雨宿り**
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雨宿り4
ザァーっと雨の降りしきる音が耳に届く。
「起きたか」
ボーっとする頭で瞼を開ければリヴァイ兵長に声をかけられた。
「わたし……」
「気絶だ。無理させちまったな」
すまねぇ、と彼が謝るので慌てて首を振った。
「いえ!謝らないで下さい!」
身体が横を向いているため俯くと裸が見えて先程までの行為を思い出し頬を染めた。そしてある事を思い出し顔をあげる。
「あの…俺のもんになれって言ってましたよね?あれはどういう……?」
「そのままの意味だ」
「それって…リヴァイ兵長のものになったらどうなるのですか…?」
彼のものになるという事は恋人になるという事なのか、それともそんな感情なんてなくてただこういう事 をするためだけに言ってるのか彼の考えている事が分からなかった。
「てめぇはどうしたい」
彼からどうしたいかを尋ねられ視線を落とす。
「どうしたい……それはもちろん側に居たい、です。リヴァイ兵長のお側で働けたら…とても名誉な事ですから」
彼の目を見て話せば何故か抱きしめられた。
お互いまだ裸で直に相手の温もりが伝わって恥ずかしくくすぐったい。
「あの…」
「それは兵士としてだろうが。ハル、一人の女としてどうしたい?」
口調はいつも通りだが声色は穏やかな印象を受けた。
ーー女として……?それって……
その意味が分かった時、鼓動が速くなる。
彼の事はつい先程までは上司としてしか見ていなかったが、一度抱かれただけで身体も心も彼から離れ難くなってしまった。
「女として…リヴァイ兵長の側に居たい、です…」
「俺も同じだ。男としててめぇを離したくない。もうだいぶ前からな」
「えっ?!」
前から、と言う彼の言葉に耳を疑った。いつから彼は自分の事を見ていたのだろうか。聞きたいことが山ほどあった。
「あのメガネからあんたの話は聞いていた。面白い子がいる、とな」
ーーハンジさん……
そういえばここの所、リヴァイ兵長とはどうなのか度々聞かれた事があったのを思い出した。どうもこうも何もなっていない事を伝えると毎度残念そうにするので不思議に思っていたのだ。
「じゃあ、ハンジさんの話で気になって私のことを見ていたんですか?」
「ああ、そうだ」
「なんか恥ずかしいですね…というか見られていることに全然気が付かなかった…」
「当たり前だ。俺を誰だと思っていやがる」
「そう、ですね…あれ?でも今日は?」
それならば今日の事は偶然ではないという事なのか。そうだとしたらなんだかちょっとだけ恐ろしい気がするのは気のせいだろうか。
「おかしな事を考えるんじゃねぇ。今日会ったのはたまたまだ。まぁでも休みで買い物に行く事はあらかじめ知っていたが」
それでも会えるとは思っちゃいねぇよ、と言葉を続けるのでどこまで本当なのか分からないが裏を返せば会えるかもしれないと思って街に来たということ。街を歩いている彼の姿を想像して顔が綻ぶ。
「兵長……嬉しいです…これっきりだと思ったから…おかしな話ですが身体を重ねてから兵長から離れ難くなってしまって…」
「おかしなことじゃねぇ。惚れさせるために抱いたんだ。そうなるのは当たり前だ」
彼の言葉に頬を染めると胸に擦り寄った。
「リヴァイ兵長…私を見てくれてありがとうございます」
「あぁ」
その後もまた抱かれるのだが時間をかけて愛されその甘い彼に酔ってしまったのだった。
雨は既にやんでおり雲が晴れて月の明かりが窓から差し込んでいた。
ーーーーーーーーーーーー
「これをやる」
彼と恋人になって数日後のこと。
今は彼の執務室にお茶を淹れに来ていたが急に何かを差し出された。それを受け取り彼を見た。
「開けても?」
「構わん」
何だろうと少しドキドキしながら包み紙を取り除くと中からガラスで出来た小物入れだった。
「こ、これ!」
「なんだ。気に入らねぇのか」
「そんな!その逆です!」
それは花の模様があしらわれており自分が買ったものよりも断然綺麗で可愛かった。これを彼が選んで買っている姿を想像して思わずニヤける。
「とても嬉しいです!大事にしますね!」
彼からのプレゼントが嬉しくてご機嫌でいると彼が近付いてきて小物入れをテーブルに置くと顎を掴まれキスされた。
「俺はハルが欲しい」
恋人になって分かったことが一つ。
彼はとても甘い。目つきも口も悪く粗暴だが二人きりになると甘さ全開だ。今も髪を撫でるように触りながら耳にも指が触れ、見つめ合えば口付けをされ腰を引き寄せ身体が密着する。
毎度こんな感じで心臓がもたないがどんどん彼に惹かれていった。
「今からやっとくか」
彼にソファーに寝かせられるとシュルっとスカーフを外している。彼の瞳は熱が宿りギラギラしておりその目からは逃げられない。
あの雨宿りがなければ人類最強の彼と恋人になることなんてなかったのかもしれない……そう思いながら彼との甘い時間を過ごしていくのだった。
ーーーーーーーーーーーーー
「むふふ」
「どうしたハンジ?先程からご機嫌のようだが」
「どうもこうも、やぁっとあの彼にも春がきたんだ!」
「それは、君が差し向けたのもあるのだろう?」
「あ、やっぱりエルヴィンにはバレてたかー!でもそんなこと言って、この間リヴァイの休みを許したのはエルヴィンじゃないか〜」
「彼とはまだ短い付き合いだが見ていれば分かる」
団長執務室で紅茶片手に話すエルヴィンとハンジ。
あの雨宿りができたのもこの二人のおかげ。その事実をハルが知るのはもう少し後の話。
雨宿り
fin.
ザァーっと雨の降りしきる音が耳に届く。
「起きたか」
ボーっとする頭で瞼を開ければリヴァイ兵長に声をかけられた。
「わたし……」
「気絶だ。無理させちまったな」
すまねぇ、と彼が謝るので慌てて首を振った。
「いえ!謝らないで下さい!」
身体が横を向いているため俯くと裸が見えて先程までの行為を思い出し頬を染めた。そしてある事を思い出し顔をあげる。
「あの…俺のもんになれって言ってましたよね?あれはどういう……?」
「そのままの意味だ」
「それって…リヴァイ兵長のものになったらどうなるのですか…?」
彼のものになるという事は恋人になるという事なのか、それともそんな感情なんてなくてただ
「てめぇはどうしたい」
彼からどうしたいかを尋ねられ視線を落とす。
「どうしたい……それはもちろん側に居たい、です。リヴァイ兵長のお側で働けたら…とても名誉な事ですから」
彼の目を見て話せば何故か抱きしめられた。
お互いまだ裸で直に相手の温もりが伝わって恥ずかしくくすぐったい。
「あの…」
「それは兵士としてだろうが。ハル、一人の女としてどうしたい?」
口調はいつも通りだが声色は穏やかな印象を受けた。
ーー女として……?それって……
その意味が分かった時、鼓動が速くなる。
彼の事はつい先程までは上司としてしか見ていなかったが、一度抱かれただけで身体も心も彼から離れ難くなってしまった。
「女として…リヴァイ兵長の側に居たい、です…」
「俺も同じだ。男としててめぇを離したくない。もうだいぶ前からな」
「えっ?!」
前から、と言う彼の言葉に耳を疑った。いつから彼は自分の事を見ていたのだろうか。聞きたいことが山ほどあった。
「あのメガネからあんたの話は聞いていた。面白い子がいる、とな」
ーーハンジさん……
そういえばここの所、リヴァイ兵長とはどうなのか度々聞かれた事があったのを思い出した。どうもこうも何もなっていない事を伝えると毎度残念そうにするので不思議に思っていたのだ。
「じゃあ、ハンジさんの話で気になって私のことを見ていたんですか?」
「ああ、そうだ」
「なんか恥ずかしいですね…というか見られていることに全然気が付かなかった…」
「当たり前だ。俺を誰だと思っていやがる」
「そう、ですね…あれ?でも今日は?」
それならば今日の事は偶然ではないという事なのか。そうだとしたらなんだかちょっとだけ恐ろしい気がするのは気のせいだろうか。
「おかしな事を考えるんじゃねぇ。今日会ったのはたまたまだ。まぁでも休みで買い物に行く事はあらかじめ知っていたが」
それでも会えるとは思っちゃいねぇよ、と言葉を続けるのでどこまで本当なのか分からないが裏を返せば会えるかもしれないと思って街に来たということ。街を歩いている彼の姿を想像して顔が綻ぶ。
「兵長……嬉しいです…これっきりだと思ったから…おかしな話ですが身体を重ねてから兵長から離れ難くなってしまって…」
「おかしなことじゃねぇ。惚れさせるために抱いたんだ。そうなるのは当たり前だ」
彼の言葉に頬を染めると胸に擦り寄った。
「リヴァイ兵長…私を見てくれてありがとうございます」
「あぁ」
その後もまた抱かれるのだが時間をかけて愛されその甘い彼に酔ってしまったのだった。
雨は既にやんでおり雲が晴れて月の明かりが窓から差し込んでいた。
ーーーーーーーーーーーー
「これをやる」
彼と恋人になって数日後のこと。
今は彼の執務室にお茶を淹れに来ていたが急に何かを差し出された。それを受け取り彼を見た。
「開けても?」
「構わん」
何だろうと少しドキドキしながら包み紙を取り除くと中からガラスで出来た小物入れだった。
「こ、これ!」
「なんだ。気に入らねぇのか」
「そんな!その逆です!」
それは花の模様があしらわれており自分が買ったものよりも断然綺麗で可愛かった。これを彼が選んで買っている姿を想像して思わずニヤける。
「とても嬉しいです!大事にしますね!」
彼からのプレゼントが嬉しくてご機嫌でいると彼が近付いてきて小物入れをテーブルに置くと顎を掴まれキスされた。
「俺はハルが欲しい」
恋人になって分かったことが一つ。
彼はとても甘い。目つきも口も悪く粗暴だが二人きりになると甘さ全開だ。今も髪を撫でるように触りながら耳にも指が触れ、見つめ合えば口付けをされ腰を引き寄せ身体が密着する。
毎度こんな感じで心臓がもたないがどんどん彼に惹かれていった。
「今からやっとくか」
彼にソファーに寝かせられるとシュルっとスカーフを外している。彼の瞳は熱が宿りギラギラしておりその目からは逃げられない。
あの雨宿りがなければ人類最強の彼と恋人になることなんてなかったのかもしれない……そう思いながら彼との甘い時間を過ごしていくのだった。
ーーーーーーーーーーーーー
「むふふ」
「どうしたハンジ?先程からご機嫌のようだが」
「どうもこうも、やぁっとあの彼にも春がきたんだ!」
「それは、君が差し向けたのもあるのだろう?」
「あ、やっぱりエルヴィンにはバレてたかー!でもそんなこと言って、この間リヴァイの休みを許したのはエルヴィンじゃないか〜」
「彼とはまだ短い付き合いだが見ていれば分かる」
団長執務室で紅茶片手に話すエルヴィンとハンジ。
あの雨宿りができたのもこの二人のおかげ。その事実をハルが知るのはもう少し後の話。
雨宿り
fin.
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