を舞台にした新撰組のお話しなど魅力的なものがたくさんあって読み応え満載です!
R18やBLものもあります…(*´-`)♡
管理人の銀木セイ様も明るくて気さくでとても話しやすい方で私の進撃愛の熱いお話も沢山させていただいております♪
ぜひ足を運んでみて下さい(*´꒳`*)
※お邪魔される時はマナーを守って下さいね♡
1/3ページ