悲しみの向こう側に見つけたもの
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
2.
「あれ…ここは?」
「僕の自室です」
「わぁ!モブリットさん!」
「ぐっすり眠っていたので連れて来ました」
「す、すみません!仕事を…!」
ベッドから降りようとする彼女を引き止め横になったまま抱きしめる。
「大丈夫ですよ。今日の分はある程度終わりましたから。それよりも…」
彼女の瞼にキスをして視線が交わった後に唇を塞いだ。唇を離せば目をまん丸にさせて驚いてる彼女。
「急で申し訳ありませんが僕はあなたのことが好きです。僕の恋人になってくれませんか?」
彼女は顔を真っ赤にさせて口をパクパクさせている。
「僕ではいけないでしょうか?」
彼女の耳に顔を寄せるとそっと呟いた。
"僕がハルを守ろう。僕の側にいてほしい"
囁くと耳に吐息がかかったのか彼女の体がピクリと反応した。
ーー可愛らしい反応だ。
だが、今はまだ…
彼女のことを思い触れたい気持ちを我慢して体を離す。目の前にいる彼女は両手で顔を覆っており表情は分からないが恐らく顔を真っ赤にさせているに違いない。その手を取り顔が見えるようにすると彼女は恥ずかしそうにコクリと頷き「私でよければ恋人にして下さい」と小さな声が聞こえおでこをくっつけた。
「では私達は恋人同士だ」
おでこを離して彼女の瞳を見つめた後、ゆっくり顔を近付けその小さな唇にそっと口付けをした。
長く優しく、彼女へ気持ちが伝わるように熱いキスを。
あの時自分が馬の手綱を引いていなければ、
むしろあんな酷い事故がなければ彼女とは恋人にはなっていなかっただろう。
「ハル。これからよろしく」
そう言えば彼女も今までで一番いい笑顔を見せて頷いてくれる。その笑顔に心が奪われたのは自分だけの秘密だ。
人類のために心臓を捧げる調査兵団。
悲しみと常に隣り合わせの兵士達。
そんな中でも悲しみの向こう側で見つけたもの。
それは二人の小さな幸せ…
明日のことなど誰にも分からないが二人を別つその時まで時間が許せる限り共に過ごそう。
モブリットは彼女をそっと抱き寄せその温もりを感じた。
悲しみの向こう側に見つけたもの
fin.
2019.2.17
「あれ…ここは?」
「僕の自室です」
「わぁ!モブリットさん!」
「ぐっすり眠っていたので連れて来ました」
「す、すみません!仕事を…!」
ベッドから降りようとする彼女を引き止め横になったまま抱きしめる。
「大丈夫ですよ。今日の分はある程度終わりましたから。それよりも…」
彼女の瞼にキスをして視線が交わった後に唇を塞いだ。唇を離せば目をまん丸にさせて驚いてる彼女。
「急で申し訳ありませんが僕はあなたのことが好きです。僕の恋人になってくれませんか?」
彼女は顔を真っ赤にさせて口をパクパクさせている。
「僕ではいけないでしょうか?」
彼女の耳に顔を寄せるとそっと呟いた。
"僕がハルを守ろう。僕の側にいてほしい"
囁くと耳に吐息がかかったのか彼女の体がピクリと反応した。
ーー可愛らしい反応だ。
だが、今はまだ…
彼女のことを思い触れたい気持ちを我慢して体を離す。目の前にいる彼女は両手で顔を覆っており表情は分からないが恐らく顔を真っ赤にさせているに違いない。その手を取り顔が見えるようにすると彼女は恥ずかしそうにコクリと頷き「私でよければ恋人にして下さい」と小さな声が聞こえおでこをくっつけた。
「では私達は恋人同士だ」
おでこを離して彼女の瞳を見つめた後、ゆっくり顔を近付けその小さな唇にそっと口付けをした。
長く優しく、彼女へ気持ちが伝わるように熱いキスを。
あの時自分が馬の手綱を引いていなければ、
むしろあんな酷い事故がなければ彼女とは恋人にはなっていなかっただろう。
「ハル。これからよろしく」
そう言えば彼女も今までで一番いい笑顔を見せて頷いてくれる。その笑顔に心が奪われたのは自分だけの秘密だ。
人類のために心臓を捧げる調査兵団。
悲しみと常に隣り合わせの兵士達。
そんな中でも悲しみの向こう側で見つけたもの。
それは二人の小さな幸せ…
明日のことなど誰にも分からないが二人を別つその時まで時間が許せる限り共に過ごそう。
モブリットは彼女をそっと抱き寄せその温もりを感じた。
悲しみの向こう側に見つけたもの
fin.
2019.2.17
2/2ページ