進撃の小言—生誕祭—
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・Happy Birthday!
グリシャ&カルラ・イェーガー夫妻
「いいか。俺が母さんの気を引いてる間に準備しとけよ」
「うん、任せてよエレン」
「私も準備頑張る」
「上手くいくといいね」
エレンの家の裏でコソコソと肩を寄せ合い話し合う四人の子どもたちの姿がそこにはあった。一人はこの家の子ども、エレンとその居候のミカサ。もう一人は金髪の男の子アルミン。そして三人と幼馴染のハルだ。
何を企んでいるのかと言うとエレンの両親の誕生日が近いためお祝いしようという事になった。しかもサプライズで。
「アルミンのお爺さん、こんにちは!」
ハルはお菓子担当で朝からアルミンの家にお邪魔して作業をしていた。お金がないからお菓子屋さんやパン屋さんに頭を下げて譲ってもらったり、お手伝いをしておすそ分けしてもらった材料を使ってカップケーキのような物を作っていた。ケーキは大きいし材料が足りないためだ。
家の中を甘い香りが漂う。
どうやら焼きあがったようで確認するととても美味しそうだった。
「うん!上出来!」
「ハル?どう?」
そこへアルミンがやって来た。
「いい感じに出来たよ!」
見て!、と満面の笑みでアルミンに見せる。
「わぁ!ほんとだ!美味しそう!」
アルミンはニコニコしながら褒めてくれた。
嬉しくなって「えへへ」と照れる。
アルミンが用意してくれた小袋にカップケーキを入れお爺さんにもらった紐でくくる。
「これでよしっ!」
上手い具合に出来て微笑んでいるとアルミンのお爺さんがやって来た。
「おぉ。よく出来ているな」
「そうでしょう?あ、これはお爺さんに!台所を貸してくれたお礼です!」
はい、と小袋の一つをお爺さんに渡すと嬉しいそうに微笑んでくれた。
「ありがとう。大事に頂くよ」
「うん!こちらこそありがとう!」
そう言って小袋二つを持つとアルミンと一緒に家を出てエレンの家に向かった。外は寒く雪が降りそうだ。
「ミカサは準備どうかな?」
「さっき見たときはいい感じになってたよ」
「そっか。早く行って手伝おう!エレンもいつまでもつか分かんないし」
そうだね、とアルミンが答えると走ってエレン家まで向かった。エレンの家に近付くと何やら話し声が聞こえた。
「だからまだ待ってくれよ!」
「もう。どうしたの?エレン。母さんは家の事をしなくちゃいけないの」
「いや、それよりも大事な事があるんだって!」
見ると家の外でエレンとおばさんがやんややんやと話していた。アルミンと顔を見合わせると慌てて近寄る。
「おばさん、こんにちは!」
「こんにちは!」
「あら!アルミンにハルじゃない!こんにちは。遊びに来たの?」
「いえ、おばさんを呼びに来たんです」
アルミンが何かを思いついたのか嘘をついている。
「あら、私を?」とおばさんが不思議そうに首を傾げている。
「うん。おじさんが来てほしいって呼んでたよ」
おじさん、エレンのお父さんは今離れた場所に出張に行っている。たまにおばさんの呼び出しがあることを知っていたため咄嗟にアルミンはそう言ったのだろう。
「そうなの?じゃあ、ちょっと行ってこようかしら」
「僕も行きます」
アルミンはすかさずついていくと言い自分に目配せしてきたのでコクンと頷いた。アルミン達の姿が見えなくなるとエレンが呟く。
「危なかったな」
「ほんとだよ。アルミンが居て良かった」
だな、とエレンがニカっと笑うと一緒に家の中に入った。中ではミカサが簡単ではあるが飾り付けをしていた。
「おぉ!なかなかいいね!」
「やるじゃねぇか、ミカサ」
エレンと二人で興奮しながら見るとミカサが照れている。そして残りの飾り付けを急いで終わらせるとミカサとエレンを残してアルミンの所へ向かった。
すると途中で姿を見かけたので声をかける。
「アルミーン!カルラおばさーん!」
大きく手を挙げて居場所を知らせる。
アルミンもこちらに気付いて手を振り返してくれた。
よく見るとエレンの父親も一緒だ。
近くまで来るとアルミンに話しかけられた。
「おばさんが呼ばれたのは僕の勘違いだったみたい」
えへへ、と頭をかいているアルミンを見てクスリと笑う。
「そっか。じゃあ、みんなでエレンのお家まで行こう!」
おばさんの手を引くと「あらあら」と笑っている。
おじさんもそれをニコニコと眺めていた。
エレンの家に着くとおじさんとおばさんを優先させて家の中に入れた。
「父さん!母さん!誕生日おめでとう!」
そこへエレンが勢いよく飛び出しておばさんに抱きついている。
「えぇ?どういうこと?…まぁ!家の中が!」
家の中の飾り付けを見ておばさんもおじそんも驚いている。エレン、ミカサ、アルミンと目配せするとニカッと笑って親指を立てる。みんなも笑ってサプライズ成功を喜んだ。
おじさんとおばさんを椅子に座らせるとミカサと一緒にあらかじめ作っておいた料理を出す。
「おじさん達をビックリさせようと思ってみんなで頑張ったんだよ?」
「そうだったの!みんなありがとう」
おばさんがみんなの頭をよしよしと撫でてくれ照れくさくなる。
「みんなありがとう。いい誕生日だ」
「グリシャおじさんは少し過ぎちゃったけど…」
「いや。みんなでこうやってお祝いしてくれたことに意味がある。過ぎていようが関係ないさ」
そう言って大きな手でポンっと頭を撫でる。
それからはみんなで料理を食べケーキの代わりに用意したカップケーキを渡した。
「まぁ!これをハルが作ったの?」
「うん。お菓子屋さんに聞いたんだ」
袋からカップケーキを取り出すとパクッと食べているおばさんとおじさん。口に入れると目を見開いて驚いている。
「どうかな…?」
「美味しいわ!凄いわね!」
「うん。なかなかの味だ」
おじさんもおばさんも喜んでくれて嬉しくなる。
「良かったな!ハル」
「やったね!」
「ハルすごい」
「えへへ」
みんなから褒められ嬉しくなる。
エレン達もそれぞれプレゼントを渡しとても暖かい時間が流れた。
日が暮れて来たのでアルミンと一緒にエレンの家を出ることに。
「ハル、本当にありがとう」
おばさんがぎゅっと抱きしめてくれ温かい。
自分も抱きしめ返すとおばさんに話しかけた。
「ううん。うちじゃみんなの誕生日をお祝いするから。エレンやミカサ、アルミンと仲良くなって私も嬉しいもの。いつもお世話になってるお礼だよ!」
「いつもありがと!誕生日おめでとう!」
ぎゅっとしがみつくとおばさんが鼻をすすってるのが聞こえてきた。
「ありがとう……これからもエレン達をよろしくね?」
「もちろん!任せてよ!」
顔を上げニコッと笑う。
体を離すと「またね!」と手を振って自宅へ帰る。
「アルミン、やったね!」
「うん!楽しかった!」
「私達も早く帰ろう」
アルミンと手を繋ぐと少し照れてるのが見えふふっと笑う。そして、走って家まで帰るのだった。
空にはオレンジの色の夕日が色付いており子ども達の顔を照らしていた。
Happy Birthday!
1月26日 グリシャ & 1月29日 カルラ
2019.1.29
グリシャ&カルラ・イェーガー夫妻
「いいか。俺が母さんの気を引いてる間に準備しとけよ」
「うん、任せてよエレン」
「私も準備頑張る」
「上手くいくといいね」
エレンの家の裏でコソコソと肩を寄せ合い話し合う四人の子どもたちの姿がそこにはあった。一人はこの家の子ども、エレンとその居候のミカサ。もう一人は金髪の男の子アルミン。そして三人と幼馴染のハルだ。
何を企んでいるのかと言うとエレンの両親の誕生日が近いためお祝いしようという事になった。しかもサプライズで。
「アルミンのお爺さん、こんにちは!」
ハルはお菓子担当で朝からアルミンの家にお邪魔して作業をしていた。お金がないからお菓子屋さんやパン屋さんに頭を下げて譲ってもらったり、お手伝いをしておすそ分けしてもらった材料を使ってカップケーキのような物を作っていた。ケーキは大きいし材料が足りないためだ。
家の中を甘い香りが漂う。
どうやら焼きあがったようで確認するととても美味しそうだった。
「うん!上出来!」
「ハル?どう?」
そこへアルミンがやって来た。
「いい感じに出来たよ!」
見て!、と満面の笑みでアルミンに見せる。
「わぁ!ほんとだ!美味しそう!」
アルミンはニコニコしながら褒めてくれた。
嬉しくなって「えへへ」と照れる。
アルミンが用意してくれた小袋にカップケーキを入れお爺さんにもらった紐でくくる。
「これでよしっ!」
上手い具合に出来て微笑んでいるとアルミンのお爺さんがやって来た。
「おぉ。よく出来ているな」
「そうでしょう?あ、これはお爺さんに!台所を貸してくれたお礼です!」
はい、と小袋の一つをお爺さんに渡すと嬉しいそうに微笑んでくれた。
「ありがとう。大事に頂くよ」
「うん!こちらこそありがとう!」
そう言って小袋二つを持つとアルミンと一緒に家を出てエレンの家に向かった。外は寒く雪が降りそうだ。
「ミカサは準備どうかな?」
「さっき見たときはいい感じになってたよ」
「そっか。早く行って手伝おう!エレンもいつまでもつか分かんないし」
そうだね、とアルミンが答えると走ってエレン家まで向かった。エレンの家に近付くと何やら話し声が聞こえた。
「だからまだ待ってくれよ!」
「もう。どうしたの?エレン。母さんは家の事をしなくちゃいけないの」
「いや、それよりも大事な事があるんだって!」
見ると家の外でエレンとおばさんがやんややんやと話していた。アルミンと顔を見合わせると慌てて近寄る。
「おばさん、こんにちは!」
「こんにちは!」
「あら!アルミンにハルじゃない!こんにちは。遊びに来たの?」
「いえ、おばさんを呼びに来たんです」
アルミンが何かを思いついたのか嘘をついている。
「あら、私を?」とおばさんが不思議そうに首を傾げている。
「うん。おじさんが来てほしいって呼んでたよ」
おじさん、エレンのお父さんは今離れた場所に出張に行っている。たまにおばさんの呼び出しがあることを知っていたため咄嗟にアルミンはそう言ったのだろう。
「そうなの?じゃあ、ちょっと行ってこようかしら」
「僕も行きます」
アルミンはすかさずついていくと言い自分に目配せしてきたのでコクンと頷いた。アルミン達の姿が見えなくなるとエレンが呟く。
「危なかったな」
「ほんとだよ。アルミンが居て良かった」
だな、とエレンがニカっと笑うと一緒に家の中に入った。中ではミカサが簡単ではあるが飾り付けをしていた。
「おぉ!なかなかいいね!」
「やるじゃねぇか、ミカサ」
エレンと二人で興奮しながら見るとミカサが照れている。そして残りの飾り付けを急いで終わらせるとミカサとエレンを残してアルミンの所へ向かった。
すると途中で姿を見かけたので声をかける。
「アルミーン!カルラおばさーん!」
大きく手を挙げて居場所を知らせる。
アルミンもこちらに気付いて手を振り返してくれた。
よく見るとエレンの父親も一緒だ。
近くまで来るとアルミンに話しかけられた。
「おばさんが呼ばれたのは僕の勘違いだったみたい」
えへへ、と頭をかいているアルミンを見てクスリと笑う。
「そっか。じゃあ、みんなでエレンのお家まで行こう!」
おばさんの手を引くと「あらあら」と笑っている。
おじさんもそれをニコニコと眺めていた。
エレンの家に着くとおじさんとおばさんを優先させて家の中に入れた。
「父さん!母さん!誕生日おめでとう!」
そこへエレンが勢いよく飛び出しておばさんに抱きついている。
「えぇ?どういうこと?…まぁ!家の中が!」
家の中の飾り付けを見ておばさんもおじそんも驚いている。エレン、ミカサ、アルミンと目配せするとニカッと笑って親指を立てる。みんなも笑ってサプライズ成功を喜んだ。
おじさんとおばさんを椅子に座らせるとミカサと一緒にあらかじめ作っておいた料理を出す。
「おじさん達をビックリさせようと思ってみんなで頑張ったんだよ?」
「そうだったの!みんなありがとう」
おばさんがみんなの頭をよしよしと撫でてくれ照れくさくなる。
「みんなありがとう。いい誕生日だ」
「グリシャおじさんは少し過ぎちゃったけど…」
「いや。みんなでこうやってお祝いしてくれたことに意味がある。過ぎていようが関係ないさ」
そう言って大きな手でポンっと頭を撫でる。
それからはみんなで料理を食べケーキの代わりに用意したカップケーキを渡した。
「まぁ!これをハルが作ったの?」
「うん。お菓子屋さんに聞いたんだ」
袋からカップケーキを取り出すとパクッと食べているおばさんとおじさん。口に入れると目を見開いて驚いている。
「どうかな…?」
「美味しいわ!凄いわね!」
「うん。なかなかの味だ」
おじさんもおばさんも喜んでくれて嬉しくなる。
「良かったな!ハル」
「やったね!」
「ハルすごい」
「えへへ」
みんなから褒められ嬉しくなる。
エレン達もそれぞれプレゼントを渡しとても暖かい時間が流れた。
日が暮れて来たのでアルミンと一緒にエレンの家を出ることに。
「ハル、本当にありがとう」
おばさんがぎゅっと抱きしめてくれ温かい。
自分も抱きしめ返すとおばさんに話しかけた。
「ううん。うちじゃみんなの誕生日をお祝いするから。エレンやミカサ、アルミンと仲良くなって私も嬉しいもの。いつもお世話になってるお礼だよ!」
「いつもありがと!誕生日おめでとう!」
ぎゅっとしがみつくとおばさんが鼻をすすってるのが聞こえてきた。
「ありがとう……これからもエレン達をよろしくね?」
「もちろん!任せてよ!」
顔を上げニコッと笑う。
体を離すと「またね!」と手を振って自宅へ帰る。
「アルミン、やったね!」
「うん!楽しかった!」
「私達も早く帰ろう」
アルミンと手を繋ぐと少し照れてるのが見えふふっと笑う。そして、走って家まで帰るのだった。
空にはオレンジの色の夕日が色付いており子ども達の顔を照らしていた。
Happy Birthday!
1月26日 グリシャ & 1月29日 カルラ
2019.1.29
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