あんたの温もりがいい
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6.*
「兵長?」
質問をしたのに彼から何の反応もないため不思議に思いマントからチラリと顔を除くとスヤスヤと眠っていた。
ーーあまり眠れなかったのかな…
そりゃそうだよね。
いきなり体が小さくなったんだもの。
むしろそんなことが起きうるのかってまだ驚いてるところなのに…
彼の身に起きた出来事を考えると常識の範疇を超えており自分には想像が出来ないが辛いだろうということだけは分かった。
ーーーー
昨日、調査兵団本部での訓練や勤務を終えて帰宅しようと急いでいたら柱の影から小さく動くものに驚き立ち止まろうとしたがぶつかってしまった。
何とぶつかったか確認したらなんと小さな男の子で更に驚いた。
見た目は3歳児ぐらいだろうか。服が大人用の襟付きシャツを着ておりブカブカだった。迷子かと思い家族を探すため連れて帰ることに。
抱っこしてよくよく顔を見ると誰かに似ている。
それが誰かはすぐに考えが至らなかった。男の子が外を指差すので家族がいると思ってそちらに気が逸れたからだ。しかし家族はおらず自室に男の子を連れていき明日非番であることを念のため班長に伝えてまた戻ると、その男の子が片足をベッドに上げてそこに腕を預けて座っていた。
それを見てハッと思い出した。
その姿は我が兵団の主力でもある人類最強の兵士、リヴァイ兵士長にそっくりだったからだ。弟がいるとか家族の話は聞いたことがないので隠し子?!っと興奮したが男の子はあからさまに機嫌を悪くしていたため泣かれては困るとそれ以上は何も言わなかった。
「イバイ」
名前を聞くとイバイと名乗った。
ーー名前もリヴァイ兵長みたい
心の中でそう思うとクスリと小さく笑った。
家に連れて帰ってご飯やシャワーまで済ませてベッドに一緒に入った。イバイは眠れないのか人肌が恋しいのか自分の体を触ってきていた。
ーーまだお母さんが恋しい年齢だもんね…
男の子が寂しくないように抱き締めると背中をポンポンっと叩きながら子守唄を歌った。歌い終わる頃には男の子から寝息が聞こえ眠ったことを確認すると自分も眠りに落ちた。
「おい……」
「…起きやがれ」
誰かに体を揺すられ意識が浮上する中低い男性のような声が聞こえる。自分の側にいるのはイバイという小さな男の子のはずなのに。
目を開けて確認すると自分の目を疑った。
自分をじっと見つめる、いや鋭い眼光を送る三白眼の持ち主の彼が目の前にいるからだ。
驚いて声を出そうとすると手で口を押さえられ「静かにしろ」と睨まれる。
「いいか。これは誰にも言うな」
「えっと…なんで兵長がここに…?」
「馬鹿か?今まで一緒に居ただろうが」
「えっ…じゃあ…もしかして、イバイ、くん…?」
「あぁ」
大人しくなった自分から手を離し彼と会話をする。
あの小さな男の子イバイの正体は彼だということを知り今日のことを思い返して頭の中が混乱する。
ーーえっ、待って。
じゃあ、兵長の悪口を本人に言ってしまって…
シャワーも一緒に……
悪口よりもシャワーの事で頭の中がいっぱいになり焦る。
「じゃ、じゃあ…シャワーの時…」
「見た。不本意だが」
「なっ…?!」
嘘でもいいから見てないと言って欲しいと願わずにはいられなかった。けれど、彼は「見た」と正直に認め心中落ち着かない。声を出そうとしたその時、背後で弟の起きる気配がしてそちらを向く。
騒がしくしてしまったかと心配になり弟に声をかけ寝かしつけた。弟がいる寝たのを確認すると反対側にいる彼の方に向き直るが思ったより距離が近くて少し離れた。
窓から入る月明かりに彼の顔が照らされこちらを見るその表情はいつもの無表情だがベッドの上で向かい合って横になってるこの状況を考えるとトクンと体が脈を打つのを感じた。
それを誤魔化すためにもそもそも何故こんなことになったのか尋ねるとハンジ分隊長の仕業だと彼は言った。
ーーなるほど…ハンジさんの…
ハンジは巨人に目がなく研究熱心だがそれ故なのかその情熱を時折人に向けることがあると噂に聞く。現に先輩達の中でハンジの実験に付き合わされて酷い思いをしたとかしてないとか。そのため彼の話を聞いて妙に納得してしまった。
しかし団長はその彼女にも信頼をおいているようで団長、兵長、ハンジの姿はよく一緒にいるのを見かけたことがあった。そこで二人はここにいるのを知っているか尋ねると知らないと言うので焦る。だが、彼は自分の判断でここに来たという風に話し、「大丈夫だ」と彼の瞳も安心しろと言っているように感じて嬉しくなる。そのためホッと胸を撫で下ろし彼に微笑むと腕を引かれて彼の胸に顔がぶつかった。
ーーえ?何…?今…抱きしめられてる…?
突然のことに戸惑っていると「声を抑えろ」と声がして従うしかなかった。彼は耳のあたりに顔を埋めると甘噛みをしてくるではないか。体に緊張とくすぐったいような感覚が走る。
「んっ…ふっ……」
ーーやだっ…
久しぶり過ぎてちょっとのことで体が…
声が漏れそうになるため口をきつく結んで我慢し涙目になりながら彼からの刺激に耐える。何故彼が自分にこんなことをするのか…考えを巡らせようとするけど彼の吐息が耳にかかり思考が止まってしまう。
「へ、へいちょ……んっ…」
堪らず目を閉じて彼を呼んだ。
「悪い」
するとスッと彼が離れ詫びを入れる彼。
「い、いえ…驚いただけです…」
「初めてなんだろ。大事にしろ」
「初めてではないです」
「あ?なら抱いてほしかったのか?」
「ち、ちがっ!」
「うるせぇ」
抱いて欲しかったのかと聞かれ動揺して大きな声が出そうになりまた彼の手で口が塞がれる。
ーーこんな間近に兵長の顔があるなんて…
「まさか兵長とこんなことになるとは…」
心の声が漏れたのだろう。
彼もまたそれに対して「同感」「ガキ」というワードを含めて答えガキという言葉に対してムクれガキではないことを伝えた。
「体は、な」
体はガキではないと言う彼。
それはシャワーの時に見たことを示しており恥ずかしくなるのと同時に更にムクれてしまう。
「……兵長って意地悪ですね…」
「あ?思ったこと言ってるだけだろうが」
「じゃあ、乙女心が分かってないんです」
「…言いたいことはそれだけか…?」
彼の事を意地悪だの分かってないなど言うと機嫌を損ねたのか眉間の皺が深く溝を作ってジロリとひと睨みされた。
「えっと…ご、ごめんなさい…」
「いや。だめだ」
「そ、そんな…!」
「きっちり払ってもらう」
「兵長…ほんとにごめんなさい!」
怒った彼が何をするかなんて想像がつかない。
これからの訓練や調査でこき使われるんじゃないかと想像して冷や汗が出る。
「まぁ今は何もしねぇが…」
あわあわと焦っていると彼の声が聞こえ耳を傾けた瞬間、急に頭を引き寄せられ耳に彼の吐息がかかった。
"次は覚悟しておくんだな"
耳元で甘く囁かれその発言の意図を理解すると顔を真っ赤にしてしまう。
ーーそれってそういうことなんだよね…
心臓がバクバクと脈を打ち落ち着かない。
「寝るぞ」
その後彼は何もせず一言そう言ってそっと抱きしめられた。彼の鼓動を耳にしていると段々と瞼が重たくなってくる。
ーーこのまま彼の体が元に戻りますように…
意識を手放そうとする中、彼の事を思ってそう願ったのだった。
「兵長?」
質問をしたのに彼から何の反応もないため不思議に思いマントからチラリと顔を除くとスヤスヤと眠っていた。
ーーあまり眠れなかったのかな…
そりゃそうだよね。
いきなり体が小さくなったんだもの。
むしろそんなことが起きうるのかってまだ驚いてるところなのに…
彼の身に起きた出来事を考えると常識の範疇を超えており自分には想像が出来ないが辛いだろうということだけは分かった。
ーーーー
昨日、調査兵団本部での訓練や勤務を終えて帰宅しようと急いでいたら柱の影から小さく動くものに驚き立ち止まろうとしたがぶつかってしまった。
何とぶつかったか確認したらなんと小さな男の子で更に驚いた。
見た目は3歳児ぐらいだろうか。服が大人用の襟付きシャツを着ておりブカブカだった。迷子かと思い家族を探すため連れて帰ることに。
抱っこしてよくよく顔を見ると誰かに似ている。
それが誰かはすぐに考えが至らなかった。男の子が外を指差すので家族がいると思ってそちらに気が逸れたからだ。しかし家族はおらず自室に男の子を連れていき明日非番であることを念のため班長に伝えてまた戻ると、その男の子が片足をベッドに上げてそこに腕を預けて座っていた。
それを見てハッと思い出した。
その姿は我が兵団の主力でもある人類最強の兵士、リヴァイ兵士長にそっくりだったからだ。弟がいるとか家族の話は聞いたことがないので隠し子?!っと興奮したが男の子はあからさまに機嫌を悪くしていたため泣かれては困るとそれ以上は何も言わなかった。
「イバイ」
名前を聞くとイバイと名乗った。
ーー名前もリヴァイ兵長みたい
心の中でそう思うとクスリと小さく笑った。
家に連れて帰ってご飯やシャワーまで済ませてベッドに一緒に入った。イバイは眠れないのか人肌が恋しいのか自分の体を触ってきていた。
ーーまだお母さんが恋しい年齢だもんね…
男の子が寂しくないように抱き締めると背中をポンポンっと叩きながら子守唄を歌った。歌い終わる頃には男の子から寝息が聞こえ眠ったことを確認すると自分も眠りに落ちた。
「おい……」
「…起きやがれ」
誰かに体を揺すられ意識が浮上する中低い男性のような声が聞こえる。自分の側にいるのはイバイという小さな男の子のはずなのに。
目を開けて確認すると自分の目を疑った。
自分をじっと見つめる、いや鋭い眼光を送る三白眼の持ち主の彼が目の前にいるからだ。
驚いて声を出そうとすると手で口を押さえられ「静かにしろ」と睨まれる。
「いいか。これは誰にも言うな」
「えっと…なんで兵長がここに…?」
「馬鹿か?今まで一緒に居ただろうが」
「えっ…じゃあ…もしかして、イバイ、くん…?」
「あぁ」
大人しくなった自分から手を離し彼と会話をする。
あの小さな男の子イバイの正体は彼だということを知り今日のことを思い返して頭の中が混乱する。
ーーえっ、待って。
じゃあ、兵長の悪口を本人に言ってしまって…
シャワーも一緒に……
悪口よりもシャワーの事で頭の中がいっぱいになり焦る。
「じゃ、じゃあ…シャワーの時…」
「見た。不本意だが」
「なっ…?!」
嘘でもいいから見てないと言って欲しいと願わずにはいられなかった。けれど、彼は「見た」と正直に認め心中落ち着かない。声を出そうとしたその時、背後で弟の起きる気配がしてそちらを向く。
騒がしくしてしまったかと心配になり弟に声をかけ寝かしつけた。弟がいる寝たのを確認すると反対側にいる彼の方に向き直るが思ったより距離が近くて少し離れた。
窓から入る月明かりに彼の顔が照らされこちらを見るその表情はいつもの無表情だがベッドの上で向かい合って横になってるこの状況を考えるとトクンと体が脈を打つのを感じた。
それを誤魔化すためにもそもそも何故こんなことになったのか尋ねるとハンジ分隊長の仕業だと彼は言った。
ーーなるほど…ハンジさんの…
ハンジは巨人に目がなく研究熱心だがそれ故なのかその情熱を時折人に向けることがあると噂に聞く。現に先輩達の中でハンジの実験に付き合わされて酷い思いをしたとかしてないとか。そのため彼の話を聞いて妙に納得してしまった。
しかし団長はその彼女にも信頼をおいているようで団長、兵長、ハンジの姿はよく一緒にいるのを見かけたことがあった。そこで二人はここにいるのを知っているか尋ねると知らないと言うので焦る。だが、彼は自分の判断でここに来たという風に話し、「大丈夫だ」と彼の瞳も安心しろと言っているように感じて嬉しくなる。そのためホッと胸を撫で下ろし彼に微笑むと腕を引かれて彼の胸に顔がぶつかった。
ーーえ?何…?今…抱きしめられてる…?
突然のことに戸惑っていると「声を抑えろ」と声がして従うしかなかった。彼は耳のあたりに顔を埋めると甘噛みをしてくるではないか。体に緊張とくすぐったいような感覚が走る。
「んっ…ふっ……」
ーーやだっ…
久しぶり過ぎてちょっとのことで体が…
声が漏れそうになるため口をきつく結んで我慢し涙目になりながら彼からの刺激に耐える。何故彼が自分にこんなことをするのか…考えを巡らせようとするけど彼の吐息が耳にかかり思考が止まってしまう。
「へ、へいちょ……んっ…」
堪らず目を閉じて彼を呼んだ。
「悪い」
するとスッと彼が離れ詫びを入れる彼。
「い、いえ…驚いただけです…」
「初めてなんだろ。大事にしろ」
「初めてではないです」
「あ?なら抱いてほしかったのか?」
「ち、ちがっ!」
「うるせぇ」
抱いて欲しかったのかと聞かれ動揺して大きな声が出そうになりまた彼の手で口が塞がれる。
ーーこんな間近に兵長の顔があるなんて…
「まさか兵長とこんなことになるとは…」
心の声が漏れたのだろう。
彼もまたそれに対して「同感」「ガキ」というワードを含めて答えガキという言葉に対してムクれガキではないことを伝えた。
「体は、な」
体はガキではないと言う彼。
それはシャワーの時に見たことを示しており恥ずかしくなるのと同時に更にムクれてしまう。
「……兵長って意地悪ですね…」
「あ?思ったこと言ってるだけだろうが」
「じゃあ、乙女心が分かってないんです」
「…言いたいことはそれだけか…?」
彼の事を意地悪だの分かってないなど言うと機嫌を損ねたのか眉間の皺が深く溝を作ってジロリとひと睨みされた。
「えっと…ご、ごめんなさい…」
「いや。だめだ」
「そ、そんな…!」
「きっちり払ってもらう」
「兵長…ほんとにごめんなさい!」
怒った彼が何をするかなんて想像がつかない。
これからの訓練や調査でこき使われるんじゃないかと想像して冷や汗が出る。
「まぁ今は何もしねぇが…」
あわあわと焦っていると彼の声が聞こえ耳を傾けた瞬間、急に頭を引き寄せられ耳に彼の吐息がかかった。
"次は覚悟しておくんだな"
耳元で甘く囁かれその発言の意図を理解すると顔を真っ赤にしてしまう。
ーーそれってそういうことなんだよね…
心臓がバクバクと脈を打ち落ち着かない。
「寝るぞ」
その後彼は何もせず一言そう言ってそっと抱きしめられた。彼の鼓動を耳にしていると段々と瞼が重たくなってくる。
ーーこのまま彼の体が元に戻りますように…
意識を手放そうとする中、彼の事を思ってそう願ったのだった。