物語の続きを君と
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7.
店主 side
歳老いた老人店主は店のカウンターに座ると彼女と彼の事を考えていた。
彼らは幾度も店に訪れていたが毎回と言っていいほど同じタイミングだった。初めは二人のお忍びかと思われたが見ている限りそんな様子は全くなく赤の他人だと気付く。だが、彼らを見ていると心が落ち着いた。何故かは分からぬが見ていてとても安心するのだ。
──そうか…彼らは導かれてここに来ておるのだな
彼は調査兵団に所属しており訓練兵の時から知っている。仲良くなるといつも外の世界の本がないかコソッと耳打ちして聞いてきていた。またこの壁内の歴史書もよく懲りずに読んでいるのも見かけたことがある。外と内の両方に強い興味を抱いている青年に自分も気になっていた。
彼が調査兵に入ってしばらく経つと本のことも聞かなくなり彼は何かに取り憑かれたように纏う空気が変わっていった。物腰は柔らかいがその瞳の奥に秘めたものを持っている。
一方、彼女もまた貴族でありながら物腰が柔らかくとても優しいお嬢さんで外の世界に興味を抱いていた。ふとした事からそんな話をしたのを思い出す。
──似た者同士というわけじゃな
今、また、ここに二人が店内に来ている。
二人が興味を示しそうな本をわざと棚に置いて様子を伺った。
「あ、」
声がして二人が互いを認識したのがわかり小さく微笑んだ。
──これからどうなるか
老い先短いわしの楽しみが増えた。彼らのことを温かく見守ろう、必要とあらば助言をしていこう、そう心に決め小さく微笑んだ。
店主 side
歳老いた老人店主は店のカウンターに座ると彼女と彼の事を考えていた。
彼らは幾度も店に訪れていたが毎回と言っていいほど同じタイミングだった。初めは二人のお忍びかと思われたが見ている限りそんな様子は全くなく赤の他人だと気付く。だが、彼らを見ていると心が落ち着いた。何故かは分からぬが見ていてとても安心するのだ。
──そうか…彼らは導かれてここに来ておるのだな
彼は調査兵団に所属しており訓練兵の時から知っている。仲良くなるといつも外の世界の本がないかコソッと耳打ちして聞いてきていた。またこの壁内の歴史書もよく懲りずに読んでいるのも見かけたことがある。外と内の両方に強い興味を抱いている青年に自分も気になっていた。
彼が調査兵に入ってしばらく経つと本のことも聞かなくなり彼は何かに取り憑かれたように纏う空気が変わっていった。物腰は柔らかいがその瞳の奥に秘めたものを持っている。
一方、彼女もまた貴族でありながら物腰が柔らかくとても優しいお嬢さんで外の世界に興味を抱いていた。ふとした事からそんな話をしたのを思い出す。
──似た者同士というわけじゃな
今、また、ここに二人が店内に来ている。
二人が興味を示しそうな本をわざと棚に置いて様子を伺った。
「あ、」
声がして二人が互いを認識したのがわかり小さく微笑んだ。
──これからどうなるか
老い先短いわしの楽しみが増えた。彼らのことを温かく見守ろう、必要とあらば助言をしていこう、そう心に決め小さく微笑んだ。