君に伝えよう
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2.
彼女へのお返しに何がいいのかを考えているのだが何も思い浮かばない。内地へ行った時に菓子や雑貨屋などを見て回ったがよくよく考えれば彼女のことをよく知らない。好みなど具体的なものだと尚更だ。
ーーどうしたものか
お返しの日である3月14日が10日後だ。
執務室から外を眺め思案していると彼女とリヴァイの恋仲の相手が歩いているのを見かけ目で追う。
ーーそういえば彼女達は同期で友人だと言っていたか…
リヴァイの話を思い出す。
そこへノックと同時にリヴァイが入って来た。
ーータイミングが良すぎるな
まるで図ったように入って来た彼を見つめると怪訝そうに眉間に皺を寄せている。
「なんだ。いつも以上に情けねぇ面しやがって」
「そうだな。困ったことなったのには違いない」
「ほぅ。アイツのことだろ?」
彼は察しがいい。
まぁ彼女とのことも知っていることもある。
「リヴァイ。君に頼みがある」
「…嫌な予感しかしねぇが」
「恋仲である君の彼女を私に数時間程貸してくれないか?」
「あ"ぁ?」
意中の相手の事を知りたいが直接聞くのは気が引ける。何よりこっそり準備をしてお返しをしようとしているのだ。好みなどそんなこと聞けるわけもない。そのため彼の彼女から情報を聞き出したいのだが彼はあからさまに嫌そうに睨む。
「そんなに睨むことはないだろ」
「俺は間違っちゃいねぇ。自分でどうにかしろ」
そう言って執務室を出て行ってしまった。
そもそも彼は何か用事があったのではないのか。
ーー日が近いから気にかけてくれたということか
彼の優しさは分かりにくい。
彼の協力を得られないのなら自分でどうにかするしかないと考えを巡らせた。
どれぐらい時間が経っただろうか。
外は夕陽が沈もうと空を橙色に染め始めていた。書類の仕事もひと段落つき片付けをしているとドアがノックされた。
「リヴァイ兵長から言伝を預かって参りました」
彼から何か知らせがあるのかと返事をして扉を開ける。そこには彼の彼女と意中の相手が立っていた。内心焦るが表には出さず中に入るように促す。
「それで。リヴァイからの言伝とは?」
「はい。"もう少し仲間の事をよく見ろ"と」
彼の彼女が敬礼をしながら話す。
ーーなるほど
きっと彼の差し金で二人を寄越したのだろう。
だが、隣にいる意中の女性は何のことか分からないといった風に不思議そうにしていた。
「分隊長も大変ですね」
彼の彼女がそう言ってクスクスと笑っていた。
「そうだな。今困ってるところだったから助かる」
「そうなんじゃないかと思いました」
ニヤリと笑うと隣の女性に視線を向けている。
自分もそちらに目を向けるとビクリと驚く彼女。
「な、なんですか…私は何もしていませんよ?」
「本当に何もしていないのか?」
「は、はい…」
「そうか」
不思議そうにしている意中の女性とニヤニヤしながら見ている彼の彼女。するとその彼女が急に話し出した。
「そうだ!この際だから分隊長が思案しているっていう陣形のことについて聞いてみたら?」
聞きたいって言ってたでしょ?、と話を振っている。
願ってもいないことだが当の女性は困ったように笑っていた。
「た、確かに聞きたいって話だけどいきなりすぎでしょ…分隊長すみません」
「いや。聞きたいのならいつでも話そうと言いたいところだが…今日はもう終いだ。後日声をかけるとしよう」
そう言えば「はい」とふわりと微笑む。
「あ、分隊長。明日私達休みで街へ買い物へ行く予定なんですけどお休みであればご一緒にどうですか?」
彼の彼女がそう提案をしてくれるが「ちょ、ちょっと!」と止められている。
「せっかくの誘いだが…すまない。明日は非番ではなくてな。何を買いに行くんだ?」
さり気なく彼女の好みが分かればと話を振ってみる。
恐らく彼女の友人が買い物に誘ったのもそのためだろう。質問すると目が合いウインクされた。
小さく頷いていると彼女が話し出す。
「えっと…特に決めてはいないですが雑貨屋とかに行こうかな、と」
「そうか。どんなものが好きなんだ?」
「そうですね…小さくて可愛らしいものとか小物入れとかコロンも好きです」
「ほう。そうなのか」
「でも高価なものなのでなかなか買えないですけどね」
苦笑いをしている彼女を見てお返しするものがたった今決まった。
「そうか。いいものが見つかればいいな」
「はい」
彼女は笑顔で答えると「ではこれで」と友人と共に部屋を出て行く。
ーー彼に感謝しなければな
明後日が非番のためそこで彼女へのお返しを買いにいくことに決めた。
彼女へのお返しに何がいいのかを考えているのだが何も思い浮かばない。内地へ行った時に菓子や雑貨屋などを見て回ったがよくよく考えれば彼女のことをよく知らない。好みなど具体的なものだと尚更だ。
ーーどうしたものか
お返しの日である3月14日が10日後だ。
執務室から外を眺め思案していると彼女とリヴァイの恋仲の相手が歩いているのを見かけ目で追う。
ーーそういえば彼女達は同期で友人だと言っていたか…
リヴァイの話を思い出す。
そこへノックと同時にリヴァイが入って来た。
ーータイミングが良すぎるな
まるで図ったように入って来た彼を見つめると怪訝そうに眉間に皺を寄せている。
「なんだ。いつも以上に情けねぇ面しやがって」
「そうだな。困ったことなったのには違いない」
「ほぅ。アイツのことだろ?」
彼は察しがいい。
まぁ彼女とのことも知っていることもある。
「リヴァイ。君に頼みがある」
「…嫌な予感しかしねぇが」
「恋仲である君の彼女を私に数時間程貸してくれないか?」
「あ"ぁ?」
意中の相手の事を知りたいが直接聞くのは気が引ける。何よりこっそり準備をしてお返しをしようとしているのだ。好みなどそんなこと聞けるわけもない。そのため彼の彼女から情報を聞き出したいのだが彼はあからさまに嫌そうに睨む。
「そんなに睨むことはないだろ」
「俺は間違っちゃいねぇ。自分でどうにかしろ」
そう言って執務室を出て行ってしまった。
そもそも彼は何か用事があったのではないのか。
ーー日が近いから気にかけてくれたということか
彼の優しさは分かりにくい。
彼の協力を得られないのなら自分でどうにかするしかないと考えを巡らせた。
どれぐらい時間が経っただろうか。
外は夕陽が沈もうと空を橙色に染め始めていた。書類の仕事もひと段落つき片付けをしているとドアがノックされた。
「リヴァイ兵長から言伝を預かって参りました」
彼から何か知らせがあるのかと返事をして扉を開ける。そこには彼の彼女と意中の相手が立っていた。内心焦るが表には出さず中に入るように促す。
「それで。リヴァイからの言伝とは?」
「はい。"もう少し仲間の事をよく見ろ"と」
彼の彼女が敬礼をしながら話す。
ーーなるほど
きっと彼の差し金で二人を寄越したのだろう。
だが、隣にいる意中の女性は何のことか分からないといった風に不思議そうにしていた。
「分隊長も大変ですね」
彼の彼女がそう言ってクスクスと笑っていた。
「そうだな。今困ってるところだったから助かる」
「そうなんじゃないかと思いました」
ニヤリと笑うと隣の女性に視線を向けている。
自分もそちらに目を向けるとビクリと驚く彼女。
「な、なんですか…私は何もしていませんよ?」
「本当に何もしていないのか?」
「は、はい…」
「そうか」
不思議そうにしている意中の女性とニヤニヤしながら見ている彼の彼女。するとその彼女が急に話し出した。
「そうだ!この際だから分隊長が思案しているっていう陣形のことについて聞いてみたら?」
聞きたいって言ってたでしょ?、と話を振っている。
願ってもいないことだが当の女性は困ったように笑っていた。
「た、確かに聞きたいって話だけどいきなりすぎでしょ…分隊長すみません」
「いや。聞きたいのならいつでも話そうと言いたいところだが…今日はもう終いだ。後日声をかけるとしよう」
そう言えば「はい」とふわりと微笑む。
「あ、分隊長。明日私達休みで街へ買い物へ行く予定なんですけどお休みであればご一緒にどうですか?」
彼の彼女がそう提案をしてくれるが「ちょ、ちょっと!」と止められている。
「せっかくの誘いだが…すまない。明日は非番ではなくてな。何を買いに行くんだ?」
さり気なく彼女の好みが分かればと話を振ってみる。
恐らく彼女の友人が買い物に誘ったのもそのためだろう。質問すると目が合いウインクされた。
小さく頷いていると彼女が話し出す。
「えっと…特に決めてはいないですが雑貨屋とかに行こうかな、と」
「そうか。どんなものが好きなんだ?」
「そうですね…小さくて可愛らしいものとか小物入れとかコロンも好きです」
「ほう。そうなのか」
「でも高価なものなのでなかなか買えないですけどね」
苦笑いをしている彼女を見てお返しするものがたった今決まった。
「そうか。いいものが見つかればいいな」
「はい」
彼女は笑顔で答えると「ではこれで」と友人と共に部屋を出て行く。
ーー彼に感謝しなければな
明後日が非番のためそこで彼女へのお返しを買いにいくことに決めた。