Birthday story 2019*
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2.
10月12日 団長執務室
「だんちょ…待っ、てくださ、い……んッ」
次の日、分隊長に頼まれて団長へ資料を届けに執務室へ来ていた。しかしまた捕まってしまい昨日同様、首筋を攻められている。昨日と違う事と言えば、今日は髪を結んだまま、そしてソファーに座っている状況だ。
抵抗したくても上手く出来ない。憧れの人に触れてもらえるなんて嬉しいのと同時に彼が自分の事をどう思っているのか知りたくなる。だが、聞いてしまえば彼は遠ざかってしまうような気がして何も聞けずにいた。
「君はやはり、いい香りだ」
「そんな、こと……」
「いや。人は香りに惹かれ合うという」
「香りに…?」
「そうだ。香りが良いと感じるのならそれは相性がいいことなのだろう」
「?!」
相性がいい、団長がそう言った事に驚きを隠せない。その言葉に胸が弾んだが相性というのは人としてだ、そう自分に言い聞かせた。期待をしてはいけない。
「あの…団長、ん…待っ…、」
「君は」
「…っ、はい、」
「君はどうなんだ?私の香りを…どう思う」
「…いい香りが、します…落ち着く香り、です」
「…そうか」
顔を上げた団長が頬を緩めおでこにキスを落とす。
「──っっ!」
それが何を意味するのかなんて考えられないほど余裕がなくなり顔や体が火照るばかり。団長はこんな事を他の兵士にもしているのだろうか…。
コンコンコン、
「エルヴィン団長、モブリットです」
団長室への訪問者だがまたしてもモブリットさん。
「ああ。少し待ってくれ」
立てるか?、と聞かれ頷けば手を貸してくれる団長。大きな手に包まれる自分の手が情けないほど小さく震えていた。そんな自分に資料が手渡された。団長はモブリットさんを招き入れ彼に「あれ、君も来ていたのか」と声をかけられる。
「頼まれた資料を届けに」
「そうか。ご苦労だったね。僕も頼まれ」
「モブリット、それを。君もその資料を分隊長へ届けてくれ」
モブリットさんの話を遮るように話し出す団長に少し違和感を感じたが早くこの場から離れたい一心で部屋を後にした。いくら憧れの人とは言え心臓が持たない。資料を届けに分隊長の所へ向かったが「熱でもあるのか?」と心配されてしまう羽目に。
火照る顔を手で扇ぎながら自分も残りの執務に取り掛かる。
団長の誕生日まであと2日。
本当に当日大丈夫なのだろうかと不安になる。
10月12日 団長執務室
「だんちょ…待っ、てくださ、い……んッ」
次の日、分隊長に頼まれて団長へ資料を届けに執務室へ来ていた。しかしまた捕まってしまい昨日同様、首筋を攻められている。昨日と違う事と言えば、今日は髪を結んだまま、そしてソファーに座っている状況だ。
抵抗したくても上手く出来ない。憧れの人に触れてもらえるなんて嬉しいのと同時に彼が自分の事をどう思っているのか知りたくなる。だが、聞いてしまえば彼は遠ざかってしまうような気がして何も聞けずにいた。
「君はやはり、いい香りだ」
「そんな、こと……」
「いや。人は香りに惹かれ合うという」
「香りに…?」
「そうだ。香りが良いと感じるのならそれは相性がいいことなのだろう」
「?!」
相性がいい、団長がそう言った事に驚きを隠せない。その言葉に胸が弾んだが相性というのは人としてだ、そう自分に言い聞かせた。期待をしてはいけない。
「あの…団長、ん…待っ…、」
「君は」
「…っ、はい、」
「君はどうなんだ?私の香りを…どう思う」
「…いい香りが、します…落ち着く香り、です」
「…そうか」
顔を上げた団長が頬を緩めおでこにキスを落とす。
「──っっ!」
それが何を意味するのかなんて考えられないほど余裕がなくなり顔や体が火照るばかり。団長はこんな事を他の兵士にもしているのだろうか…。
コンコンコン、
「エルヴィン団長、モブリットです」
団長室への訪問者だがまたしてもモブリットさん。
「ああ。少し待ってくれ」
立てるか?、と聞かれ頷けば手を貸してくれる団長。大きな手に包まれる自分の手が情けないほど小さく震えていた。そんな自分に資料が手渡された。団長はモブリットさんを招き入れ彼に「あれ、君も来ていたのか」と声をかけられる。
「頼まれた資料を届けに」
「そうか。ご苦労だったね。僕も頼まれ」
「モブリット、それを。君もその資料を分隊長へ届けてくれ」
モブリットさんの話を遮るように話し出す団長に少し違和感を感じたが早くこの場から離れたい一心で部屋を後にした。いくら憧れの人とは言え心臓が持たない。資料を届けに分隊長の所へ向かったが「熱でもあるのか?」と心配されてしまう羽目に。
火照る顔を手で扇ぎながら自分も残りの執務に取り掛かる。
団長の誕生日まであと2日。
本当に当日大丈夫なのだろうかと不安になる。