君に伝えよう
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3.
彼女へのお返しを買いそれを執務室の引き出しにしまっておく。
ーー彼女は喜んでくれるたろうか
3月14日まであと一週間。
三日後。
長距離索敵陣形について彼女の意見も聞こうと声をかけた。
「ハル。少しいいか?」
「はい」
食堂で仲間達と話している彼女に声をかけた。
不思議そうにしている彼女を気にせず廊下で立ち話をする。
「先日話していた長距離索敵陣形についてだが数日後に話そう。四日後の3月14日でいいか?」
「はい。大丈夫だと思います。時間はいつですか?」
「そうだな…夕刻前にしておこう」
「分かりました。空けておきますね」
では、と敬礼したのち彼女はまた食堂へ入って行った。
ーーーーーー
コンコンコン
「ハルです」
「入ってくれ」
失礼します、と彼女が入ってくる。
今日は約束していた3月14日。いよいよこの時が来てしまう。とりあえずは陣形の話をして場が和んでから話を切り出すことにした。そして入ってきた彼女を見るとなんだかいつも雰囲気が違う。
見つめていると不思議そうにしている彼女。
「いつもと違うな」
「あ、たぶん髪型のせいです」
これです、と後ろを向くと彼女の髪は上半分くらいをまとめられ結んでいた。そこには小さな花のようなものがついているため近くに寄って見つめた。
「これは…」
「髪飾りです。友人か貸してくれるとつけてくれたのです。断ったんですけど"今日は特別だから"と…」
何が特別なのか私にはさっぱり分からなくて、そう首を傾げている彼女。自分に背を向けて立っており目の前で揺れる彼女の髪。その髪に手を伸ばして触れるとその柔らかな質感に何度も触れてしまう。
「分隊長?」
また不思議そうに顔だけ振り付きこちらを見る彼女を思わず抱きしめたい衝動に駆られたがグッと堪える。
ーーここまで余裕がなくなるとはな…
スマートにお返しをしてあわよくば気持ちを伝えようと考えていたのだが。
ーーこれでは先が思いやられるな
「すまない。髪に糸くずがついていた」
「そうなんですか。ありがとうございます」
自分と体を向き合わせると彼女はふわりと笑っている。不純な気持ちがあるのは自分だけだということを感じ小さく息を吐いた。
自分を落ち着かせるためにあの話を切り出した。
「では長距離索敵陣形について話すとしよう」
「はい」
「ではまずはこれを見てくれ…」
まずは陣形の話だ。
図にまとめたものを見せようと机に歩み寄る。
コンコンコン
机に資料を広げたところでドアからノックが聞こえた。誰かと思い返事をした後ドアを開ける。
「エルヴィン分隊長。団長がお呼びです。今すぐ来て欲しいと」
一人の兵士が敬礼しながら内容を話す。
これから彼女と過ごそうというところで呼び出しがあり気持ちが萎えるが団長からの呼び出しならば行くほかない。
「分かった。すぐに向かう。ご苦労だった」
「はっ!」
短くはっきり返事をするとその兵士は去って行く。
ドアを閉めると彼女に向き直り今の話をする。
「聞こえていたか?」
「はい。団長の元へ行かれるんですよね?」
日を改めましょうか?、と彼女に言われるがそういう訳にはいかない。こちらは準備をしているのだから。
「いや…今日はもう何も予定はないか?」
「はい。もう上がりですので」
「ならばここで待っていてくれないか?」
そう言ってA4サイズほどの資料数枚を彼女に手渡す。
「これが陣形についてまとめたものになる。これを読んで待っていてくれ」
「了解です」
「用が済めばすぐに戻る。そこに座ってくれて構わない」
ソファーを指差して彼女が頷くのを確認したのち、自分は団長の元へと足を運んだ。
彼女へのお返しを買いそれを執務室の引き出しにしまっておく。
ーー彼女は喜んでくれるたろうか
3月14日まであと一週間。
三日後。
長距離索敵陣形について彼女の意見も聞こうと声をかけた。
「ハル。少しいいか?」
「はい」
食堂で仲間達と話している彼女に声をかけた。
不思議そうにしている彼女を気にせず廊下で立ち話をする。
「先日話していた長距離索敵陣形についてだが数日後に話そう。四日後の3月14日でいいか?」
「はい。大丈夫だと思います。時間はいつですか?」
「そうだな…夕刻前にしておこう」
「分かりました。空けておきますね」
では、と敬礼したのち彼女はまた食堂へ入って行った。
ーーーーーー
コンコンコン
「ハルです」
「入ってくれ」
失礼します、と彼女が入ってくる。
今日は約束していた3月14日。いよいよこの時が来てしまう。とりあえずは陣形の話をして場が和んでから話を切り出すことにした。そして入ってきた彼女を見るとなんだかいつも雰囲気が違う。
見つめていると不思議そうにしている彼女。
「いつもと違うな」
「あ、たぶん髪型のせいです」
これです、と後ろを向くと彼女の髪は上半分くらいをまとめられ結んでいた。そこには小さな花のようなものがついているため近くに寄って見つめた。
「これは…」
「髪飾りです。友人か貸してくれるとつけてくれたのです。断ったんですけど"今日は特別だから"と…」
何が特別なのか私にはさっぱり分からなくて、そう首を傾げている彼女。自分に背を向けて立っており目の前で揺れる彼女の髪。その髪に手を伸ばして触れるとその柔らかな質感に何度も触れてしまう。
「分隊長?」
また不思議そうに顔だけ振り付きこちらを見る彼女を思わず抱きしめたい衝動に駆られたがグッと堪える。
ーーここまで余裕がなくなるとはな…
スマートにお返しをしてあわよくば気持ちを伝えようと考えていたのだが。
ーーこれでは先が思いやられるな
「すまない。髪に糸くずがついていた」
「そうなんですか。ありがとうございます」
自分と体を向き合わせると彼女はふわりと笑っている。不純な気持ちがあるのは自分だけだということを感じ小さく息を吐いた。
自分を落ち着かせるためにあの話を切り出した。
「では長距離索敵陣形について話すとしよう」
「はい」
「ではまずはこれを見てくれ…」
まずは陣形の話だ。
図にまとめたものを見せようと机に歩み寄る。
コンコンコン
机に資料を広げたところでドアからノックが聞こえた。誰かと思い返事をした後ドアを開ける。
「エルヴィン分隊長。団長がお呼びです。今すぐ来て欲しいと」
一人の兵士が敬礼しながら内容を話す。
これから彼女と過ごそうというところで呼び出しがあり気持ちが萎えるが団長からの呼び出しならば行くほかない。
「分かった。すぐに向かう。ご苦労だった」
「はっ!」
短くはっきり返事をするとその兵士は去って行く。
ドアを閉めると彼女に向き直り今の話をする。
「聞こえていたか?」
「はい。団長の元へ行かれるんですよね?」
日を改めましょうか?、と彼女に言われるがそういう訳にはいかない。こちらは準備をしているのだから。
「いや…今日はもう何も予定はないか?」
「はい。もう上がりですので」
「ならばここで待っていてくれないか?」
そう言ってA4サイズほどの資料数枚を彼女に手渡す。
「これが陣形についてまとめたものになる。これを読んで待っていてくれ」
「了解です」
「用が済めばすぐに戻る。そこに座ってくれて構わない」
ソファーを指差して彼女が頷くのを確認したのち、自分は団長の元へと足を運んだ。