あなたを描こう*
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3.
「ハンジが君に何か言ったんだな?別に君を悪いようにはしない。…だが、受け取り方次第では悪く思うかもしれないな…」
団長の言葉に目を見開く。団長は小さく笑い「改めて君に頼みがある」、真剣な顔になった団長に緊張が走った。
「私に頼みですか…?」
「そうだ。新たな任務、とでも言っておこうか。本日、君も知っての通り兵が一人怪我をした。幸い骨に異常はないようだがしばらく安静を言い渡されている」
きっとケイジさんの事だ。彼の容態に安堵しながら団長の言葉の続きに耳を傾ける。
「…君にはその穴埋めにハンジ班に入ってもらいたい。君の画力があれば問題ないだろう。絵描き手はいつもモブリットだがその補佐を頼むよ」
その話に目をまん丸とさせて一つ一つ内容を理解していった。自分があのハンジ班に入って絵を描く…?確かに任務でもスケッチをしてみたいと考えたことはあったがまさかのハンジ班に…。モブリットさんのスケッチの事は知っていたから状況が理解出来ると顔を綻ばせた。
「了解しました。不安はありますが精一杯務めを果たします」
団長を真っ直ぐに見据えて座ったまま背筋を伸ばし敬礼をする。
次の日から巨人の生態実験に参加することになり朝から大忙しだ。ハンジさんに今のを描いてくれ、急いでスケッチを!、と指示が矢継ぎ早にありとても追いつかない。何より実験自体を間近で見るのは初めてで恐怖が強い。それにハンジさんの狂気染みた姿に慣れず戸惑ってしまう。
昼餉の時間を少し過ぎた頃、未だ巨人に夢中になっているハンジさんを兵達が半ば無理やり引き離し休憩に入る。でも自分はまだ描けていない部分が残っているため記憶を頼りに目の前にいる巨人に怯えながらもスケッチに集中していた。
「まだ終わらないのかい?」
「ひょわぁ?!」
巨人に怯えていた事もあってか、いきなり背後から声をかけられすっとんきょんな声を出す。振り返るとモブリットさんが手元を覗き込みながらこちらを見ていた。
彼にまた変なところを見せてしまって恥ずかし過ぎる。穴があったら入りたい。
「みんな昼を済ませているよ。君も食べたらどうだい?」
「ありがとうございます。でもまだ終わってない部分があるので忘れないうちに描いておきたくて…」
今描いていたスケッチブックを持ち巨人に向き直る。
「どれ。見せてくれ」
「え?!そんな見せらえるようなものでは…!」
「何を言ってるんだ。ハンジさんの他に団長達幹部もみんな見る」
僕も君の描いたものに興味がある、そう言って笑う彼に渋々スケッチブックを渡す。
「よく描けてるじゃないか!自分の描く絵とはまた違うな…女性が描いているからか…?」
自分のスケッチブックを見ながら独り言を言っていた彼がいきなり自分の方を見ると目を輝かせながら話しかけてきた。
「本当によく描けているよ!分隊長の目に狂いはなかったようで安心だ!」
聞けばモブリットさんは自分の絵を見ていないそうで(ハンジさんが見せてくれなかったと)、興味があったとのこと。
「残りのスケッチを急いで終わらせてくれ。食事の時に僕の描いたものを見せるよ」
「いいんですか?!」
「勿論。同じ絵描き手だ。少しでも参考になれば作業も捗るかもしれない」
彼の言葉に興奮しつつ、急いで作業を終わらせると食堂へと向かった。
それからというもの、仕事の合間によくモブリットさんと絵について話をした。
「モブリットさんのスケッチ…本当に凄いです!」
「僕なんてまだまだだよ…分隊長は注文が多くてね…はぁ…」
ハンジさんとのやり取りを思い出しているのかため息をついているモブリットさん。けれど、何だかんだ言ってハンジさんの要望通りに描いているのだから本当にすごくて尊敬している。
「ハンジが君に何か言ったんだな?別に君を悪いようにはしない。…だが、受け取り方次第では悪く思うかもしれないな…」
団長の言葉に目を見開く。団長は小さく笑い「改めて君に頼みがある」、真剣な顔になった団長に緊張が走った。
「私に頼みですか…?」
「そうだ。新たな任務、とでも言っておこうか。本日、君も知っての通り兵が一人怪我をした。幸い骨に異常はないようだがしばらく安静を言い渡されている」
きっとケイジさんの事だ。彼の容態に安堵しながら団長の言葉の続きに耳を傾ける。
「…君にはその穴埋めにハンジ班に入ってもらいたい。君の画力があれば問題ないだろう。絵描き手はいつもモブリットだがその補佐を頼むよ」
その話に目をまん丸とさせて一つ一つ内容を理解していった。自分があのハンジ班に入って絵を描く…?確かに任務でもスケッチをしてみたいと考えたことはあったがまさかのハンジ班に…。モブリットさんのスケッチの事は知っていたから状況が理解出来ると顔を綻ばせた。
「了解しました。不安はありますが精一杯務めを果たします」
団長を真っ直ぐに見据えて座ったまま背筋を伸ばし敬礼をする。
次の日から巨人の生態実験に参加することになり朝から大忙しだ。ハンジさんに今のを描いてくれ、急いでスケッチを!、と指示が矢継ぎ早にありとても追いつかない。何より実験自体を間近で見るのは初めてで恐怖が強い。それにハンジさんの狂気染みた姿に慣れず戸惑ってしまう。
昼餉の時間を少し過ぎた頃、未だ巨人に夢中になっているハンジさんを兵達が半ば無理やり引き離し休憩に入る。でも自分はまだ描けていない部分が残っているため記憶を頼りに目の前にいる巨人に怯えながらもスケッチに集中していた。
「まだ終わらないのかい?」
「ひょわぁ?!」
巨人に怯えていた事もあってか、いきなり背後から声をかけられすっとんきょんな声を出す。振り返るとモブリットさんが手元を覗き込みながらこちらを見ていた。
彼にまた変なところを見せてしまって恥ずかし過ぎる。穴があったら入りたい。
「みんな昼を済ませているよ。君も食べたらどうだい?」
「ありがとうございます。でもまだ終わってない部分があるので忘れないうちに描いておきたくて…」
今描いていたスケッチブックを持ち巨人に向き直る。
「どれ。見せてくれ」
「え?!そんな見せらえるようなものでは…!」
「何を言ってるんだ。ハンジさんの他に団長達幹部もみんな見る」
僕も君の描いたものに興味がある、そう言って笑う彼に渋々スケッチブックを渡す。
「よく描けてるじゃないか!自分の描く絵とはまた違うな…女性が描いているからか…?」
自分のスケッチブックを見ながら独り言を言っていた彼がいきなり自分の方を見ると目を輝かせながら話しかけてきた。
「本当によく描けているよ!分隊長の目に狂いはなかったようで安心だ!」
聞けばモブリットさんは自分の絵を見ていないそうで(ハンジさんが見せてくれなかったと)、興味があったとのこと。
「残りのスケッチを急いで終わらせてくれ。食事の時に僕の描いたものを見せるよ」
「いいんですか?!」
「勿論。同じ絵描き手だ。少しでも参考になれば作業も捗るかもしれない」
彼の言葉に興奮しつつ、急いで作業を終わらせると食堂へと向かった。
それからというもの、仕事の合間によくモブリットさんと絵について話をした。
「モブリットさんのスケッチ…本当に凄いです!」
「僕なんてまだまだだよ…分隊長は注文が多くてね…はぁ…」
ハンジさんとのやり取りを思い出しているのかため息をついているモブリットさん。けれど、何だかんだ言ってハンジさんの要望通りに描いているのだから本当にすごくて尊敬している。