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あなたの側で ●**

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2.

早朝、気怠い体を起こして準備を済ませると集合場所に向かい最終会議で段取りを確認すると馬に乗って持ち場へ向かった。自分は後方に待機し必要とあればエレンたちを乗せた馬車を牽引する役目を任された。

「これは隊長からの命令だ」

そう言われてしまえば何も言えなくなるので「了解!」と答えた。


そして先程銃声が聞こえ作戦が始まったことを知る。

ーー隊長…どうか無事で…

それから少し離れた場所で銃声が何発も聞こえ心中は落ち着かない。持ち場を離れる訳にもいかずグッとこらえた。しばらくすると馬車が見え追いかける。

「うぁぁあ!」

声がしてそちらを見ると仲間が誰かにヤラれ道に落ちるのが見えた。

ーー…っっ!あれは……リヴァイっ!!

応戦しようと彼の方を向いて銃口を向けるが何故か躊躇してしまう。彼もまたブレードを構えて斬りこもうとしているのが見えた。

ーー『死ぬなよ』

その時目の前の男の姿が何故か彼と重なり彼の言葉が頭をよぎる。銃を下ろすと寸でのところでリヴァイの攻撃を避けた。彼の驚いている顔が見えたが気にせず横に逸れて行く。彼はそれ以上は追ってこず自分は遠回りしながら馬車を追いかけた。

そして門の近くまで来ると相手が退きその瞬間を逃さず馬車に乗り移った。仲間も何人か乗り込むとそのまま馬を走らせる。彼らは追って来なかった。

馬を北の方へ向かって走らせロッド・レイス卿と待ち合わせの場所へと着く。なんとか無事ここまで辿り着くことが出来て一安心する。リヴァイと応戦した時のことを思い出した。

ーーあの時何故彼の姿と重なったんだろうか…

不思議な気持ちになりながらその日の夜を迎えた。

翌日になると被害状況がよく分かった。
リヴァイは十数名の命を奪い未だ逃げているとのこと。
自分達はレイス卿の領地に入りリヴァイ達調査兵を迎撃するための準備に取り掛かった。隊長とは会えておらず安否が気になる。だが、隊長の話が出ないと言うことはまだ無事だということ。
自分は奥の入り口に待機することになった。それも隊長命令だと言うので驚く。

ーーほんとに前線から外れてるわ…

小さく苦笑すると彼のことを想う。
他の兵士達とその時が来るのを待つ。
抜け道から上の様子を見に行った兵士が夜になった事を知った。そして遠くから複数の灯りが向かってると報告があり恐らく彼らが着いたのだと推測できた。

近くにいる兵士達と目配せすると頷き緊張が走る。
そしてどれくらい時間が経ったか急に爆音がした。
すると奥から彼が飛んで来るのが見え一瞬目が合うと行ってしまった。

ーー隊長……

自分も前線に行きたかったがそれは叶わない。
彼やみんなの無事を祈るしかなかった。
3,4回爆音が聞こえたと思ったらアンカーの射出する音が聞こえ仲間がこちらへやって来た。
最後に彼が飛んで来るがお腹を手で押さえている。

怪我をしたのだと分かり追いかけようとするが仲間の兵士に止められた。

ハル!持ち場を離れるな!」
「でも!!」
「隊長なら大丈夫だ!」

唇を噛み締め彼の元へ追いかけたい気持ちを我慢した。

ーー隊長……ケニー…どうか無事で…

そして後退場所まで移動して彼らが来るのを待つ。
と、奥の方で閃光がして辺りを一瞬眩く照らした。
何事かと周囲を見渡していると天井が揺れ始めた。
みんなが奥へ移動するため自分も向かおうとするが入り口の方から微かに声が聞こえそちらに目を向ける。
姿は見えないが彼らはすぐそこまで来ているのだ。
それを知らせようと自分も奥へと向かう。

しかし何だか様子がおかしい。
周りが揺れ天井から何かが落ちてくる。

ーーこれこのままじゃ閉じ込められるんじゃ…

その時前方で彼の姿と仲間達が岩などの土砂に巻き込まれるのが見え一瞬で青ざめる。だがこのまま先には進めない。自分は横へそれ壁の方へと向かうが頭に何かが当たり地面に落ちてしまう。手で頭を押さえて起き上がるも岩などの土砂が雨のように降ってきて押し潰される。
自分は死んだと思った。

ーーやっぱりあの時彼を追いかければ…

そんな事を考えていると目の前が真っ暗になって意識をなくした。



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