君に伝えよう
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4.
バタン
エルヴィン分隊長が部屋を出たのを確認してソファーへ座る。手には渡された資料がある。目を通さなければならないが心中はそれどころではない。
ーーこれはちょっと……耐えられるかな…
意中の相手と密室に二人きりという事だけでも緊張ものなのに先程髪を触られ気が気ではなかった。それを悟られないように至って普通に振舞ってみたが彼に何か気付かれたのではないかと肝を冷やしていた。
ーーもっと触ってほしいなんて…
彼が髪を触る手つきはとても優しくそれをもっと感じていたかったがさすがにそれは恋人同士でもないのに欲張りすぎると思い声をかけた。
ーーでも髪を触られたのは友のおかげかな…
同期であり友でありあのリヴァイ兵長の恋人である彼女に感謝した。
そして深呼吸をすると資料に目を通し始める。
しかし読み込んでいると瞼が重たくなってきてしまう。
ーー最近眠れてなかったからかな…
数日前に彼から話があると言われこの日が来るまで夜もあまり眠れていない。陣形についての話なんだが彼と一緒の時間を過ごすということで嬉しくもあり程よい緊張感を感じていた。
ーーダメだわ…ここは彼の執務室…こんな所で寝る訳には…
こめかみ部分を押さえてもう一度資料に視線を落とす。が、徐々に瞼が下がり遂には視界が真っ暗になった。
どれくらい時間が経っただろうか。
自分の右側に温もりを感じて心地がいい。その温もりにすがりたくて体を寄せる。ふわりと覚えのある香りがしたが眠たくて微睡みの中をふわふわを漂っていた。
すると頬に何かが触れ何だろうと目を開けようとしたところで今度は唇に何かが触れた。
ーー口に何か当たってる…
それは柔らかくて温かいものでボーッとする頭でソッと目を開ける。するとその柔らかなそれも離れて小さく開いた目に彼の顔がボヤッと見えた。何故彼の顔が目の前にあるのか。深くは考えず、あぁ、彼の夢を見るなんてなんて幸せなんだろうとまた瞼を閉じて眠気に体を委ねようとしたがまた唇に先程と同じ感触がする。
でも今度は何かがおかしい。
下唇を摘まれているような感じがして眉間に皺を寄せた。顔を動かそうとしたが顎を抑えられてるような感覚がして上手く動かせない。
夢にしては変だ。
感触も凄く生々しい。
重たい瞼をゆっくり開けると目を閉じている彼の顔が視界いっぱいに広がった。
驚きのあまりパチパチと瞬きをしていると唇をまたそっと優しく挟み込まれて堪らず声が出る。
「んっ」
彼に口付けをされている。
今度はすぐに状況が理解できたが何故なのか頭が混乱してしまう。声を出した事で彼が目を開けて唇が離れた。彼は驚く素振りなど見せずじっとこちらを見ている。
何も言わずただただ見つめ合うだけだが彼の碧い瞳は熱っぽく視線をそらす事が出来なかった…
バタン
エルヴィン分隊長が部屋を出たのを確認してソファーへ座る。手には渡された資料がある。目を通さなければならないが心中はそれどころではない。
ーーこれはちょっと……耐えられるかな…
意中の相手と密室に二人きりという事だけでも緊張ものなのに先程髪を触られ気が気ではなかった。それを悟られないように至って普通に振舞ってみたが彼に何か気付かれたのではないかと肝を冷やしていた。
ーーもっと触ってほしいなんて…
彼が髪を触る手つきはとても優しくそれをもっと感じていたかったがさすがにそれは恋人同士でもないのに欲張りすぎると思い声をかけた。
ーーでも髪を触られたのは友のおかげかな…
同期であり友でありあのリヴァイ兵長の恋人である彼女に感謝した。
そして深呼吸をすると資料に目を通し始める。
しかし読み込んでいると瞼が重たくなってきてしまう。
ーー最近眠れてなかったからかな…
数日前に彼から話があると言われこの日が来るまで夜もあまり眠れていない。陣形についての話なんだが彼と一緒の時間を過ごすということで嬉しくもあり程よい緊張感を感じていた。
ーーダメだわ…ここは彼の執務室…こんな所で寝る訳には…
こめかみ部分を押さえてもう一度資料に視線を落とす。が、徐々に瞼が下がり遂には視界が真っ暗になった。
どれくらい時間が経っただろうか。
自分の右側に温もりを感じて心地がいい。その温もりにすがりたくて体を寄せる。ふわりと覚えのある香りがしたが眠たくて微睡みの中をふわふわを漂っていた。
すると頬に何かが触れ何だろうと目を開けようとしたところで今度は唇に何かが触れた。
ーー口に何か当たってる…
それは柔らかくて温かいものでボーッとする頭でソッと目を開ける。するとその柔らかなそれも離れて小さく開いた目に彼の顔がボヤッと見えた。何故彼の顔が目の前にあるのか。深くは考えず、あぁ、彼の夢を見るなんてなんて幸せなんだろうとまた瞼を閉じて眠気に体を委ねようとしたがまた唇に先程と同じ感触がする。
でも今度は何かがおかしい。
下唇を摘まれているような感じがして眉間に皺を寄せた。顔を動かそうとしたが顎を抑えられてるような感覚がして上手く動かせない。
夢にしては変だ。
感触も凄く生々しい。
重たい瞼をゆっくり開けると目を閉じている彼の顔が視界いっぱいに広がった。
驚きのあまりパチパチと瞬きをしていると唇をまたそっと優しく挟み込まれて堪らず声が出る。
「んっ」
彼に口付けをされている。
今度はすぐに状況が理解できたが何故なのか頭が混乱してしまう。声を出した事で彼が目を開けて唇が離れた。彼は驚く素振りなど見せずじっとこちらを見ている。
何も言わずただただ見つめ合うだけだが彼の碧い瞳は熱っぽく視線をそらす事が出来なかった…