Birthday story 2019*
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3.
10月13日
いよいよ明日は団長の誕生日。
プレゼントは既に用意している。これまでは数人でまとめて渡していたため個人で用意するのは初めてだ。緊張するが普段通りに任務をこなしていく。お昼時に分隊長からまた団長に資料を届けるように言われ少しだけ躊躇してしまう。
「なんだ?いつもなら意気揚々と頼まれてくれるが今日は浮かない顔だな」
「意気揚々だなんてこと、ないです」
「そうか」
分隊長はニマリ顔をしており全てお見通しなのだと知らされ気まずい雰囲気が漂う。
「ライバルが多いと思うが団長に迷惑はかけるなよ」
「かけてません」
「だといいけどな」
「?どういうことですか?」
「お前……気付いてないのか?」
「なんのことでしょうか…?」
団長に迷惑をかけているつもりなどないのだが分隊長の反応を見るからに何かあるのだろう。考えてみたが思い当たることと言えば先日の壁外調査での事ぐらいか。
「先日の調査の事で団長には注意をされましたが…」
「それは前から分かっている事だろう」
分隊長にも言われ今後も気をつけなければと反省する。
「それより早く団長に資料を持っていけ。ああ、それから昼食がまだだと思うから食事も持っていくといい」
「了解です」
食堂で団長の分の食事を預かり資料と共に届けに行く。団長室に着けば「待っていたよ」と中へ招かれる。
「食事も持ってきてくれたのか。助かった」
「いえ…あとこれを。では」
資料を手渡し部屋を出ようとしたが引き止められた。
「待ってくれ。食事をしながら資料に目を通す。またそれを届けてくれると助かるのだが」
「分かりました…」
食事をしながら資料を眺める団長を見つめていると次第に欠伸が漏れる。自分は食べた直後で眠気が襲うのだ。椅子に座っていたが我慢の限界でコクリと首が落ちる。
「今ここで寝てしまうと君を襲いかねない」
耳元で囁かれその内容に驚き勢いよく立ち上がる。
「任務中に居眠りとは」
「え、あ…も、申し訳ありません!」
そうだった。ここは団長の執務室。居眠りをしてしまうとは失態だ。直立し左胸に勢いよく拳を当てて全力で謝罪する。
「いや。別にそのまま寝かせていてもよかったのだがな」
流石に身がもたない、などと言うので首を傾げる。
「どういう事ですか…?」
「こちらの話だ。気にしなくていい」
団長から資料を受け取ると「今日はもう休むといい」と言われ急遽非番になってしまう。分隊長に資料を届け非番になったことを伝えると翌日の午後から任務にあたることになった。団長の誕生日だから休みをもらったというのに。だが仕方がない。午後は休んで明日に備えることにした。
明日は団長の誕生日。
団長の言葉の真意が分からぬままではあるけど、自分は祝いの言葉と感謝の気持ちが伝えられればそれでいい…明日備えて眠りに就いた。
10月13日
いよいよ明日は団長の誕生日。
プレゼントは既に用意している。これまでは数人でまとめて渡していたため個人で用意するのは初めてだ。緊張するが普段通りに任務をこなしていく。お昼時に分隊長からまた団長に資料を届けるように言われ少しだけ躊躇してしまう。
「なんだ?いつもなら意気揚々と頼まれてくれるが今日は浮かない顔だな」
「意気揚々だなんてこと、ないです」
「そうか」
分隊長はニマリ顔をしており全てお見通しなのだと知らされ気まずい雰囲気が漂う。
「ライバルが多いと思うが団長に迷惑はかけるなよ」
「かけてません」
「だといいけどな」
「?どういうことですか?」
「お前……気付いてないのか?」
「なんのことでしょうか…?」
団長に迷惑をかけているつもりなどないのだが分隊長の反応を見るからに何かあるのだろう。考えてみたが思い当たることと言えば先日の壁外調査での事ぐらいか。
「先日の調査の事で団長には注意をされましたが…」
「それは前から分かっている事だろう」
分隊長にも言われ今後も気をつけなければと反省する。
「それより早く団長に資料を持っていけ。ああ、それから昼食がまだだと思うから食事も持っていくといい」
「了解です」
食堂で団長の分の食事を預かり資料と共に届けに行く。団長室に着けば「待っていたよ」と中へ招かれる。
「食事も持ってきてくれたのか。助かった」
「いえ…あとこれを。では」
資料を手渡し部屋を出ようとしたが引き止められた。
「待ってくれ。食事をしながら資料に目を通す。またそれを届けてくれると助かるのだが」
「分かりました…」
食事をしながら資料を眺める団長を見つめていると次第に欠伸が漏れる。自分は食べた直後で眠気が襲うのだ。椅子に座っていたが我慢の限界でコクリと首が落ちる。
「今ここで寝てしまうと君を襲いかねない」
耳元で囁かれその内容に驚き勢いよく立ち上がる。
「任務中に居眠りとは」
「え、あ…も、申し訳ありません!」
そうだった。ここは団長の執務室。居眠りをしてしまうとは失態だ。直立し左胸に勢いよく拳を当てて全力で謝罪する。
「いや。別にそのまま寝かせていてもよかったのだがな」
流石に身がもたない、などと言うので首を傾げる。
「どういう事ですか…?」
「こちらの話だ。気にしなくていい」
団長から資料を受け取ると「今日はもう休むといい」と言われ急遽非番になってしまう。分隊長に資料を届け非番になったことを伝えると翌日の午後から任務にあたることになった。団長の誕生日だから休みをもらったというのに。だが仕方がない。午後は休んで明日に備えることにした。
明日は団長の誕生日。
団長の言葉の真意が分からぬままではあるけど、自分は祝いの言葉と感謝の気持ちが伝えられればそれでいい…明日備えて眠りに就いた。